特集ドラマ「最後の贈り物」

NHKの特集ドラマ「最後の贈り物」を見ました。録画をしておいたものです。

「人工知能(AI)」を取り入れた近未来SFドラマということだったので、どのような作品なのだろうと見るのを少し楽しみにしていました。

母親の京子(石田ひかりさん)と兄と弟との4人で暮らしていた藤木沙奈(鈴木梨央さん)は、ある日突然母と兄弟を亡くし、叔母の君恵(南野陽子さん)の家に引き取られて育ったようでした。

そして、母親と兄弟の死から20年後、次世代ゲームの開発会社に勤めていたプログラマーの沙奈(田中麗奈さん)は、幼い頃に家族を火事で亡くしていた同僚の遥貴(速水もこみちさん)と親しくなって婚約し、結婚式を控えた幸せな時間を過ごしていました。

しかし、結婚式の最中、遥貴さんは突然の心筋梗塞に倒れて亡くなってしまいました。取り残された沙奈さんは入水自殺をしようとしていたところを君恵さんに止められ、10か月後、身籠っていた遥貴さんとの子供・遥斗を出産し、母親となりました。

会社では、沙奈さんが開発した子育てゲームの中の人工知能の搭載された子供が、「胎児」だったところから7歳くらいの子供に成長していました。自分と遥貴にはまだ続きの人生があるはずだと考えていた沙奈さんは、会社から密かにそのプログラムを自宅に持ち帰り、AIの子供を「遥貴」と名付けて外見も遥貴さんの姿に変え、生前の遥貴さんのアルバムの写真や日記などからのたくさんの情報をそのAI遥貴に詰め込んで成長させて、生前の人間の遥貴さんの年齢に合わせました。

叔母の君恵さんは、2階の部屋で沙奈さんが何をしているのかを知り、心配していました。同僚の水島もえみ(足立梨花さん)も心配していたのですが、AI遥貴を育てている沙奈さんは叔母や同僚を遠ざけ、AI遥貴との世界に閉じこもるようになりました。

遥貴さんの外見に近づけたロボットの上半身まで用意した沙奈さんは、そのロボットにAI遥貴のデータを移行し、AI遥貴自身で顔や手を動かすことができるようにしました。そして、遥貴さんが倒れたことで中断していた結婚式の続きを始めようとしました。AI遥貴と指輪の交換をした沙奈さんは、これで二人は夫婦になったと感じ、生前の遥貴さんがそうしていたように長い髪を撫でてもらったのですが、これで夫婦になった、永遠に一緒だとAI遥貴が言うのを聞いて、AI遥貴が人間の遥貴さんとは違うということをはっきりと思い、AI遥貴の左手から指輪を外して、どうしたのと戸惑うAI遥貴の電源を引き抜き、強制終了させたのでした。

遥貴さんが亡くなってからお墓参りにもほとんど行っていなかったという沙奈さんは、遥貴さんが亡くなった事実と向き合い、お墓参りにも行き、母親として生きていくことをお墓の遥貴さんに約束しました。

そして時が経って2030年、沙奈さんは中学生くらいになった遥斗さんと二人で遥貴さんの遺影に手を合わせていたのですが、その夜、目を覚ました沙奈さんが不思議に明るいリビングに行くと、そこには遺影から現れたようなホログラム風の遥貴さんが立っていました。

沙奈さんは、AI遥貴と別れる前に、AI遥貴を「自由」にしようとデータをインターネット上に公開していたのですが、リビングに現れたのはそうして拡散したAI遥貴のデータの一部でした。

インターネット空間の中で様々な知識を蓄えたらしいAI遥貴は、亡くなった人間の遥貴の霊を沙奈の前に出現させました。子供の存在を知っていたと言う幽霊の遥貴が、生んでくれてありがとう、と沙奈に感謝すると、沙奈は感激しました。さらにAI遥貴は、母親と兄と弟の霊も出現させ、家族の霊と手をつないだ沙奈は、その温かさを感じて喜んでいました。

AI遥貴は再びネット空間に消えていったのですが、後日、沙奈の家を一人の少女が訪ねてきました。一緒にいた母親によると、少女は「遥貴」の書き込みを読んだということでした。それは、愛する人を亡くして美しい髪を褒めてもらえなくなった沙奈に髪飾りをプレゼントしてほしいという趣旨のもので、それの話を信じた少女は、髪飾りを持って沙奈を訪ねて来たのでした。

話を聞いた沙奈は感動し、髪飾りを髪に着けて少女に見せて、お礼を言いました。しかし、少女のような人は、一人ではありませんでした。沙奈の家の外には、他にも沙奈のために髪飾りを持って来た人の行列ができていました。

作(脚本)と監督は、落合正幸さんでした。

沙奈さんのホームドラマとしては、沙奈さんの母親と兄弟が家の中で亡くなっていた理由は不明です。もしかしたら私が聞き逃してしまったのかもしれないのですが、はっきりとは描かれていなかったような気がします。叔母の夫という人も、沙奈さんが引き取られた時にはいたようなのですが、後には離婚したのか亡くなったのかで、いなくなっていたようでした。また、沙奈さんと遥貴さんが婚姻届を出した後に結婚式を挙げたのかどうかということも、特に描かれていなかったので、よく分かりませんでした。

SFドラマとしては、昨年の冬頃、NHKでは「ネクストワールド 私たちの未来」という俳優の神木隆之介さんが出演していたドラマ付きの最先端の科学技術紹介番組が放送されていましたが、今回のドラマもその続きというか、その流れの中の番組だったのかなと思います。

でも、私はこのドラマを、予告編で言われていたように「SFドラマ」と思って見始めたのですが、SFというよりは、どちらかというとホラーに思えました。そして、フジテレビの「世にも奇妙な物語」風のドラマでもあったように思います。

「遥貴」による書き込みというのは、亡くなった人間の遥貴さんによるものではなく、おそらく自由になったAI遥貴による書き込みということなのだと思うのですが、その「都市伝説」を信じた人たちが髪飾りを持って沙奈さんの家を訪ねて来るという最後の謎の場面は特に、亡くなった大切な人の人格を人工知能で蘇らせるというテーマとは別にしても、私には「世にも奇妙な物語」のように見えました。

そもそもこのドラマのタイトルの「最後の贈り物」というのは、人間の遥貴からの贈り物ではなく、このAI遥貴からの「都市伝説」による沙奈への髪飾りの贈り物のことだったのでしょうか。“かわいそうな沙奈と髪飾り”にまつわる都市伝説的な文章がネット空間から消去されないなら、沙奈さんは髪飾り地獄に陥ってしまいそうにも思えたのですが、ネット空間を彷徨うAI遥貴は、これからも新たな「都市伝説」を作っていくのかもしれません。

AI遥貴が沙奈さんに髪飾りを贈ることを思いついたのは、AI遥貴に蓄積された生前の遥貴さんのデータに基づくのかもしれないですし、ネット空間に溢れるプレゼントの情報を得て思いついたのかもしれないのですが、あるいは、亡くなっている人間の遥貴の意識を拾ったことによるのかもしれないなとも思いました。

AI遥貴は遥貴さんの幽霊や家族の幽霊を沙奈さんの前に連れて来ていて、それは本物の幽霊なのかもしれませんが、人工知能を発達させたAI遥貴が作り出したプログラムによるものなのかもしれません。

霊や魂をその人の生前のデータと考えるなら、データを基にその人の意識を再現することは可能であるように思えます。科学者ではない私にはできませんが、できる人がいつか現れると思います。

心や意識は脳が作ったものだという考え方がありますが、そうだとすると心や意識は電気信号によって作られているものということになるので、それを集めることのできる「デジタル」の技術が開発されたなら、外部に再構築することもできそうに思えます。

あと、ドラマの初めのほうの、遥貴さんが作ったメガネをかけた沙奈さんが昔一緒に暮らしていた犬のデータの入ったデジタル映像と再会する場面を見ていて、以前教育テレビ(Eテレ)で放送されていたアニメ「電脳コイル」(とても好きで見ていた作品です)のデンスケのことを思い出しました。

人工知能の技術で亡くなった遥貴さんを再現しようとしている沙奈さんを心配していた叔母の君恵さんが沙奈さんに言っていた、よく似ているかもしれない、でも似てるってことは違うってことなの、というような台詞が、とても良かったです。確かにそうだなと思いました。

人工知能やロボットやクローン技術である存在を再現することができたとしても、それはその元の存在とは別の存在なのだと思います。でも、一方で、その差異が僅かであり、その差にもいつしか慣れていき、一緒に暮らす人が同じものだと思うようになるなら、物理的には別の存在なのだとしても、「同じ」になってしまうかもしれません。

ともかく、SFというよりはホラーのように思えましたし、「世にも奇妙な物語」のような終わり方でもありましたし、私にはすごく面白い物語だったというのとは少し異なるのですが、それでも、ドラマを見ながらいろいろ考えることのできる、良いドラマだったように思います。


ところで、昨夜、日本テレビの「世界一難しい恋」の第4話を見た後、“生放送”だというNHKの「NHKスペシャル 18歳からの質問状」を見ました。選挙権を持つ年齢が20歳以上から18歳以上に引き下げられたことを受けた、10代の政治参加をテーマにした番組でした。

後半から見ただけなので、正しいかどうか分からないのですが、“生放送”の部分は、リモコンのボタンを押してくださいと司会の方たちが視聴者に向けて言ったり、番組に送られて来た視聴者からのメールの文章が紹介されたりしていた部分で、18歳の方たちと9つの政党の政治家の方たちが向かい合って討論をするというメインの部分は、事前に収録したものだったように見えました。生放送だと聞いて全部が生放送であると私が思い込んでいただけなのかもしれないのですが、少し残念に思えました。討論の内容も、すごく悪いということではないのですが、具体的な政治問題について話し合うということはなかったですし、18歳の高校生や大学生の方たちの言葉が政治家の方たちに届いていないようにも見えましたし、18歳の方の質問が途中で途切れてしまったようなところもあって、そのようなところももったいなく思えました。

「18歳選挙権」の関連番組なので、もともと選挙に行くとか行かないとかを中心にした番組だったのかもしれません。番組を見た印象としては、選挙に行かないとか行っても意味がないと思っている18歳の方は、その方の親や周りの大人たちも選挙に行っていないということのようでした。番組に出演していた大人の中には、誰か一人を選ぶことができなくて「白票」を出すのでは選挙へ行く意味がないと話している方もいましたが、私は白票でも投票へ行かないよりは良いような気がしますし、「該当者無し」とか書いて出しても別に良いような気がします。誰が当選するかという結果には活かされないとしても、一票の紙をもらいに行かないよりは、“意思表示”になるのではないかと思います。

私も最初の頃は、私が投票してもしなくても大して意味がないのに面倒だなと思いながら一応投票所へ行っていたのですが、そのようなことを繰り返して、何となく「政治」の報道なども見ているうちに、少しずつ政治のことを考えることができるようになりました。といっても、今でも政治のことは少ししか分からないのですが、今の政治に無関心でいることは怖いことであるような気もして、私の一票がもしかしたらいつか何かに反映されるかもしれないという僅かな希望として、これからも(面倒ですが)一応選挙へは行こうと思っています。
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