「重版出来!」第5話

TBSの火曜ドラマ「重版出来!」の第5話を見ました。

漫画雑誌『バイブス』の編集者の黒沢心(黒木華さん)は先輩編集者の安井昇(安田顕さん)に漫画家を志す大学生の東江絹(高月彩良さん)を奪われて“失恋”をした傷がまだ癒えてはいなかったのですが、東江さんは、原稿のネームをチェックした安井さんとの打ち合わせが10分ほどであっけなく終わったことに戸惑っていました。

もう一人の漫画家志望の中田伯(永山絢斗さん)は、編集者の壬生平太(荒川良々さん)からは陰で「ド下手伯」と呼ばれていたのですが、担当編集者の心さんの熱心な指導に応じて、新人賞に応募する原稿の絵を少しずつ改善して進めていました。

編集者の五百旗頭敬(オダギリジョーさん)が発掘した新人漫画家の大塚シュート(中川大志さん)は、『バイブス』で連載した漫画「KICKS」の単行本の発売が決まり、表紙用の絵を3枚描きました。心さんと一緒に人気デザイナーの野呂(ヒャダインさん)の事務所を訪れた五百旗頭さんは、確実に売れるための装丁デザインを野呂さんに依頼しました。

五百旗頭さんは、最近会社の内外で誰かの視線を感じるようになっていたのですが、植え込みや看板の陰に隠れて五百旗頭さんを覗いていたのは心さんでした。心さんは、優秀な先輩の五百旗頭さんを観察する中で、五百旗頭さんが誰も見ていないところでも善い行いをする人だということに気付き、良い人過ぎると驚いていました。

その理由を五百旗頭さんに尋ねると、五百旗頭さんは、社長の真似をしているだけだと心さんに話し、文芸部にいた頃に最初に編集に携わったという机の上の『宮沢賢治詩集』を取り出して見せて、善い行いをして「運」を貯めているという興都館の社長の久慈勝(高田純次さん)の過去を話し始めました。

炭鉱の町の貧しい母子家庭で育った若き日の久慈社長(平埜生成さん)は、貧乏人には貧乏人の生き方があると高校進学に反対する母親が中学校の卒業式の日に家を出て行ったのを機に炭鉱で働き始め、将来への希望を持つことができず、非行の仲間たちと博打に興じたり傷害事件を起こしたりするようになっていたのですが、ある夜、川釣りをしていた男性(火野正平さん)を鎌で脅してお金を奪おうとした時、少しも動じないその謎の男性から、人殺しなどしてはいけない、運は貯めることができる、運を使いこなせと諭されました。

町の悪い人に目を付けられるようになった久慈青年は、上京を決め、東京の工場で働き始め、そこで同僚の岩手県出身の青年から『宮澤賢治詩集』を手渡されました。「雨ニモマケズ」の詩に感銘を受けた久慈青年は、その詩集を出版した興都館への就職を決めたようでした。就職をしても麻雀などには興じていたのですが、麻雀に勝った直後、家が隣家の火事に巻き込まれるという事件が起こりました。妻と子供は無事だったのですが、謎の男性の言葉を思い、運を使う場所を考えていた久慈青年は、仕事で成功しようと決心し、運を貯めるためにギャンブルを一切やめ、善い行いをすることを心がけるようになりました。会社内の掃除を率先して行っていた久慈さんは、ある時海外から取り寄せた本が大ヒットしたことで出世し、社長になった今も必要最低限の質素な生活を送っているということでした。

野球と競馬にはまっている部長の和田靖樹(松重豊さん)は、「運試し」を繰り返していました。三千円以上買うと宝くじが一枚プレゼントされるという書店のイベントを知った和田部長は、宝くじをもらうために三千円以上の本を買ったのですが、偶然三千円以上の本を買った久慈社長は、宝くじを断りました。しかし、レジを担当した店員の河舞子(濱田マリさん)は、栞にでもしてと宝くじを本の間に挟んで渡しました。

五百旗頭さんが心さんに教えていた社長の過去の話を聞いていた和田部長は、宝くじを丸めて壬生さんに渡し、壬生さんはそれを広げて心さんの机に貼りました。心さんは、宝くじの番号の「118125」を「いいバイブス」と読んで、縁起が良いと喜びました。

舞子さんに「KICKS」の表紙の相談をした心さんは、舞子さんから発売日の他の単行本の色が暗いことを教えてもらい、白を基調にすれば目立つと考えました。それを野呂さんに伝えに言った心さんは、デザイナーの野呂さんも師匠の教えを受け継いでいて、その教えの通りに、自分の仕事だと誇れるかということを考えながら仕事をしていることを知りました。

それから、五百旗頭さんは、在庫の整理をして「裁断」する本の数を一覧表にまとめていた営業部の小泉純(坂口健太郎さん)と心さんを、ある日の久慈社長の出掛け先に同行させることにしたのですが、久慈社長が二人と訪れたのは、古紙の回収と再生を行う工場でした。

若い頃一冊の本に救われた久慈社長は、あの本が自分を人間にしてくれたのだと感謝していました。そして、一箇所に集められてバラバラにされていくたくさんの紙の本を見ながら、本を読まなくても生きていくことはできるかもしれないけれど、一冊の本が読んだ人の人生を変えることもあるからこれからも世の中に本を出し続けたいのだということを話していました。社長は、出版した本たちが裁断されていくということを忘れないように毎年工場を訪れていたようで、心さんも、この光景を一生忘れないと誓っていました。

その頃、書店に並んだ『KICKS』の単行本を五百旗頭さんと見に来ていた大塚さんも、この光景を忘れないと感動していました。

心さんと一緒に「ビーヴ遷移」の原稿を完成させた伯さんは、新人賞の審査の結果を待っていました。社内での評価は、最高のAと最低のDに分かれていました。壬生さんと安井さんはこの下手な絵では売れないと言っていたのですが、この漫画を載せるなど前代未聞だと言う壬生さんの言葉を聞いた和田部長は、「前代未聞」はいいじゃないかと採用の決断を下し、伯さんの漫画が新人賞を受賞しました。

一方、小説の漫画化原稿を進めていた東江さんは、あと少しで原稿が完成するというところで、突然、安井さんから「ボツ」にするという連絡を受けて唖然としていました。

編集部で宝くじの当選番号を目にした和田部長は、三千万円の当選番号が壬生さんに渡した宝くじの番号だと気付いて慌てたのですが、壬生さんからその宝くじをもらった心さんは、それをリュックサックに入れて持ち歩いていて、久慈社長と工場へ行った帰りにごみを拾おうとしてリュックの中身を道にばら撒いてしまい、偶然風で飛ばされていた久慈社長の本の間の栞と間違えて拾い、部長の宝くじは小泉さんが拾って社長の本に挟んでいました。

帰宅した社長は、本の間に挟まっている栞の宝くじが三千万円に当選したことに気付いたのですが、少し迷った結果、折り紙が足りなくなって困っていた孫の折り紙にしていました。孫はすぐにもらった宝くじの紙を半分に切り、一緒に遊んでいた祖父の久慈社長は、引き取りに来なかった宝くじのお金は慈善事業に寄付されるのだと楽しそうに孫に話していました。

脚本は野木亜紀子さん、演出は土井裕泰さんです。

今回は、社長の過去が語られる回でした。誰かに言われた一言や、ふと手にとって読んだ一冊の本の言葉が心に残ってその人の人生を変えるきっかけになるということが、丁寧に描かれていたように思います。

五百旗頭さんが心さんに話し始めた久慈社長の過去の物語が、台詞の中だけで語られるのではなく、ちゃんとしたドラマ(10分ほどあったように思います)で描かれていたところも良かったです。丁寧に作られているドラマだなということを改めて思いました。

新人漫画家の大塚さんや東江さんや伯さん、それからデザイナーの野呂さんの場面も含めて、いろいろな話が詰め込まれていたように思うのですが、社長と同じように、良いものを作って世の中に送り出したいと思っているというところでつながっていたのだと思います。今回も面白かったですし、良い話でした。

興都館の文芸部の久慈青年は、運を貯めることを教えた謎の川釣りの老人のことを聞いた作家(安齋肇さん)から、「預言者」ではないかと言われていたのですが、そのような何か神様のような人に出会うことができたなら幸せなのだろうなと思いました。荒れていた久慈青年が、その謎の老人の言葉を聞いて心に留めておくことができたというところも良かったのだろうと思いますし、出会いというのは不思議なものだなということも少し思いました。荒井由実さん(松任谷由実さん)の「やさしさに包まれたなら」の歌詞のように、「全てのことはメッセージ」なのかもしれません。

予告によると、次回は“新人潰し”の編集者の安井さんのことが描かれるようでした。次回の物語も楽しみにしたいと思います。
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