「帝都大学 叡古教授の事件簿」

先週の土曜日に放送された、テレビ朝日のドラマスペシャル「帝都大学 叡古教授の事件簿」を見ました。

原作は、私は未読なのですが、門井慶喜さんの小説『東京帝大叡古教授』です。

藤木直人さんの演じる主人公の名前の宇野辺叡古(うのべえいこ)は、イタリアの哲学者で小説家の、『薔薇の名前』や『フーコーの振り子』などで有名なウンベルト・エーコさん(報道によると、今年の2月に84歳で亡くなりました)から取ったものだそうです。

ドラマの物語は、帝都大学の講堂で次期学長候補だった医学部教授の高寺保(山田明郷さん)の吊るされた刺殺体と暗号の血文字が発見され、捜査一課長の五十嵐修(武田鉄矢さん)の推薦で事件の捜査に協力をすることとなった帝都大学の法学部の宇野辺叡古教授が、一人娘で同大学の3年生のさくら子(清水富美加さん)と助手の阿蘇藤太(白洲迅さん)と、警視庁捜査一課で川添係長(宇梶剛士さん)からは役立たず扱いされている帝都大学の卒業生の刑事の南波陽人(田中直樹さん)と共に、殺人現場に残された暗号の解読をしながら真犯人を探っていき、5年前に同大学で起きた研究データ偽造事件で追放された叡古教授の友人で暗号マニア?の教授の永瀬賢吾(松田賢二さん)と、准教授の鳥坂久章(宮川一朗太さん)と、叡古教授の古書店の常連客の槙原太一(福士誠治さん)にたどり着いていく、という話でした。

脚本は和田清人さんと伊藤崇さん、監督は木下高男さんでした。

永瀬さんがエドガー・アラン・ポーの詩「夢のまた夢(夢の中の夢)」を好きな人だったということで、小説『黄金虫』の暗号は出てきませんでしたが、「上杉暗号」や「シーザー暗号」など、「暗号」の登場する物語となっていました。

でも、何というか、全体的には、普通の2時間ミステリーのドラマという印象でした。

それが悪いということではないのですが、叡古教授が「知の巨人」で「文系の天才」だとか、「変わり者」だとか、ドラマの最初のほうで言われていたそのような設定は、それほど活かされてはいなかったように思います。(物語の主人公を「知の巨人」とか「変わり者」などという設定にして実際に「知の巨人」や「変わり者」らしく見えるように描くというのは、意外と難しいことなのではないかなと思います。テレビ朝日のドラマ「相棒」の杉下右京さんにおいても、当初のような知性的な雰囲気は少し減ってきてしまっているように思えます。ドラマ「トリック」の日本科学技術大学の物理学教授の上田次郎さんはとても面白かったのですが、あえて「変わり者」だという風には特に言われていなかったように思います。)

叡古教授が(なぜか)パソコンやスマートフォンや携帯電話などのデジタル製品を使うことができないという設定も、その説明が台詞の中であっただけで、映像による描写はありませんでした。また、叡古教授はシャーロック・ホームズのようなパイプの煙草を愛用していたのですが、蝶ネクタイを着けていたので「名探偵コナン」風にも見えてしまいました。

「文系」の叡古教授が犯罪の中の「物語」を重視していたのは、良かったと思います。叡古教授の言う「物語」は、犯行の「動機」のことのようでした。(でも、そもそも、何の脈絡も無い、登場する市民の誰にも全く一つの動機も無い謎の殺人事件をミステリー作品として扱うのというのも、大変かもしれません。)

清水富美加さんの演じるさくら子さんの民俗学者で海外へ行っているという母親の昔の姿を同じく清水富美加さんが演じていたのは、何だか面白く思いました。もしもいつか続編が作られることがあるのだとしても、民俗学者の母親は話題以外には登場しないのかなと思いました。

それにしても、今回のドラマの大学も、現実世界の東京大学に当たる?架空の「帝都大学」だったので、ドラマには、「東京大学」や「京都大学」の名前がそのまま登場することもありますが、「帝都大学」が登場することも本当に多いような気がします。確かに分かりやすいとは思うのですが、少し不思議に思いました。
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