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「刑事司法改革関連法」と「ヘイトスピーチ対策法」

昨日には、衆議院の本会議で「刑事司法改革関連法案(刑事訴訟改正法案)」と「ヘイトスピーチ対策法案」が可決・成立したということでした。「G7伊勢志摩サミット」の開催日が迫っているからでしょうか。

報道によると、「刑事司法改革関連法」(改正刑事訴訟法)では、主に、「取り調べの可視化(録音と録画)」の義務付けと、「通信傍受」の対象拡大と、「司法取引制度」が認められることになったそうです。

2009年の村木厚子厚生労働事務次官の冤罪事件をきっかけに、密室での取り調べを可視化するべきだという声が高まってきたということが、今回の「刑事司法改革関連法」の成立につながったそうです。

でも、「取り調べの可視化」が義務付けられる事件は一部(裁判員制度対象事件と検察官独自捜査事件)だそうですし、警察による「通信傍受(盗聴)」は一般の人の通信にまで拡大されて、しかも警察が傍受をする際には第三者(通信会社など)の立会いが必要なくなるそうですし、「司法取引制度」では主犯格の人には適用されないのだそうですし(自分の罪に対する罰を軽くするために「司法取引」に応じるような人は、そもそも卑怯な人であるようにも思えます)、表向きには?「冤罪」を防ぐためとか「治安」を良くするための法律としながら、実際には警察や検察の権限を拡大させたり強くしたりするもので、“冤罪”は減らないどころか増えてしまうのではないか、本当に悪い犯人が逃がされてしまうのではないか、一般市民は守られないのではないか、という風にも思えて、少し怖く思いました。

以前には、この刑事訴訟法の改定案は平成の「治安維持法」かとも言われていたと思うのですが、政府を支持する内容の報道番組のことは「偏向」としないのに政府を批判する報道番組のことは「偏向」と考えるような今の政府の決めるものは、何だか不気味に思えてしまいます。それに、怖いのは、メディアがこのような「刑事訴訟法」の問題をあまり取り上げないことです。

私も法律に全く詳しくないのですが、それでも、一般市民の一人として、何もしていないのに事件に巻き込まれて勾留されてしまうことがもしかしたらあるかもしれないということが、これまで以上に身近な問題になっていくのだとしたら、やはり嫌なことだなと思うのです。

私は「裁判員裁判」もあまり賛成ではないほうなのですが(プロの法律家でもないのに死刑判決を出さなくてはいけなくなったり、裁判員たちが決めたことが裁判官によって覆されたり、嫌なものを見たり聞いたりした記憶が削除されない上に内容を秘密にしなくてはいけないという精神的負担が考慮されていなかったりするからです。新聞などには、裁判員裁判に参加したことについて「良い経験になった」などと思う方が多いという結果が出ているという記事が出ていることがあるのですが、「良い経験」のために見知らぬ被疑者を一般市民が裁くというのも、何か違うような気がしています)、「犯罪」が身近になるということは、怖いことだと思います。

「ヘイトスピーチ対策法」は、「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」というものだそうです。「本邦外出身者」というのは、「外国出身者」という意味だそうです。

「表現の自由」を守るため、ということから、「ヘイトスピーチ」の「禁止」や「規制」やそれに伴う「罰則」を盛り込んだものではないそうで、相談の窓口?は広げるらしいのですが、ヘイトスピーチをなくしていこう、というスローガンのような法律?なのかなと思いました。

「ヘイトスピーチ」とは何かということについて、報道番組の一部でしか見たことがある程度にしか知らない私には、日本の国旗(日章旗や旭日旗)を掲げた方たちが集まって日本にいる韓国の人や中国の人に「出て行け」などと叫びながらデモ行進をしているものというイメージがあるのですが、「ヘイトスピーチ法」の問題が扱われていた先日のBSフジの「プライムニュース」を見ていて、法案を作った自民党の平沢勝栄さんや民進党の逢坂誠二さんと、「人種差別」をなくしたいという気持ちが強いジャーナリストの安田浩一さんと弁護士の殷勇基さんの考え方には、何かずれがあるように思えました。

私には、自民党の議員の方は、「表現の自由を守る」ということを名目にして、「ヘイトスピーチ」という行為を何か拡大解釈(違法滞在者のことを議論できなくなるとか、中国や韓国の国内で行われている“反日”の活動はどうなのかとか、北方領土を返してとロシア側に訴えることができなくなくなるとか)しているようにも見えました。

話は“平行線”的な感じでもあったのですが、ただ、平沢勝栄さんは、「在日特権」というものは無いと言い切っていました。

私はそもそも「在日特権」なるものを知らなかったのですが、「ヘイトスピーチ」を行う方の中にはこのことを在日の方が日本人よりも優遇されているのではないかという風に考えてとても気にしている方がいるそうです。

でも、この番組で伝えられていたことによると、71年以上前の太平洋戦争(大東亜戦争)の頃に中国大陸や朝鮮半島から日本に来ていた人たちには、当時は日本国籍が与えられていて、それは終戦後、昭和27年(1952年)までは続いていたそうなのですが、サンフランシスコ講和条約締結後、日本に残った中国大陸や朝鮮半島から来た人からは日本国籍が剥奪され、国籍が無いということで社会保障の対象からも外されてしまい、その後、権利を回復しようという動きが出て、朝鮮と台湾出身者の子孫は日本に住む権利が与えられたのですが、生活に困窮する方も多かったということでした。その結果、生活保護を受給しなくてはいけなくなる方も多くなり、それは「優遇」されているとか「特権」が与えられているとかではなく、生活に困窮している日本の方が受給するのと同じく、普通のことなのだそうです。入管特例法も特別永住資格も、旧植民地出身者に対して道義的に行われている対策であり、「特権」という言葉がついているために「優越的権利」なのではないかと誤解されているということでした。

私はこのようなこともよく知らなかったので、歴史を知ることは大切なことだなと改めて思いました。

「ヘイトスピーチ対策法」は、「理念法」ということで、「禁止法」や「規制法」ではないのですが、人種差別的な言葉を大勢で叫ぶ「ヘイトスピーチ」を「合法」とするものでもないそうです。

それにしても、情報番組や報道番組などでは、「ヘイトスピーチ」のデモの映像を流す時、デモを行っている方たちの顔をぼかして隠したものを流しているように思うのですが、これはなぜなのでしょうか。「安全保障関連法」のデモの人たちの姿はそのまま放送し、「在日」の外国人に出て行けと言うデモを行う方たちの姿はぼかして放送するというのは、何だか不思議に思えます。私は「ヘイトスピーチ」を行う方たちの映像を見ていると、不快というか、怖く思えてしまうのですが、そのような「ヘイトスピーチ」が悪いものではないとするのなら(特に今の内閣と親しくしている産経新聞系列のフジテレビは)そのまま放送すればいいのではないかなと、この録画しておいた「プライムニュース」を見ていて改めて思いました。

安田さんというジャーナリストの方が、番組の最後に、「ヘイトスピーチ」は、人数や社会的な力関係を伴った人種差別なのだというようなこと言っていたのが印象的でした。

それにしても、地上波の普通のニュース番組でも、改定された「刑事訴訟法」や「ヘイトスピーチ対策法」のことがもう少し扱われるといいなと思います。それ以外にももしかしたら、私の知らない法律がいつの間にかたくさん成立しているのかもしれないのですが、世の中のことに詳しくない市民に議論のきっかけを作るようなことができるような情報の提供を、メディアにはもう少ししてほしいようにも思いました。

昨日のTBSの火曜ドラマ「重版出来!」の後の「NEWS23」では、「G7伊勢志摩サミット」に参加するために来日する、「核なき世界」を訴えているアメリカのオバマ大統領が広島の平和記念公園や原爆の資料館を訪れるという話題(長崎や沖縄へは行かないのでしょうか)に関連して、原爆を作った科学者のホーニングさんとベダソンさんのお二人が当時の原爆投下をアメリカの歴史解釈の通りに「正当化」しているということと(ホーニングさんはオバマ大統領の広島訪問を「節目」と考え、先制攻撃を仕掛けた日本が真珠湾攻撃のことを謝罪していないようにアメリカも謝罪はしなくてもいいという意見をお持ちで、それが戦争だ、だから戦争をしてはいけないのだと話していました。ベダソンさんは記者の中に広島出身者がいることを知って原爆使用を正当化することを少し苦しそうにしていました)、韓国人被爆者のことも伝えていました。当時日本にいて被爆した韓国の方は、今約2500人いるそうで、被爆2世の方は約800人いるそうです。

韓国の被爆者の方は、広島の平和記念公園を訪れるオバマ大統領には、韓国人原爆犠牲者の慰霊碑にも献花してほしいと話していました。韓国人原爆犠牲者慰霊碑は「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」と刻まれた石棺のある原爆死没者慰霊碑にも近いということですが、アメリカのオバマ大統領と日本の安倍首相の献花は実現するのでしょうか。

歴史のことも、現在のことも、私は本当に知らないことが多いです。

それでも、日本の中だけに限ったことではないかもしれないのですが、日本人も、日本人ではない方も、穏やかな気持ちで暮らしていくことができる世の中になるといいなと思います。
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