映画「里見八犬伝」(1983年)

先日のBS朝日で放送されていた、1983年の映画「里見八犬伝」を見ました。

原作は、未読なのですが、江戸時代後期の曲亭馬琴(滝沢馬琴)の『南総里見八犬伝』を基にした鎌田敏夫さんの小説『新・里見八犬伝』だそうです。脚本は鎌田敏夫さんと深作欣二さん、監督は深作欣二さんでした。

小説の『南総里見八犬伝』を読んだことはないのですが、2006年のお正月のスペシャルドラマになっていたTBSの「里見八犬伝」(主演は犬塚信乃戌孝を演じていた滝沢秀明さんでした)は見たことがありました。

そして今回、昔の「角川映画」の「里見八犬伝」が放送されると知り、何となく見てみることにしました。2時間半ほどの映画で、私は録画をしておいたものを半分ずつに分けて見たのですが、見る前に思っていたよりも、意外と(と言ってはいけないのかもしれないのですが)それなりに面白く見ることができました。

現代に作られるならきっとVFXなどが使われるのだろうと思うのですが、昔の作品なので全て人の手によって作られているという雰囲気があって、洞窟のようなお城の柱の感じや、朱色過ぎる血の色や、生首や、大蛇や、大ムカデや、雷の描写など、特撮ヒーローもの、という感じでもあったように思います。

主な登場人物は、里見家の静姫(薬師丸ひろ子さん)、「八犬士」の犬江親兵衛(仁、真田広之さん)、犬村大角(義、寺田農さん)、犬坂毛野(礼、志穂美悦子さん)、犬川荘助(智、福原拓也さん)、犬山道節(忠、千葉真一さん)、犬飼現八(信、大葉健二さん)、犬塚信乃(孝、京本政樹さん)、犬田小文吾(悌、苅谷俊介さん)、約百年前の里見家の姫で八行の玉を生んだ、八犬士たちの象徴的母親の伏姫(声は松坂慶子さん)、信乃の義妹の浜路姫(岡田奈々さん)、死ぬ間際に宿敵の里見家に呪いをかけ、息子の蟇田素藤(目黒祐樹さん)と共に蘇った妖婦・玉梓(夏木マリさん)です。

昔よく見ていた(最近にも見ることができました)1987年の「竹取物語」(主演は沢口靖子さん、監督は市川崑さんという東宝映画です)のエンディングの主題歌も私には残念に思えるのですが、この「里見八犬伝」にもロック調の英語の歌が主題歌に使われていて、当時にはそれが珍しかったのかもしれないですし、あるいはあえてその要素を面白く思えば良いのかもしれないとも思うのですが、私にはやはりどうしても、この映画のそのような「音楽」の部分が残念に思えてしまいました。

夏木マリさんの玉梓も良かったですし、志穂美悦子さんの毛野さんや京本政樹さんの信乃さん、真田広之さんの新兵衛の殺陣の場面も勢いがあってかっこよかったです。ただ、里見家の姫の静姫を演じていたのは薬師丸ひろ子さんだったのですが、私としては、浜路姫を演じていた岡田奈々さんのほうが「姫」らしく見えました。でも、静姫は、男装をしてもすぐには女性だと気付かれないような?元気な姫だったので、そのような設定の下では確かに薬師丸ひろ子さんの演じる姫でも良かったのかもしれません。

この映画「里見八犬伝」の物語は、ヒーローもの的な冒険物語でもあったのだと思うのですが、薬師丸ひろ子さん演じる静姫と真田広之さん演じる新兵衛との恋愛要素を中心とした物語だったのだろうと思います。

新兵衛が「仁」の玉の持ち主だったことが判明した後の、静姫が玉梓たちにさらわれる直前の静姫と新兵衛の場面も私には不自然に思えてしまいましたし、犬士たちのお墓の声に励まされる最後の場面も何だか謎に思えたのですが、何があっても力強く生きていく、というようなことがテーマになっていた作品なのかなとも思いました。

TBSのお正月ドラマだった「里見八犬伝」の物語を私はあまり憶えていないのですが、ファンタジー作品でありながら時代劇らしい部分も多く、この映画の「里見八犬伝」よりは、滝沢馬琴の『南総里見八犬伝』の物語(ちゃんと読んだことがないので印象が間違っているかもしれませんが)に近かったのかなと思います。この映画では伏姫は犬の八房を庇って撃ち殺されたようでしたが、ドラマでは仲間由紀恵さんの演じる伏姫は山奥の滝の前で自害をしていたような気がします。

少なくとも、この1983年の映画の「里見八犬伝」は、今の日本の映画界では作られない映画でもあるように思えましたし、何となく、いわゆる「B級映画」に思えるようなところも含めて、当時の人気俳優(人気アイドル?)を主人公に起用した「エンターテインメント」の作品なのだと思いました。そして、度々新しく映像化されている滝沢馬琴の長編小説『南総里見八犬伝』はすごい作品なのだろうなということも改めて思いました。
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