「コントレール~罪と恋~」最終回

NHKの「ドラマ10」のドラマ「コントレール~罪と恋~」の最終回(第8回)を見ました。

車に撥ねられた長部瞭司(井浦新さん)はすぐに病院へ搬送され、付き添った佐々岡文(石田ゆり子さん)は手術室の前の椅子に座って瞭司さんの無事を祈っていました。瞭司さんの近くに倒れていた篠崎圭子(桜庭ななみさん)は、吸い込まれるように車の前に出てしまい、瞭司さんに助けてもらったのだということを文さんに話していました。文さんは、瞭司さんが今度は躊躇しなかったのだということを思い、長部さんが助かるようにあなたも祈ってと圭子さんに言いました。

文さんと結婚した品川南署の刑事の佐々岡滋(原田泰造さん)は、文さんが瞭司さんが来ることも知っていて圭子さんの呼び出しに応じていたことに苛立っていました。文さんは、長部瞭司がこのまま死んでくれたらいいのにと言う夫の佐々岡さんの「本音」に驚いていました。

文さんを迎えに行くため、佐々岡さんは息子の友樹(松浦理仁さん)を文さんの義母の英恵(野際陽子さん)に託していました。帰宅した文さんは、佐々岡さんから雑誌に書かれていたことは嘘だと伝えられた英恵さんに、お義母さんを悲しませるようなことをしたつもりはありませんと頭を下げ、友樹のおばあちゃんはお義母さんしかいないと話しました。英恵さんは、文さんのことを一応許しながら、仏壇を見て亡くなった息子の敦さんのことを思っていました。

文さんが瞭司さんのことばかり考えていることを気にしている佐々岡さんは、瞭司さんが入院している病室を訪れ、ベッドの上の意識の戻らない瞭司さんを見下ろしながら、怖いな、こうして眠っていても文さんを掴んで離さない、とつぶやき、瞭司さんに顔を近づけて、でも文さんと肩を並べて年を取るのは自分だからと言いました。すると、瞭司さんの目元や指先が少し動き、はっとした佐々岡さんはナースコールを鳴らして、長部さんの意識が戻ったと看護師さんを呼びました。

意識の戻った瞭司さんは、お見舞いに来た弟の遥平(忍成修吾さん)から、ドライブインの女性がいたと教えられ、救急車で搬送される時に文さんが付き添っていたことを知り、文さんのことを思っていました。病室までは行くことができずにいた文さんは、瞭司さんの意識が戻ったことを感じ取り、その後、帰宅した佐々岡さんから、瞭司さんの意識が戻ったことを教えられました。文さんはほっとしていたのですが、関係ない、と佐々岡さんに答えると、佐々岡さんから、関係ないことないだろ!と怒鳴られました。佐々岡さんは、そう言った後すぐに文さんに謝り、自分の嫉妬心を静めるように努めていました。

「ドライブイン・コントレール」は、売れたようでした。そこで不動産会社の人と会った文さんは、長年暮らしていた「コントレール」の内装を見渡していたのですが、入り口のドアを見ても、テーブルを見ても、階段を見ても、鏡を見ても、思い出すのは瞭司さんとの思い出ばかりでした。

明るくやって来た田渕さゆみ(堀内敬子さん)は、文さんがまだ瞭司さんのことを考えていることを知って、あの人のことは諦めなと笑い、中学生の頃はたくさんの夢を持っていたけれどそれを一つずつ諦めてきた、これからも諦めていくことは増えていく、私も夫のことはとっくに諦めている、だからあの時は文にむかついたのだとさっぱりと告白していました。そして、今はお義母さんの紹介でアロエジュースを売っているのと元気に言って文さんと別れ、「コントレール」を出たさゆみさんは、海へ向かって叫んでいました。

瞭司さんの病室には圭子さんが訪れていました。看護師さんの案内で病室へ入った圭子さんは、敦さんが死んだのは自分のせいだと心のどこかでは思っていたのだと瞭司さんに謝り、私の命を二度も救ってくださってありがとうございました、さようなら、とお礼を言って病室を出ようとして、少し立ち止まり、時計を進めます、と笑顔を見せて帰っていきました。

退院した瞭司さんは、法律事務所のある「多田羅運送」に戻り、ただいま、と言いました。社長の多田羅剛志(中西良太さん)は、瞭司さんの弟から兄は戻らないと言われていたらしく、瞭司さんが戻ってきたことに驚いていたのですが、瞭司さんから弟の言うことは信じないでくださいと言われてほっとして、今まで通りの「顧問弁護士」の瞭司さんを歓迎していました。

幼稚園の友達に自分のお父さんは刑事だと言っていた友樹さんは、母親と来た公園で佐々岡さんと遊びながら、佐々岡さんのことを「お父さん」と呼びました。佐々岡さんは嬉しそうに文さんを見て、文さんも嬉しそうにしていました。

そうして文さんは新しい日常生活を始めたのですが、部屋で野菜を切りながら、掃除をしながら、洗濯をしながら、アイロン掛けをしながら、どうしても瞭司さんのことを忘れることができず、瞭司さんに電話をかけてしまいました。文さんは、電話に出た瞭司さんに、どうしても会いたい、明日「コントレール」へ来てと伝えました。

「コントレール」で文さんが待っていると、瞭司さんがドアを開けて入ってきました。瞭司さんと再会した文さんは、私が好きなのは瞭司さんだと分かったと、改めて好きだという思いを伝えていました。瞭司さんのことを死なないでと思っていたけれど、家族ではないから病状を教えてもらうこともできないし、このままいなくなってしまったほうが楽なのではないかと思ったということを文さんが伝えると、瞭司さんも、病室で意識が戻ってから文さんのことばかり考えていた、どうして生き返ったのかと思った、文さんの腕の中で死んでいたほうが良かったと思ったということを文さんに伝えていました。

しかし、ここは明日で消えるの、と「コントレール」が人手に渡ることを瞭司さんに教えた文さんは、このまま瞭司さんといることはできないことを理解していました。一生忘れないと言って、文さんは瞭司さんと別れました。

友樹さんの小学校の入学式の朝でしょうか、家族3人で歩いていた文さんは、友樹さんが指した青空のひこうき雲を見ていました。瞭司さんも、別の場所でひこうき雲を見上げていました。そのひこうき雲は少ししてすうっと消えていきました。

それから、いつのことかは分からないのですが、帽子と白いワンピースの服装の、これまでの雰囲気とは少し違う文さんが、隣の道を歩いている瞭司さんの姿を見つけていました。文さんは、瞭司さんに声をかけずに通り過ぎ、瞭司さんも、女性の後ろ姿を見て文さんだと気付いたのですが、声をかけることはせず、そのまま文さんとは別の道を歩いていきました。

作(脚本)は大石静さん、演出は柳川強さんでした。

良い最終回だったように思います。

文さんと瞭司さんの「ひこうき雲」は消えていき、文さんと瞭司さんがお互いの恋の夢を諦めるという最終回だったのですが、立ち止まっていた過去から時計を進めて新しい道を歩き出すという前向きな最終回でもありました。

佐々岡さんの「嫉妬心」が描かれていたところも良かったように思いますし(嫉妬の醜さを抑制的に出す感じが少し怖くてリアルに思えました)、このドラマの中の、何かを少しずつ諦めて前に進んでいくというのは、文さんと瞭司さんだけではなく、佐々岡さんにも、英恵さんにも、さゆみさんにも、圭子さんにもあったことなのだと、最終回の物語を見ていて思いました。

家族との現実の生活を選んだ文さんと、文さんの意思を尊重した瞭司さんの恋愛の結末は、お互いにとっても、その周囲の人たちにとっても幸せなものであったようだったので、これで良かったのかもしれないと思いました。

離れていても心が通じ合っているような文さんと瞭司さんの、過去の苦しみを乗り越えるための運命的な恋愛を描くドラマとして、完成度の高い作品になっていたように思います。

ただ、私はまだ「夢」を見たいと思ってしまうのかもしれません。昔のフジテレビのドラマ「ミセスシンデレラ」(私は夕方の再放送で見ていたのですが、とても好きでした)のように、主人公が現実の生活を選んで本当に好きな人と生きていくことができないという結末は、実社会的にはそれが無難で正しい選択なのかもしれないのだとしても、やはり何か寂しいですし、少し悔しいような気持ちにもなります。

それでも、ドラマの文さんと瞭司さんの「コントレール(ひこうき雲)」を象徴とした物語は、文さんを好きだった佐々岡さんの描写も含めて、とても良かったです。“大人の恋愛”を描くドラマとして、私には少し苦手に思えてしまうような場面もあったのですが、登場人物の感情も丁寧に描かれていて、ドラマティックな展開と構成が見事な物語でした。主題歌の鈴木雅之さんの「泣きたいよ」の流れるエンディングのひこうき雲の見える風景と道の映像もきれいでドラマに合っていたように思いますし、全8話を私も無事に最後まで見ることができて良かったです。
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