「奇跡の人」最終話

NHKのBSプレミアムの「プレミアムドラマ」の「奇跡の人」の最終話(第8話)を見ました。

亀持一択(峯田和伸さん)と鶴里花(麻生久美子さん)は、ついに結婚をすることになりました。娘の海(住田萌乃さん)と3人で婚姻届を役所に提出した一択さんは、周囲の人たちを巻き込んで喜んでいました。

アパートの大家の都倉風子(宮本信子さん)や福祉を学ぶ大学生のフクシくん(福地正、浅香航大さん)や美大生の佳代(中村ゆりかさん)や靴磨き職人の八袋(光石研さん)の顔と名前を一致させようと、手話で海ちゃんに教えていた一択さんは、海さんが自分の世界を広げようとしていることを感じて、海さんを学校へ通わせようと提案しました。花さんは、海さんが友達に怪我をさせてしまった過去のことを考えて少し迷っていたのですが、一択さんを信頼して、海さんを学校へ入学させることにしました。

その夜、花さんと海ちゃんを海へ連れて行った一択さんは、暗い海に向かって、いつか3人で最高の笑顔を見せに来ると約束していました。

それから2年が経ち、フクシくんは2年連続で国家試験に不合格し、佳代さんも2年連続で絵が落選していたということだったのですが、八袋さんも相変わらずで、一択さんも花さんも海ちゃんも、特に変わることなく穏やかに過ごしていました。結婚したばかりの頃、山形から東京の都倉アパートを訪ねて来た一択のばあちゃん(白石加代子さん)が花さんと海ちゃんに孫の一択のことでお礼を言いに来ていたのですが、一択さんのおばあちゃんは岩さんという名前で、それを聞いた一択さんたちは、ばあちゃんもロックだったのかと面白がっていました。

海ちゃんの通う学校の周辺では40代のロック風の服装をした不審者の目撃情報が流れていて、ある日、海ちゃんのお迎えに行った一択さんは、学校を見ていた怪しい人物を見つけて追いかけたのですが、それは正志(山内圭哉さん)でした。正志さんも見た目には2年前とほとんど変わっていませんでした。一択さんが問い詰めたところ、正志さんは、不審者情報を聞いて海ちゃんを心配して来たのだと話していたのですが、その時、海ちゃんの悲鳴が聞こえ、走り出した正志さんと一択さんは、校庭にいた海ちゃんを車で連れ去ろうとしていた怪しい男を追いかけました。正志さんは、男が落とした海ちゃんを介抱し、一択さんは、弱い者ばかり傷付くのはおかしい、海ちゃんに謝れ、と逃げる男の運転する車の前に飛び出して止めようとしたのですが、そのまま車に撥ねられてしまいました。

一択さんの眠っているベッドの隣で海ちゃんと一緒に待っていた正志さんは、駆けつけた花さんに海ちゃんを返して、自分のことを「貧乏なあしながおじさん」と言って帰っていきました。花さんは、病室を出て行く正志さんに、生きてね、と声をかけていました。

一択さんの入院中、アパートで待っていた海ちゃんは、一択さんを探してずっと「1」を手話で示していたようでした。花さんからそのことを聞いて退院した一択さんは、海ちゃんの「1」を見て感動し、俺がボコボコになると海は覚醒するのかと言って笑っていたのですが、風子さんのそばにいた海ちゃんは、その時風を感じてはっとすると、風子さんの「風」を手話で表し、それから順にみんなの顔と名前を一致させていました。椅子のことも、テーブルのことも、スプーンのことも、海ちゃんは理解していきました。急に物には名前があるということが分かったようでした。一択さんは、海は扉を開いたと感激していました。

変化を予感していた風子さんが密かにしていた準備は、旅に出る準備でした。風子さんは、アパートの管理を花さんに任せて鍵を託し、風子さんに会えて良かったと泣く花さんを抱きしめて、少ない荷物を持ってどこかへ出かけていきました。ガード下で靴磨き中の八袋さんにも通りすがりのようにさらりと挨拶をして、風子さんは風のように旅立っていきました。

それから、海ちゃんは、好奇心で様々なものの名前を憶えていったようでした。一択さんは、海ちゃんと同じくらいの年の太(上野蒼真さん)のことも改めて海ちゃんに教えていました。海ちゃんは、花さんの名前と手話の「花」を一致させてはいたのですが、植物の花も「花」だと教えられた時には少し困惑していて、飛んできた一択さんの鼻毛の「ハナ」のことは拒絶していました。

一択さんは、花さんと海ちゃんと3人で海へ行き、海ちゃんに改めて「海」を教えました。海の水と自分の名前を「海」と理解した海ちゃんは、手話で「楽しい」と伝えていて、花、一択、海、楽しい、と連続で表した海ちゃんが声を出して笑うのを見た花さんと一択さんは喜び、一択さんは「ラブ&ピース&ロック&スマイル」だと、海ちゃんを抱えて花さんと3人でロックを叫んでいました。

脚本は岡田惠和さん、演出は狩山俊輔さんでした。

このような最終回だったように思うのですが、最終回もとても良かったです。

風子さんが、アルバイト先で店長にならないかと誘われたけれど店長になるのはロックじゃないような気がすると悩んでいた自称詩人の馬場三太(勝地涼さん)に、店長になったら店長の詩を書けばいい、出世したら出世の詩を書けばいいと話して、馬場さんの世界を広げていた場面も良かったです。

ドラマのタイトルの「奇跡の人」は、目の見えない耳の聞こえない話すことのできない海ちゃんのことでもあり、海ちゃんに世界を教えたいと決意した一択さんのことでもあると思うのですが、とにかく生きてさえいれば奇跡が起こることもあるかもしれないというような意味では、今生きている人全員に当てはまる言葉でもあるのかもしれないなと思いました。

登場人物の個性が丁寧に大切に描かれていて、日本テレビの土曜ドラマだった「泣くな、はらちゃん」や「ど根性ガエル」もとても良いドラマでしたが、この「奇跡の人」も、優しくて、とても良いドラマでした。

それに、やはり峯田和伸さんの演じる一択さんがとても良かったのだと思います。私は「銀杏BOYS」というロックバンドのこともそのボーカルの峯田和伸さんのことも知らなかったのですが(今でもよく知らないのですが)、峯田和伸さんでなければこのドラマの亀持一択さんにはならなかったのだろうと思います。

最終回では、海ちゃんの世界が、一択さんや周囲の人たちの働きかけと海ちゃん自身とによって少しずつ開かれている様子が描かれていて、海ちゃんが急に人や物の名前を理解をしていく場面を見ていて、私も単純に嬉しい気持ちになりました。

一択さんはロックのことを弱い者たちの叫びでもあると風子さんたちに話していて、私は「ロック」のことを知らないのですが、「空気」を読まずに切り裂いたり、弱い者たちを守ったりしながら強く生きることが「ロック」なのだとするのなら、「ロック」とは、例えば新渡戸稲造が外国に紹介した武士道精神やダンディズムの精神にも通じるような、かっこいいものなのだと思いました。そのような意味でも、この「奇跡の人」は、「ロック」の精神に貫かれていたドラマだったように思います。良いドラマでした。BSプレミアムのドラマですが、時々あるように、このドラマもいつか総合テレビで再放送されることがあるのかもしれません。私も最後まで見ることができて良かったです。


ところで、このドラマの放送が始まった夜の10時10分頃に地震速報があり、10時8分頃に熊本県の八代市で震度5弱の地震があったということを知りました。また中央構造線の活断層上の揺れのようなので、余震なのかもしれないと思うのですが、久しぶりの震度5以上に思えて、驚きました。特に被害の報告はないと報道されてはいたのですが、「熊本地震」の震度7の被害からまだ2か月なのだということを改めて思いました。早く収まるといいなと思います。
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