「重版出来!」最終回

TBSの火曜ドラマ「重版出来!」の最終話(第10話)を見ました。

興都館の「週刊バイブス」の編集部は、近代芸術文化賞の漫画部門大賞が「ツノひめさま」になるか、ライバルの「エンペラー」で連載中の「ヒッチポッチ」になるかでそわそわとしていました。一方、半年前に「バイブス」で連載の始まった中田伯(永山絢斗さん)の「ピーヴ遷移」は、最初の頃はよく分からない漫画と思われていたようなのですが、「ピーヴ」の正体が明らかになる最新の第10話が掲載された途端に大きな話題となり、高畑一寸(滝藤賢一さん)たち人気の漫画家たちも新人の中田伯の存在を気にし始めていました。編集部や営業部では「ピーブ遷移」の単行本の発売に向けて計画を立て始め、編集長の和田靖樹(松重豊さん)は、営業部の岡英二(生瀬勝久さん)が初版5万部を見込んだことに驚いていました。

伯さんのアシスタントが見つからない(見つかっても続かない)ことに悩んでいた黒沢心(黒木華さん)は、営業部の小泉純(坂口健太郎さん)が三蔵山龍(小日向文世さん)に頼むことにした第1巻の帯の推薦文のことや表紙の絵のことで伯さんに話をしに行ったのですが、締切りに間に合えばいいのだろうと食事も睡眠もとらずに一人で没頭して漫画を描いている伯さんを心配して母親のように口うるさく注意してしまい、支配されることを嫌う伯さんを怒らせてしまいました。先輩編集者の五百旗頭敬(オダギリジョーさん)は、新人編集者の心さんと新人漫画家の伯さんの喧嘩を「独り立ち」に向けたものと考えていて、二人を見守ることにしていました。

あえて心さんのいない時に最新の原稿を持って編集部を訪れた伯さんは、壬生平太(荒川良々さん)が肉まんを買いに行っている間、打ち合わせに来ていた大塚シュート(中川大志さん)に声をかけられ、心さんの机に貼られている「重版出来」のメモについて、それが編集部の願いなのだと教えられました。

三蔵山先生に呼ばれた伯さんは、三蔵山先生の妻の時枝(千葉雅子さん)が用意したおにぎりに手を付けることができずにいました。三蔵山先生は、おにぎりが作られるまでにどのくらいの水が使われているかというバーチャルウォーターの話をして、君が思っているよりも世界は広いと伝えていました。

伯さんは、時枝さんの作ったおにぎりを部屋に持って帰り、一人で食べていました。その後、部屋を訪ねて来た、伯さんに謝る心さんに伯さん自身も謝ると、「重版出来」が黒沢さんの夢なら叶えたいと、ベテラン漫画家の三蔵山先生に推薦文を書いてもらうことや、第1巻発売時の書店でのサイン会を受け入れていました。心さんのアイデアで作られた「ピーヴ」を前面に出した表紙のデザインを見た伯さんは、かっこいいと言って、紙のインクの匂いを嗅いでいました。

その頃、選考が続いていた近代芸術文化賞の漫画部門大賞が決まり、和田編集長の元に電話がかかってきたのですが、大賞に選ばれたのは、『ツノひめさま』でもライバルの『ヒッチポッチ』でもなく、三蔵山先生の『ドラゴン急流』でした。連載40年の漫画が選ばれるのは初めてで、三蔵山先生の受賞は史上最高齢での受賞だということでした。

心さんは、編集部に届いた完成した『ピーヴ遷移』第1巻の表紙の匂いを嗅いで感激していました。新人漫画家の中田伯さんのサイン会当日、心さんや小泉さんと一緒に書店を訪れた伯さんは、書店員の河舞子(濱田マリさん)たちが作ったブースを見て、下手でも絵を描くと決めて、裏でサインの際に描くピーヴの絵の練習を始めました。サイン会の時間になると、たくさんのファンの人たちが『ピーヴ遷移』の第1巻を持って店内に行列を作っていました。ファンの人たちの前に出た伯さんは、一人ずつに丁寧に応対していたのですが、その中には後田アユ(蒔田彩珠さん)もいました。登場人物のアスミさんのモデルにした人だと伯さんは気付いたのですが、頑張ってくださいと言ってさっと帰っていたアユさんに、隣で忙しくしていた心さんは気付いていませんでした。

その日は三蔵山先生の授賞式の日でもありました。会場には出版関係者や漫画家がたくさん集まっていて、イケメンギャグ漫画家?の成田メロンヌ(要潤さん)は女性たちに囲まれていたのですが、会場には実家の酒店を継いだ元チーフアシスタントの沼田渡(ムロツヨシさん)や、派遣の仕事をしながら漫画を描いているという東江絹(高月彩良さん)も来ていました。東江さんは、かつての担当編集者の安井昇(安田顕さん)と遭遇すると軽く頭を下げて挨拶をしていて、東江さんに気付いた安井さんも、東江さんに軽く手を挙げて挨拶をしていました。

三蔵山先生は、伯さんや心さんが来るのを待っていたのですが、時間が来たので受賞の挨拶の舞台に立ちました。サイン会を終えた伯さんと心さんと小泉さんは急いで会場に向かい、三蔵山先生の受賞の挨拶に間に合いました。この賞をもらうことができたのは共に走ってくれた人たちのおかげです、みなさんと共に手にした賞ですと挨拶をした三蔵山先生は、もう少しで「ドラゴン」シリーズの連載を終えると話し始めたのですが、終止符を打つ、と言ったのは、それはみんなが心配をしていたような引退宣言ではありませんでした。最年長で受賞をした三蔵山先生は、連載中の「ドラゴン急流」が終わったら全く新しい作品に挑戦する、私は私を諦めないと元気に高らかに宣言して、若い漫画家たちには絶対に負けないという気概を示し、担当編集者の五百旗頭さんに、新しい冒険に付き合ってくれるか、これからもよろしくと伝えていました。

三蔵山先生の漫画家人生を目の当たりにした伯さんは、これからは二食食べて寝ますと、心さんの忠告を受け入れて、健康にも気を遣いながら漫画を描いて生きていくことの決意をしていました。そして伯さんは担当編集者の心さんに手を伸ばし、心さんもその手を取って握手をしていました。

居酒屋「重版」では、興都館の漫画編集部の人たちが集まっていました。安井さんがボーダーのシャツばかり着ているとか、菊地文則(永岡佑さん)が巨人ファンだったとがで阪神ファンの和田編集長ともめたりしていると、小泉さんが駆け込んできて、『ピーヴ遷移』が二日で50%消化したというようなことを心さんに言いました。心さんは、重版決まりました!とみんなに伝え、みんなで一本締めをすると、小泉さんと二人で「重版出来!」の踊りを披露したりして、『ピーヴ遷移』の重版のお祝いをしていました。

脚本は野木亜紀子さん、演出は土井裕泰さんでした。

最後、新しい『バイブス』の表紙の匂いを嗅いでいた心さんは、和田編集長に呼ばれて連載決定会議に向かう時、机にメモを貼っていたのですが、そこに書かれていた「おわり!!」のメモから出てきた小さな絵の心さんでドラマが終わっていたのも、かわいらしく思えました。とても良い最終回でした。

いつか挫けそうになった時、思い出そう、たくさんの心が震える瞬間を、誰かのために働く、自分のために働く、何のためでも構わない、誰かが動けば世界は変わる、その一歩が世界を変える、今日もまた生きていく、というような、最後の心さんのナレーションの言葉も良かったです。

新人編集者と先輩編集者、編集部と営業部、新人漫画家とベテラン漫画家、アシスタント、漫画家の家族、漫画の読者やファンの人々、書店員、漫画家を志す人など、漫画に関わるたくさんの人のことが誠実に描かれていたように思います。一話完結的な連続ドラマで、毎回そうだったのかもしれないのですが、この漫画の編集部を舞台にしたドラマは、編集者の仕事や漫画家の仕事を描きながら、世の中のあらゆる仕事や、その仕事をしている人たち、そうして日々を生きている人たちを優しく明るく激励するドラマになっていたのだと思います。

編集者が「重版出来」を目指すドラマとしては、「日曜劇場」のドラマだった「下町ロケット」のような、みんなが同じ方向を向いて努力することで達成されていく成功物語の側面があったと思うのですが、ドラマの中の登場人物たちの群像劇としても、良くできていたように思います。

黒木華さんの演じる主人公の新人編集者の、柔軟で真っ直ぐな性格の黒沢心さんも良かったですし、そのような心さんの明るいポップな色合いの服装も楽しい印象でした。ゆうきまさみさんや藤子不二雄Aさんなどの実在の漫画家さんたちが参加していたというところも豪華に思えましたし、細かいところまで丁寧に大切に作られた良いドラマだったように思いました。面白かったです。私も最後まで見ることができて良かったです。
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