民主主義と大衆心理、党首討論や沖縄のこと

昨夜、BSフジの「プライムニュース」を見ることにしました。「民主主義と選挙の意味 舛添氏辞職と大衆心理 思想史界の論客に問う」というテーマを面白そうに思えたからです。

スタジオのゲストの慶応義塾大学法学部教授の片山杜秀さんと日本大学危機管理学部教授の先﨑彰容さんが、昨年の「安全保障関連法」関連の国会周辺のデモや、舛添元東京都知事の辞職騒動などを例に、大衆心理とその「受け皿」のマスメディアの問題を指摘しながら「民主主義」について話していたのですが、約2時間の番組が長く思えないほど、とても面白かったです。

「グローバル社会」となった今の世の中は簡単にはその背景が分からないほどとても複雑化していて、そのことが人々の中に不安の感情を引き起こし、そのフラストレーションが、舛添元都知事の政治資金の使い道の「公私混同」のような具体的に分かりやすい事象に向かっていくのだというようなことが言われていました。一見すると国民は例えば安倍首相を支持する人と批判する人の二つに分かれているように見えるかもしれないけれど、実際には安全保障関連法にも都知事問題にも選挙にも関心のない人たちがたくさんいて、その人たちの気持ちを掬い取るようなことをテレビがしていないのではないかというような指摘も、確かにそうだなと思えました。

片山さんや矢崎さんの解説によると、分かりやすい大きな言葉に人々が飛びつくというのも、複雑化した不安定な社会を生きる中でのフラストレーションが原因のようでした。第2次安倍内閣になってから「アベノミクス」という言葉がメディアで多く使われ始めたように思うのですが(その「三本の矢」は、毛利元就の「三本の矢」のアレンジでしょうか)、「アベノミクス」という造語も、最近の自民党や公明党が使う「アベノミクスの果実」という言い方も、分かりやすいような気がするけれどよく分からない言葉であるように思います。「アベノミクスの是非を問う」などの言葉をよく聞くと思うのですが、自民党や公明党が使うのはいいとしても、他の党の方や報道番組などでは、普通に「安倍内閣の経済政策」というほうが良いような気がします。

昨夜の「プライムニュース」で話し合われていたのは、「不安社会の民主主義」というような印象でした。「民主主義」と言っても、多様なのかもしれないと思ったのですが、民主主義的に話し合いをするためにも大切なことは、メモを取ることなのだそうです。相手の話をよく聞いてちゃんとメモを取り、租借した考えを自分の中に蓄積して、自分の意見を正しく相手に伝えるということを、たくさんの人たちができたなら、それは確かに民主主義的な話し合いになるだろうなと思いました。

ドイツのヒトラーの話題も出ていて、今の日本でもある種のファシズムが生まれる可能性はあるということが言われていました。片山さんは、昨年の国会前の安全保障関連法の成立や安倍政治に反対する若者たちのデモに否定的ではなかったのですが、矢崎さんは、デモの人たちが訴えていた「民主主義」や「平和主義」は本来の意味とは異なるのではないかと話していました。

番組の最後、片山さんは、「正しい言葉」を使いましょうと、大きなことを言う人を信じてはいけないということを話していて、矢崎さんは、文学評論家の江藤淳さんが勝海舟を表すのに使った「政治的人間」という言葉を出して、黙々と秩序を作っていく人の重要さを話していたように思います。

視聴者の方からの、マスコミが安倍政権の批判をし過ぎていることについてどう思うかというような質問に対し、片山さんが、マスコミは権力をチェックするのも仕事だし、安倍政権を応援しているメディアもあると答えていたのも良かったです。私は番組のゲストの、政治思想史家で音楽評論家の片山守秀さんのことを知らなかったのですが、バランスの良い方なのかな思いました。表情が豊かで話し方も面白いのですが、落ち着いていて、他人の話をよく聞いていて、意外とはっきりと正しいことを言う方のように思えました。


昨日の夕方には、与野党の9党による「党首討論会」がNHKで放送されていて(日曜日の朝にもフジテレビやNHKで放送されていました)、私は何となく録画をしておいたものを後でざっくりと見ました。

「日本記者クラブ」で開かれた党首討論会ということだったのですが、横一列の席に並んでいた党首たちの左端にいた司会?の方は日本テレビの小栗泉アナウンサーで、代表質問者は日本経済新聞の実哲也さん、毎日新聞の倉重篤郎さん、読売新聞の橋本五郎さん、朝日新聞の恵村順一郎さんでした。安倍首相に近しい読売新聞の橋本五郎さんが自民党の安倍首相に「正直な気持ちを吐露していただきたい」と言うと、安倍首相は「私はよく母親から正直過ぎると言われております」と母親の話題を持ち出していました。後半は、橋本さんによると、安倍内閣が何をしてきたかを問い質すという場だったらしく、最初のほうはほとんど橋本さんが司会なのかと思うくらい、橋本さんが安倍さんに話しかけていたのですが、その後は、毎日新聞の倉重さんが安倍さんに質問をしていました。安倍さんは長い時間「反論」をしていて、安倍首相が長く話す場合には誰も止めないことについて、民進党(旧民主党)の岡田さんが橋本さんにおかしいと指摘していました。

「記者クラブ」の記者の、しかも大手新聞社の4人の「代表」しか党首に質問することができないという党首討論会は、「記者クラブ」をよく知らない私には奇妙に思えました。舛添元東京都知事の会見の時のように、いろいろな人たちが比較的自由に質問をすることができるような党首討論会は開かれないというか、テレビ番組としては放送されないのでしょうか。

参議院議員選挙の公示は今日の22日ということで、「党首討論」は、昨日のものが最後だということでした。NHKで放送された日本記者クラブの党首討論会の後、9党首は日本テレビの「news every.」に出演し、昨夜のテレビ朝日の「報道ステーション」での党首討論の録画映像は、日本テレビのニュース番組の後に収録したものだったようでした。報道ステーションのものは、各党首の顔が常に映されているという画面の構成が意外と良かったです。

党首の方たちが主張していることは大体同じなのですが、報道ステーションでは、「党首討論」が自民党の総裁の安倍さんの都合で1週間で終わることになったということが言われていて、日本記者クラブでの党首討論会の時に「メディアは自粛している」と岡田さんが橋本五郎さんに言っていた中の一つはこのことだったのかと分かりました。安倍首相はそれまでは長々と「反論」をしていたのに、今度は時間がないと言って苛立って、他の党首たちが席に座って挨拶をする中、一人で席を立っていました。記者クラブの党首討論会の時、自分たちの政治の「成果」ばかりをデータの数字を出して主張する安倍さんに、「過大広告」だと言っていた倉重さんが、安倍さんのことを「大人気ない」とも言っていたのですが、菅直人元首相のことを持ち出しながら苛立った様子で席を立つ姿を見てそのことを思い出し、本当にそうだなと思いました。

それにしても、「日本のこころを大切にする党(旧次世代の党)」の党首の方の言う“伝統的な日本の心”とは一体何なのでしょうか。何を以てある事柄を“日本の心”とすることができるのでしょうか。党首討論会の中では誰もそのような質問をしなかったのですが、いつ聞いてもよく分からないので、少し気になりました。


先日の6月19日には沖縄県でアメリカ軍属の人による女性殺害事件に抗議する大規模な県民大会(約6万5千人の方が集まったそうです)が開かれたことが報道されていて、そのことを踏まえて特集されていた、BS日テレの「深層NEWS」の「沖縄怒りの県民大集会 地位協定と辺野古移設 繰り返される悲劇ナゼ」も見たのですが、アメリカ軍の基地がある限りアメリカ軍による犯罪が繰り返されると訴える沖縄の県民大会(自民党と公明党とおおさか維新の会は参加しなかったそうです)について、司会?の読売新聞の吉田清久さんとキヤノングローバル戦略研究所の宮家邦彦さんは、軍属による殺人事件を「政治利用」するは反対だ、という態度でした。でも、事件にアメリカ軍の基地が関わっている以上、訴えが政治的になるのは普通のことのように思います。

宮家さんは、自民党の安倍首相の仲間の方だと思うのですが(まるでロボットのように?)安倍首相たちと同じことを主張していました。「辺野古移設が唯一の選択肢」というコピーを繰り返し、新外交イニシアティブ事務局長で弁護士の猿田佐世さんに反論されて追いつめられると、「対案を出せ」と威張るような口調で言っていました。でも猿田さんが対案を出すと、それを無視していました。

私は、沖縄の基地の話を聞きたくてこの番組を見ていたのですが、この日が少し蒸し暑かったこともあるかもしれないのですが、宮家さんの話す内容やその話し方を聞いていて、不快な気持ちになってしまいました。勝手なことなのですが、テレビの画面の中のことだとしても、苛々した言動をする人を見ると、その人を見ているだけの私も少し苛々してしまうのだと思います。

「日米地位協定」の下での日本とアメリカの関係を「対等」だと宮家さんは主張していたのですが、向かい合った席の猿田さんとの会話の中で、宮家さんは、「我々」と言ったのを何度か「政府」と言い直していました。政府のことを言う時に「我々」と言っていたのですが、猿田さんが最後に政府の意見を宮家さんに訊くと、「知りませんよ。私は政府じゃないんだから」と言って逃げていました。意見が対立するから議論にならないというどころか、会話になるのさえ難しいという感じにも思えました。

宮家さんは、沖縄県外への米軍基地移設のことを言い出した鳩山由紀夫元首相のことを悪く言い、そこから日本政府(自民党政府?)と沖縄の関係は悪くなったというようなことを話してもいたのですが、「沖縄県民の信頼を取り戻す」と言いながら、与党が具体的に沖縄の人たちと話し合わないことについて日本テレビ報道局の小西美穂さんに訊かれると、沖縄の人が海兵隊の撤退まで言い出したら話し合いにならないなどと答えていました。読売新聞の吉田さんもその意見に同調していました。

与党の方が本当に沖縄の人たちからの信頼を取り戻すために話し合いたいと思っているのなら、県民大会(報道によると、決して“反米”の大会ではありませんでした)に行って話し合えば良かったので、そこに参加しなかったというだけでも、与党のほうが話し合いを避けているということがよく分かるような気がしました。

私はこの「深層NEWS」という報道番組をよく知らないですし、BSフジの「プライムニュース」と同じくらい、時々テーマによって見るくらいなのですが、司会の小西さんはたくさん質問をしていて、ゲストのお二人にバランス良く話を聞いていて良かったように思うのですが、小西さんの隣に座っていた吉田さんは、空中?を見ながらほとんど黙っていたので、読売新聞の方であるということ以外には、どうして出演しているのか、いまいちよく分からないようにも思えてしまいました。

沖縄には、日本にあるアメリカ軍の基地の約74%が集められているということなのですが、そうなったのは、昭和30年代に基地の反対運動が本土で起こり、本土から沖縄へ移設されたからなのだそうです。また、その軍の大半は海兵隊で、海兵隊は今は主に救助活動や人道支援活動の訓練をしていて、アジア各国の基地を巡回しているので、いつも沖縄にいるというわけではないのだそうです。BS日テレの「深層NEWS」の中で猿田さんが話していたのですが、NHKの「持論公論」でも解説されていました。

沖縄県内のアメリカ軍の基地の多くは軍事的な判断ではなく政治的な判断で置かれているものだそうです。軍事的に必要だから、という「深層NEWS」の時の宮家さん(あるいは自民党)の意見とは反対に、猿田さんは、日本政府の政治的な判断でいつでも沖縄県外に移設できるはずだと話していました。森本元防衛大臣が(BS日テレの番組では森本元大臣とは言っていませんでしたが)、軍事的には沖縄でなくてもいいが政治的には最適な場所だと言っていたことについて猿田さんが言うと、宮家さんは、辞めた人が言ったことなど関係ないと怒っていました。

以前の自民党は、元総理大臣や元大臣の発言も尊重していたように思います。宮家さんの考えが仲間の安倍首相やその周辺の自民党の議員さんたちと同じなのだとするのなら、やはり酷いというか、残念なことのように思いました。


原子力規制員会が40年を超えて老朽化した高浜原子力発電所の1号機と2号機の運転を最長で20年延長するということを認めたという報道もありましたが、党首討論の中でも、原発のことや、被災地の放射性物質汚染のことは、ほとんど訊かれていませんでした。関西電力は原発の設備を揺らすという試験を行わず、高浜原発に似ているという別の原子力施設を揺らした試験データを原子力規制員会に提出したそうで、補強工事が終わってから試験を行うということを原子力規制委員会が認めたのだそうです。ある原発施設の安全性を考える際に別の原発施設のデータを使うというのは、何か偽装にも近いような気もするのですが、どうなのでしょうか。福島第一原子力発電所の爆発事故の問題も終わっていないのに、怖いなと思います。

16日には北海道の函館で震度6弱の地震があったそうですし(震源が浅かったそうで、青森でも震度4ということでした)、昨日には、九州に大雨が降った影響で、熊本地震の震度7のあった益城町の家や田んぼが水に沈んでいるのをニュースで見て驚きました。

そして、元総務大臣、元法務大臣の鳩山邦夫さんが亡くなったという報道にも驚きました。67歳だったそうで、私から見ると当然年上ではあるのですが、まだ若いように思いました。人は突然亡くなるのだとも思うのですが、何となく、どうして今なのだろうと思いました。

北朝鮮がミサイルを発射した、ということが最近も報道されていますが、日本政府はいつも韓国政府やアメリカ政府から情報を得ているのでしょうか。日本が独自に情報を得ることはできない状況なのでしょうか。ミサイルが発射された、ということとその成功か失敗かが伝えられるだけで、ミサイル発射時の映像が流れないのも、いつも何となく不思議に思います。

明日の23日は、沖縄の慰霊の日です。第二次世界大戦(太平洋戦争)時代の、沖縄での組織的な戦闘が終わった日だそうです。沖縄へ行くことはできないけれど、慰霊の日の沖縄全戦没者追悼式の報道などを、私も見ようと思います。

いろいろ書いて、また長くなってしまいました。読みやすさ(画面の見やすさ)のためには、本当はいくつかの記事に分けるといいのかもしれないのですが、私の中では全くの別の話題というわけでもないので、一つの記事にしました。何かの検索の中で辿り着き、稚拙で散漫な文章をここまで読んでくださった方(いらっしゃるでしょうか?)、ありがとうございます。
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