2016年の夏の参議院議員選挙のこと

昨日は、第24回の参議院議員選挙の投票日でした。

私は期日前投票をしなかったので、普通に指定の投票所へ投票をしに行きました。投票所へ入った時、いつもよりも私と同じくらいの年の人が多いという印象があったのですが、報道によると、投票率は54.7%で、3年前の夏の参議院議員選挙の投票率よりは2.9%ほど上がったそうです。

そうして開票の結果、与党の自民党と公明党や野党のおおさか維新の会などの「日本国憲法」を改憲、加憲しようと考えている政党の議席が、合計して改憲の発議に必要な3分の2議席を超えたということでした。衆議院と参議院が「ねじれ」となることはなく、自民党の「一強」の状態は続くことになりました。

私は、第一次安倍内閣の時からそうなのですが、さらに「日本国憲法」の自民党の改憲草案を読んでぞっとしてから、ますます今の自民党というものを単純に何か気持ち悪く思えてしまっているので、「改憲派が3分の2を越した」(国会で憲法改正の発議をすることができるようになる)という報道の結果を聞いて、数年の内には例えば「緊急事態条項」の条文が憲法に加わることになるのだろうかと、少し不安な気持ちになりました。

安倍首相は、憲法改正は自民党結党以来の悲願だというようなことをよく言っていますが、自民党のホームページの「綱領」を読むと、昔の自民党の昭和30年(1955年)などではそのようなことは言われていなくて、立党50年だという平成17年(2005年)の「新綱領」から言われているもののようでした。2001年に「9.11」のアメリカ同時多発テロ事件があって日本政府はアメリカ政府の「イラク戦争」に賛同して一部協力していましたが、その頃の総理大臣(自民党の総裁)は小泉純一郎さんでした(当時私は小泉内閣の政治を全体的にはそれほど悪いものとは思っていなかったのですが、この戦争協力の決定は一市民として本当に嫌した。今でも嫌です。その戦争は、当時のローマ教皇のヨハネ・パウロ2世も反対していたのに、キリスト教徒であるはずの当時のブッシュ大統領が教皇の言葉を無視して攻撃を強行したものでした)。小泉さんが首相を辞める年の前年が、2005年です。その小泉内閣の次の内閣が、第一次安倍内閣です。

でも、「日本国憲法」のことをみんなで考えるということ自体はとても良いことなのだと思います。「安倍政権」が発足しなければ、法律家ではない私は、もしかしたら小学校の時に読んだ『日本国憲法』の本を本棚から出して前文から読み直してみるというようなことはなかったかもしれません。

与党、あるいは「改憲勢力」と呼ばれる「憲法改正」に積極的な政党を支持した方は、自民党の憲法草案を読んでも嫌だなと思わなかった方なのでしょうか。それとも、自民党の憲法草案を読んだことはないまま、与党が言う通りに選挙の「争点」を「アベノミクス」と呼ばれる安倍内閣の経済政策と考えて、その政策を支持した方なのでしょうか。単純に野党に投票をしたくないために与党に投票をしたとか、所属団体から命じられた通りの政党や候補者に投票をしただけとか、そのような方もいらっしゃるのかもしれません。理由は様々だろうとも思いますし、どこに投票してもそれは自由なので良いのですが、テレビ番組の選挙速報を見ながら、どうしてなのだろうと少し気になりました。

参議院議員選挙特番は、NHKでも民放の各テレビ局でも同じ時間に放送されていましたが、NHKの大河ドラマ「真田丸」を見た私は、前回見て面白く思えたテレビ東京の池上彰さんの選挙特番を主に見ることにしました。(東京MXテレビの堀潤さんの「選挙CROSS」や、NHKのBSプレミアムの小泉孝太郎さん主演の新ドラマ「受験のシンデレラ」は一応録画をしておくことにしました。)

いつものように自民党の小泉進次郎さんにも密着取材をして、進次郎さんの各地での選挙演説の上手さを伝えていたのですが、CMの間に他のテレビ局の特番を見てみると、日本テレビの村尾キャスターと嵐の櫻井翔さんの「ZERO×選挙2016」でも小泉進次郎さんに取材をしていました。他の局でもほとんど同じ時間に進次郎さんの特集を放送していました。進次郎さんに人気があるということはよく分かるのですが、偶然なのか、同じ時間に放送されていたことに少し驚きました。

池上さんの番組では、以前のように公明党の支持母体の創価学会の本部へ行って信者の方に政教分離のことや池田大作さんについて話を聞いていたのですが、今回は、共産党や民進党(旧民主党)の支持団体の他、自民党の支持母体として最近名前が出てくるようになった「日本会議」という団体についても取材していました。でも、その本部へ行ったのではなく、どこかの熊野神社へ行き、その団体のチラシや「日本国憲法」の改憲を支持する署名の紙が置かれているのをアナウンサーの方たちと見たり、その神社の宮司の方から今の日本国憲法はGHQに押し付けられたものだから日本国憲法だとは思っていないとか、前文を削除したいと思っているというような話を聞いたりしていました。

私もお正月の初詣に行きますし、神社やお寺へ行くのは好きなほうなのですが(皇居のお庭にも何度か行ったことがあります)、今の与党の自民党は“神道”で公明党は“(ある宗派の)仏教”だとか、ざっくりとそのようなことを考えると、「現世利益」というようなものをある種欲深く現実的に追及するような神社やお寺に対して、少し複雑な気持ちにもなります。

その団体とは全く関係のない神社や寺院もあるのでしょうか。私は今年はまだ東京の原宿の明治神宮に行くことができていないのですが、例えばあの美しい森のある明治神宮の精神の中に、基本的人権や国民主権や平和主義を無くそうと考えている一部の?自民党の議員の方たち(どなたかの動画の中で確かにそのようなことを言っていました)の精神が入り込んでいるのだとしたなら、関係ないと無理矢理自分に言い聞かせようとしても、穏やかな静かな気持ちで参拝に行くことはできなってしまうかもしれないと、少し心配になりました。

昨日の池上彰さんの番組の映像の中で、安倍首相の街頭演説を聴きに来ていた方の一人が後ろのほうで日の丸の旗を振っていました。これは昨年の国会前の安全保障関連法案の反対のデモの映像を報道番組で見ていた時にも思ったことなのですが、日の丸の旗は日本の旗なので、例えば民進党の演説でも、共産党や社会党や生活の党の演説でも、無所属の方の演説でも、日の丸の旗を振る方がいればいいのではないかなと思うのですが、どうしていないのでしょうか。例えば、幕末の、後の明治政府を作った側の人たちは、「錦の御旗」の偽物を急いで作って掲げて「官軍」ということになったと聞いたことがありますし、いわゆる「右派」と呼ばれる方が日の丸を掲げるように、そうではない派の方も、白地に赤い丸の日の丸の旗を分かりやすく掲げてもいいような気がするのですが、どうなのでしょうか。

東日本大震災からの復興と東京電力福島第一原子力発電所の爆発事故後の問題が残る福島県や米軍基地の負担の大きい沖縄県では、現職の自民党の大臣が落選したそうです。鹿児島県では昨日県知事選挙が行われていて、川内原発の一時停止と再検査を訴えた、元テレビ朝日のコメンテーターの三反園訓さんが当選したそうです。

池上彰さんは、他の番組のキャスターの方よりはもしかしたら中継で出演した政治家に質問をしていたかもしれないのですが、短い時間の間にもっと鋭い質問をしてほしかったようにも思えました。例えば自民党の「憲法改正草案」の条文を出して具体的に、どう思いますか、と訊いたなら、もっと分かりやすい反応が返って来たのではないかなとも思いました。それでも、今回の池上彰さんの選挙特番はやはり面白かったです。番組中の視聴者の方の「ツイッター」の声にもあったと思いますが、このような特別番組をテレビ局は選挙の前に放送したほうが良かったように思います。

投票時間が終わって開票が始まった後に、各テレビ局の選挙特番では与党が「争点」にはしていなかった(野党が「争点」隠しだと言っていた)憲法改正の問題について多く触れていたように思いますが、選挙の後にこの特集を組むよりは、選挙の前にこの特集を組むほうが、良心的だと思います。

池上さんの特番を見た後は、テレビ朝日の「選挙ステーション」や、TBSの「激突選挙スタジアム」や、日本テレビの「ZERO×選挙2016」や、NHKの解説委員の方の選挙特集を少しずつ見ました。最後のほうを見ただけなのですが、私が見た中では、「改憲」の話は少しなされていましたが、やはり経済関連の話が多く、安全保障や原発の話は少なかったように思います。改定された労働者派遣法で派遣社員(非正規雇用の労働者)の方が増えるようになるということについての話もありませんでした。

参議院議員選挙の終わった後に自民党の「改憲」のことをテレビの報道で取り上げるというのは、全く取り上げないよりは良いのかもしれませんが、やはり卑怯であるように思います。TBSやテレビ朝日や東京MXの報道番組などでは事前にも何度も取り上げられていましたが、社会問題にあまり興味がなくてそのような番組を見ていないとか、例えば日本テレビやフジテレビの報道番組を見ていた方の中にはもしかしたら「改憲」のことを知らなかったという方もいたかもしれないですし、「アベノミクス」と呼ばれるキャッチコピーを使って現政府の(ほとんど架空のようにも思えるほど実態のよく分からない)経済政策を主に取り上げていた“官邸寄り”のテレビ局は、それこそ公正公平ではなかったのではないかなとも思えてしまいます。特にフジテレビは、昨日の選挙番組「みんなの選挙」の中では自民党の「憲法改正草案」の条文の一部をパネルにして出していましたが、(それがフジテレビの報道部の意思なのか官邸の意思なのかは不明ですが)選挙の投票期間の前や公示の前にそうするべきだったように思いました。マスコミの方にはもっと毅然とジャーナリズム精神を発揮して「自粛」をせずに頑張ってほしく思います。

それでも、選挙後でも放送しないよりは良いと思います。私も、政党の支援団体のことなど知らないことが多いのですし、選挙特番を見て少しでも知ることができて良かったです。私がいろいろ迷って投票した立候補者の方は残念ながら惜しくも当選しなかったのですが、それは仕方のないことです。政治や経済には疎いままですが、少しでも穏やかに安定した気持ちで自由に暮らすことができるように、報道番組などでその一部が伝えられる、近いような遠いような世の中のことを、これからも気にして見たり聞いたりして、少しでも考えていこうと思います。
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