「そして、誰もいなくなった」第1話

日本テレビの「日曜ドラマ」枠の新ドラマ「そして、誰もいなくなった」の第1話を見ました。録画をしておいたものです。初回は30分拡大版で放送されていました。

最初にこの新ドラマのタイトルを聞いた時、アガサ・クリスティの推理小説のことかと思ったのですが、そうではありませんでした。オリジナルドラマだそうです。

国が全ての国民に割り振った13桁の「パーソナルナンバー」の登録を義務付けているコンピューターシステム会社に勤務し、「ミス・イレイズ」というインターネット上の情報削除書き換えプログラムを開発した研究員の藤堂新一(藤原竜也さん)は、そのプログラムを完成させたある日、会社の上層部に呼び出され、藤堂新一のパーソナルナンバーが数日前に逮捕された藤堂新一という男のものだと告げられました。そして、藤堂新一に成り済ました身元不明の怪しい人物とされた新一さんは、自宅謹慎を命じられ、これまで通りに会社内に入ることもできなくなりました。

総務省に勤める大学時代の友人の小山内保(玉山鉄二さん)に相談した新一さんは、新一さんを藤堂新一だと客観的に証明するデータはどこにも存在しないと言われ、パスポートなどを使ったら逮捕されるかもしれないとも言われました。

クレジットカードや銀行のカードなどの情報も消えていたため、新一さんは、お金を下ろすことができなくなっていました。お財布に残っていた現金を使って高速バスに乗り、大学時代を過ごした新潟に暮らす友人の長崎はるか(ミムラさん)と斉藤博史(今野浩喜さん)に会いに行くと、二人はお金を貸してくれたのですが、その時新一さんは、偽の藤堂新一が大学時代に自分が暮らしていたアパートの部屋に引っ越して来ていたということも教えられました。

新一さんのスマートフォンには何度か「ミス・イレイズ」へのアクセスがあったことを知らせる通知が届いていました。直属の上司である第一開発課の課長の田嶋達生(ヒロミさん)に相談した新一さんは、プログラムに隠されているアクセスのログを田嶋さんに調べてもらうことにしたのですが、その後田嶋さんからログが消されているとの報告を受けました。

その頃、拘置所の偽者の藤堂新一(遠藤要さん)のもとには、新しい弁護士だという西条信司(鶴見辰吾さん)が面会に訪れていました。西条さんは、偽者が偽者になった事情を知っている人のようでした。

新一さんは、小山内さんから極秘に渡された偽者の藤堂新一の写真から、その人物が本当は「川野瀬猛」という人物だと知ったのですが、新一さんが調べたものを翌日警察官に知らせようとした時には、何者かが使った「ミス・イレイズ」によってインターネット上の「川野瀬猛」の個人データは全て削除されていました。

新一さんの行きつけのバー「KING」のバーテンダーの日下瑛治(伊野尾慧さん)は、小山内さんに頼まれて、新一さんの触ったグラスを保管していました。

ドラマの冒頭で、新一さんはどこかのビルの屋上に一人で来ていたのですが、それは新一さんの番号が乗っ取られる10日後のことでした。そして、ドラマの最後には再びその10日後になり、屋上に置かれた「7」と書かれた小さなスピーカーの声に、自ら飛び降りるか銃殺されるかの選択を迫られていた新一さんは、第三の道があるはずだとスピーカーの声の人物に言いました。そして、一人一人が「孤独」でありそれゆえに平等で平和な世界を作りたいのだというその人物から、君とならできると協力を求められていました。

脚本は秦建日子さん、演出は佐藤東弥さんでした。主題歌はクリープハイプの「鬼」という曲でした。

その他の主な登場人物は、新一さんの部下の五木啓太(志尊淳さん)、新一さんの母親で元看護師の藤堂万紀子(黒木瞳さん)、婚姻届けをすぐに出さない新一さんに不信感を持ち始める婚約者の倉元早苗(二階堂ふみさん)、車椅子の万紀子さんを担当している介護ヘルパーの西野弥生(おのののかさん)、バーの常連客の馬場さん(小市慢太郎さん)などでした。

30分延長していたためか、少し冗長的に感じられるところもあったので、その部分がなかったなら、もっと展開の速い、スピード感のあるサスペンスの物語の第1話になっていたように思います。それでも、最後まで面白い気持ちで見ることができました。

現実の日本では、与党が自民党や公明党に代わった2013年の秋に国会で可決されてしまった「個人番号(マイナンバー、共通番号)」の制度は、今年の2016年の1月から運用が開始されました。このドラマの「パーソナルナンバー」は、その現実の「マイナンバー」の適用範囲が広がったもの(その人に関連するあらゆるデータと結びつけられたもの)のようでした。そして、そのような共通番号制度のある中、インターネット上の情報(デジタルデータ)を削除できるプログラムも完成していて、個人番号の完全に近い「乗っ取り」が可能になっていました。

その意味では近未来の日本を舞台にしたドラマなのだと思いますが、個人情報の流出や入力ミスというものは現実の社会でも頻繁に起きていますし、そのような事件が起きても「再発防止に努めます」を繰り返すだけで誰も責任を取らないですし、本当に近い未来の現実にも起こり得るサスペンスを描いた物語なのかもしれないなと思いました。

ある人が存在をするということはどういうことなのか、ということもテーマになっているのだと思うのですが、それにしても、客観的にある人の「存在」を証明する際、一つには行政に登録されたデータというものが必要になるのかもしれないとしても、それが消えただけで「存在しない」ということになるというのは、とても奇妙なことのように思えます。

このドラマでは、会社の上層部の会社員たちは、「パーソナルナンバー」という国が勝手に付けた個人番号の「データ」でしか新一さんを見ていないようでした。一方、新一さんの家族や友人たちは、新一さんとの「思い出」から、新一さんを新一さんと判断しているようでした。新一さんが本当に「孤独」になるのかはまだ分かりませんが、新一さんの身近な誰かが新一さんとの思い出(記憶)を忘れてしまったなら、新一さんの記憶などないと主張するなら、あるいは記憶を書き換えられるようなこともあるとするなら、新一さんの「存在」は外部による操作可能な「データ」以外のものではなくなってしまうということなのかもしれません。

もしかしたらこのようなことが近い将来には起こるのかもしれないと思える点で、このドラマの少なくとも第1話を見た私には少し不快に思えるところもありました。でも、それは悪い意味ではありません。丁寧に作られるなら、社会派のサスペンスドラマになる可能性もあるように思いました。

主人公の新一さんは、人を疑わない人で、優秀なプログラマーなのですが、危機管理意識の低い人でもあるようでした。自分の作ったプログラムで自分の情報が乗っ取られても、当初はそれほど慌てている様子はありませんでしたし、誰かに恨まれているのではないかとか、新一さんを消すことで誰か得をする人がいるのではないのかとかなど言われても、「えっ」とつぶやいて固まるという感じの人でした。

新一さんを屋上に呼び出して追い詰めようとしていた人物は、最後の場面によると、小山内さんでした。新一さんを演じている藤原竜也さんは、よく追い詰められる人物を演じているような気もするのですが、やはり上手いなと思いました。

「そして、誰もいなくなった」の初回は夜10時からの放送だったので、私はTBSの「仰げば尊し」の初回のほうを見ることにしたのですが、次回からは夜10時半からの放送ということで、例えば夜9時からの放送時間に「仰げば尊し」を見るにしてもフジテレビの「HOPE~期待ゼロの新入社員~」を見るにしても、時間が重ならないようでした。

次回の「そして、誰もいなくなった」も見てみようと思います。
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