「夏休みドラマ キッドナップ・ツアー」

NHKの総合テレビで放送されていた「夏休みドラマ キッドナップ・ツアー」を見ました。

あえて「夏休みドラマ」となっているところが、もしかしたら夏休みの子供向けのドラマなのかなと、何となく面白く思いながら見始めました。

「キッドナップ」は「誘拐」という意味の英語です。両親の仲が悪く、2か月前から母親のキョウコ(木南晴夏さん)と二人で暮らしている小学5年生のハル(豊嶋花さん)が、何の予定もない夏休みの一日目に別居中の父親のタカシ(妻夫木聡さん)に“ユウカイ”され、伊豆の海へ行ったり、キャンプをしたり、お寺の宿坊に泊まったり、肝試しをしたり、ホタルの光を見たり、父親の学生時代の友人たちのお世話になったり、というお金のない旅行を続けるうちに、それまで情けない人物のように思えて軽蔑していた父親の朗らかで優しい側面を少しずつ知っていく、というような物語でした。

その他の主な登場人物は、母親の妹でピザ屋さんでアルバイトをしているゆうこちゃん(夏帆さん)、会社を辞めて山奥で釣り堀を経営している神林さん(新井浩文さん)、猫好きの佐々木さん(ムロツヨシさん)、佐々木さんの家で暮らしている父親の元恋人ののりちゃん(満島ひかりさん)、お寺に泊まったタカシとハルに怖い話をする清江さん(八千草薫さん)でした。

原作は、私は未読なのですが、角田光代さんの小説『キッドナップ・ツアー』です。

脚本と演出は岸善幸さんでした。

小学校の夏休みの一日目から数日間の父親と娘の数日間の二人旅の物語でした。両親に振り回されている主人公のハルさんには「心の声」がたくさんあったのですが、私には何となく、その「ツッコミ」のような心の声が『ちびまる子ちゃん』のまるちゃんのような印象でもありました。

小学生のハルさんは、喜怒哀楽のはっきりしている感じの子でしたが、海で出会った同じ学年のチズ(原涼子さん)に両親は仲が良いと嘘をついたり、父親を警察に捕まえさせたり、嘘をついたことを後悔して泣いて謝ったり、お年玉の貯金を全部渡すからこのまま旅を続けようと父親に提案したり、それを断られると自分は両親のせいでろくな大人にならないと怒り出したり、意外と情緒不安定的でもあったように思います。

将来ろくな人間にならないかもしれないのを両親のせいにしようとしたハルさんは、ろくな人間にならなくてもそれは誰のせいでもなく自分のせいだ、他人や環境のせいにするのはかっこ悪いというようなことを父親に言われて、また泣き出していました。

妻夫木聡さんの演じる明るい父親のタカシさんが、何となく妻夫木聡さんらしく思えたというか、自然な感じがして良かったです。

タカシさんが成長したのかどうかは分からないのですが、ハルさんは父親との旅の数日の内に少し成長したようでした。頻繁に妻に電話をかけて交渉していたタカシさんが、何の交換条件を成立させたのかは描かれなかったのですが、充実した数日を過ごしたハルさんは最後にはそのことも気にならなくなっていたようでした。私はドラマを見ながら、もしかしたらタカシさんは家に戻ることになったのかなとも思ったのですが、違うかもしれません。

ドラマの主人公はハルさんで、「心の声」もハルさんのものだけでしたが、子供の視点で描かれていたというほどでもなく、大人の視点で描かれていたというわけでもなかったような気がします。“大人が考えた子供”の話という感じもしたのですが、「夏休みドラマ」らしくはあったように思います。出会いは奇跡だと、ドラマの中で言われていたのですが、確かに家族の「出会い」も、それが良いものであっても悪いものであっても、奇跡的なものなのかもしれません。私にはついて行くことができないように思えてしまう部分も少しあったのですが、それでも最後までそれなりに楽しく見ることができました。ハルさんは予定のないままの夏休みの残りの日々をどのように過ごしていくのかなと、ドラマを見終わって少し気になりました。
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Author:カンナ
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