「ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子」第7話

フジテレビのドラマ「ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子」の第7話を見ました。

情報屋の藤川(不破万作さん)の遺体を発見した刑事の東海林泰久(横山裕さん)は、被疑者と疑われることはなかったのですが、捜査から外されることとなりました。東海林さんをよく知る交番勤務の警官の原島(モロ師岡さん)と再会した新人刑事の藤堂比奈子(波瑠さん)は、命の重みを知る東海林さんが藤川さんを殺すはずがないと信じている原島さんが、23年前に妻子を亡くしていることを知りました。

街では、25年前に製造中止になった除草剤の成分を使った毒薬を飲んで内臓を損傷した遺体が相次いで発見され、「生きた証をAIDに託します」と書かれた遺書が見つかったことから、警視庁刑事部捜査第一課・厚田班の班長の厚田巌夫(渡部篤郎さん)たちは何者かが自殺志願者に毒物を送り付けて自殺幇助をしたものと考えて捜査を始めました。

比奈子さんはいきつけの派手なメイドカフェの店長の西連地麗華(伊藤麻実子さん)がいち早く察して助けた店員の伊集院きらり(松本穂香さん)の部屋のパソコン画面に表示されていた「AID」からのメールを見つけて、自殺志願者が臓器提供を約束するサイトを開設している「AID」が自殺志願者に毒物を送り付けていることを知りました。

厚生労働省の管轄の「精神・神経センター」に入所中の中島保(林遣都さん)は、毒物を送り付ける犯人に「潜入」し、犯人はかつて自殺者から何らかの損害を被り大切なものを奪われた人物で、自殺者に復讐をしようとしているのではないかとの推理を比奈子さんに伝えました。毒物を受け取ったにもかかわらずなかなか自殺をしない志願者に対しては自ら手を下しているのではないかということを聞いた比奈子さんは、麗華さんに説得されて自殺を思い止まったきらりさんの部屋へ急ぎました。

きらりさんに毒物を飲ませようとしていたのは、東海林さんを自身の後継者と言っていた警察官の原島さんでした。きらりさんは、警察官が訪ねて来たと思ってドアを開けたのかもしれません。

原島さんは、マンションの屋上から飛び降り自殺をした男性との衝突事故で幼い息子を失い、突然息子を失ったことにショックを受けた妻の自殺に苦しんでいたようでした。そうして自殺志願者を憎むようになり、自殺志願者を見つけ出しては殺害するということを実行してきたようでした。

原島さんは、きらりさんの部屋のドアを開けた比奈子さんを見て脅していたきらりさんから手を離し、今度は比奈子さんに拳銃の銃口を向けました。比奈子さんは、鞄からナイフを取り出そうとしたのですがすぐに見つからず、原島さんから毒物を飲まされそうになったのですが、そこへ東海林さんが駆け付けました。

東海林さんは、命を大切にとかどの口が言うのかと原島さんを掴まえ、誰がてめえの後継者になんかなるかと強く殴り飛ばして、気を失った原島さんに手錠をかけました。そして、比奈子さんのほうを向くと、殺すつもりで来たのだろう、でもこれがなかったから殺せなかったのだろうと言って、比奈子さんの足元に比奈子さんの折り畳みナイフを投げました。東海林さんは、藤川さんの番号から電話をかけてきた謎の人物から、比奈子さんが鞄の中にナイフを隠し持っていることを教えられ、密かに抜き取っていたのでした。自分のナイフが東海林さんに見つかったことを知ってはっとする比奈子さんに、東海林さんは、てめえはもう刑事じゃねえ、刑事を名乗ることは俺が許さねえ、と荒い口調で冷静に比奈子さんを突き放していました。

脚本は古家和尚さん、演出は大内隆弘さんでした。

鑑識課の三木健(斉藤慎二さん)の場面がこれまでよりも多かったのですが、三木さんの交際相手だった、伊藤麻実子さんの演じるメイドカフェの店長の麗華さんも活躍していました。三木さんと麗華さんは、このドラマのコメディの要素だと思うのですが、比奈子さんが興味を持つ「異常犯罪」の物語の中にいるというよりは、「スピンオフ」的な存在であるようにも思えます。

比奈子さんは、母親の香織(奥貫薫さん)に暴力を振るっていたという父親を殺すために、高校生の頃にナイフを入手した時からそのナイフを持ち続けているということなのですが、父親のことは実際にはどうでもよく、ナイフの入手経路も、本当はある人から本当の自分になってはどうかと言われて渡されたものだということでした。

第7話の「AID」の事件は、自殺幇助を装った殺人事件でした。自殺志願者を憎む原島さんは、臓器提供を呼びかけるサイトを作って自殺志願者を探し、その人に毒物を送り付けたり、直接飲ませたりして殺害していたようでした。

今回の物語の中には、主に、他殺願望のある人(比奈子さん)と、自殺願望のある人(被害者)と、他殺者を憎悪する人(東海林さん)と、自殺者を憎悪する人(原島さん)、というような4つのタイプの人物を中心に描かれていたように思います。

自殺者は殺意を自分に向ける人ということで、ドラマの原島さんは、その殺意に便乗して自殺志願者たちを殺害し、「他殺」よりも「自殺」を批判していました。

自分の命は自分だけのものではない(あなたの命はあなただけのものではない)、というような言葉を、自殺を思い止まらせる言葉としてよく言われているように思いますが、他人を殺す他殺よりは自分を殺す自殺のほうが悪くないと思いますし、自殺(自死、自刃、自決など)をする権利というものも、あるのではないかなと思います。自殺を絶対にしてはいけない行為だと考えることは、今の私にはまだできません。

ただ、例えば、萩原朔太郎の詩にあったように、飛び降り自殺をする決意をして地面から足を離した直後に、瞬間的に自分が生きていく意味というものが閃いて、しまった、失敗した、飛び降りるのではなかった、と後悔した時にはもう遅い、ということはあるかもしれないので、自殺を試みるようなことは、やはりしないほうがいいと思います。

今回のドラマの最初の自殺者は、おそらく、思いがけず殺人者(他殺者)になってしまった人でした。

自殺志願者を探す「AID」の物語の中に具体的な「臓器提供者」は登場しなかったのですが、臓器提供が臓器をもらい受けたいという相手や移植先の相手がいないと成立しないものだとするなら、仮に臓器提供の結果としてその自殺願望のあった提供者が死亡したとしても、その死には、自殺よりは他殺の意味合いが強いのだろうと思います。

比奈子さんは、殺意を持って殺人犯の捜査している刑事ということになるので、確かに東海林さんの言うように、刑事を続けていてはいけない危険な刑事なのかもしれません。横山裕さんの演じる東海林さんが常識人であるようなところは、このドラマの少し安心することのできる部分なのかなとも思います。

でも、全体的には、やはり“刑事ドラマ”とは少し違うようです。今回は、ホラーの要素も少なかったように思います。比奈子さんが中島さんに打ち明けようとする過去の部分と、事件の部分とのバランスが、あまり良くなかったような気もしました。でも、次回の物語もそれなりに楽しみにして見てみようと思います。
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