「華族 150年の旅路~激動を生き抜いた日本の名家~」

NHKのBSプレミアムの「ザ・プレミアム」で放送されていた「華族 150年の旅路~激動を生き抜いた日本の名家~」というドキュメンタリー番組を見ました。

華族は、明治新政府の初代総理大臣の伊藤博文が考えて制定し、明治2年(1869年)から、敗戦後の昭和22年(1947年)まで存在した、公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵という五つの位に分けられた貴族階級のことだそうです。

まずは江戸時代までの公家や武家の大名家などが「華族」ということになり、その後、明治維新に貢献した者や「成金」と呼ばれた実業家なども加えられていったのだそうです。

例えば、三島由紀夫の戯曲『鹿鳴館』や太宰治の小説『斜陽』などには、優雅さや高潔さを保ったまま時の流れの中で資産を失いながら没落していく華族の人々の姿が描かれていて、私はその物語のイメージでしか華族のことを知らないのですが、それは決して悪いイメージではありませんでした。

教科書にも載っている外国の風刺画では、西洋風に着飾った日本人たちは「猿まね」扱いをされていたようですが、「華族」の存在が輝かいていた当時には、女性雑誌で特集されるほど、華族の女性たちは一般市民の女性たちの憧れの存在でもあったそうです。

昨日の特集では、主に、五摂家の一つの近衛家、尾張徳川家、鍋島家、立花家のことが紹介されていました。

肥前国佐賀藩の最期の藩主の鍋島直大とイタリアのローマで結婚したという鍋島栄子さん、その娘の梨本伊都子さま、その孫で旧大韓帝国の元皇太子妃となった方子さまのことは写真などで紹介されていたのですが、元家臣たちのために北海道の八雲に農場を作ったり、北海道のお土産の木彫りの熊を考案したりしたという尾張徳川家第19代当主の徳川義親の曽孫の方や、戦前に内閣総理大臣を務め、戦後にA級戦犯として裁かれることが決まって自殺をした近衛文麿の孫の方、柳川藩主立花家の文子さんとその婿の和雄さんの孫の料亭旅館「御花」の社長を務めている方が出演して、祖先の「華族」の暮しについて話していました。

立花伯爵令嬢だった文子さんは、生活が困窮していっても、何とかなる、と前向きに乗り切るとても元気な方だったそうで、広い邸宅を料亭旅館にして経営し、100歳まで生きたそうです。

近衛家や徳川家は、時代の流れの中で公家や大名家の歴史や文化まで消滅することを恐れ、先祖代々伝わっている大切な宝物が経済事情や盗難などによって散逸するのを防ぐために、陽明文庫や徳川ミュージアムという財団法人を作ったのだそうです。

「華族」は、もともとは天皇家の階級を守るための制度だそうで、華族制度が「日本国憲法」によって無くなった今でも「皇室の藩屏」としての役割は続いているのだそうです。お正月の歌会始の、天皇皇后両陛下の前の、部屋の中央のテーブルで御歌を詠んでいる方々も元華族(元公家)の末裔の方々だということでした。意識として「藩屏」だという思いはあるのだそうです。

「財閥」も戦後にGHQによって解体されていますが、今でもその影響は強く残されているのだと思います。

静岡福祉大学教授の歴史学者の小田部雄次さんが監修を務めていて、番組の司会とナレーションは、以前には「その時歴史が動いた」の司会を務めていた松平定知さんでした。松平定知さんは、徳川家康の直系ということではないそうなのですが、伊予松山藩の久松松平家の分家旗本の子孫なのだそうです。華族の女性の流転のドラマ?の場面には、元宝塚歌劇団の紫吹淳さんと澪乃せいらさんが出演していました。各章の背景に赤いバラの花が使われたりしていたのも、何となく宝塚風に思えました。

家の伝統を守り抜くというのは、もしも私がそうだったならと考えると、とても大変なことのように思えるのですが、公家や大名家の末裔の方には、使命感のほうが勝って、個人の大変さなどはほとんど気にならないくらいになっているのでしょうか。

現実的なことを考えると、華族のような特権階級の人々と一般の人々との間の経済格差や学歴の格差など気になるところはありますが、物語として考えると、やはり華やかで美しいように思えるところはあります。現存する和洋折衷の建物も豪華です。それに、華族ではない人がそうであるように、華族の人によっては華族であるという点において苦労したこともあったのだろうと思います。

どうして今「華族」の特集が放送されるのだろうとも思ったのですが、天皇陛下の生前退位(譲位)の問題が話題になっているからということもあるのかもしれません。家によっても人によっても様々なのだろうと思える「華族の旅路」を完全に解説するということは難しいのだろうと思いますが、「華族」の特集自体が少し珍しいことであるような気もしましたし、昨夜の約1時間半の番組は最後まで楽しく見ることができました。
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Author:カンナ
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