「そして、誰もいなくなった」最終回

日本テレビの日曜ドラマ「そして、誰もいなくなった」の最終回(第9話)を見ました。

藤堂新一(藤原竜也さん)は、自分に向かってナイフを振り下ろしてきた母親の藤堂万紀子(黒木瞳さん)を止めると、母親から、日下瑛治(伊野尾慧さん)が弟であること、25年前に父親と再婚する際の契約書でその弟を捨てたことを打ち明けられました。そして、藤堂新一を殺したかと母親に電話をかけてきた、偽者の藤堂新一(川野瀬猛、遠藤要さん)の腹部を公園のベンチで刺した後の瑛治さんに呼び出されて、車椅子の万紀子さんと新一さんは、20年前に父親のお葬式を行った、今は空き家となっている藤堂家へ向かいました。

藤堂家で新一さんと母親を待っていた瑛治さんは、母親が自分を捨てて新一さんだけを自分の子供だということにしたことへの恨みを訴え、子供の頃のクリスマスの日に母親が新一さんと一緒に過ごさなかったのはせめてもの罪滅ぼしのように本当の息子である自分と過ごしていたからだということを教えていました。

瑛治さんは、新一さんに母親を取られたというショックと憤りから、新一さんへの復讐を計画していたのですが、その実行のために、新一さんの大学時代の友人の長崎はるか(ミムラさん)と斉藤博史(今野浩喜さん)をけしかけ、総務省の官僚の小山内保(玉山鉄二さん)や新一さんの会社の上司の田嶋達生(ヒロミさん)の出世欲を利用していたようでした。瑛治さんは、君家砂央里(桜井日奈子さん)と弁護士の西条信司(鶴見辰吾さん)が転落死し、馬場(小市慢太郎さん)が車ごと海へ落ちて亡くなったことも新一さんに伝えました。

それから瑛治さんは、万紀子さんが足を怪我した時の話を持ち出し、それは車に轢かれそうになった新一さんを助けようとしたからではなく、新一さんを殺そうとして車の前に突き飛ばした直後に思い直したからだということを説明し、母親もそれを認めました。

戸惑いながらも、それでも母親を信じている新一さんに、瑛治さんは、新一さんを殺人犯にしたいと言って2本のナイフをテーブルの上に出し、新一さんが自分を殺すように仕向けようと母親にナイフを向けたのですが、新一さんは押し倒した瑛治さんを殺そうとはしませんでした。瑛治さんは、新一さんが捨てたナイフを拾い、それなら自分が殺すと新一さんの足を突き刺し、さらに刺そうとしたのですが、その時、車椅子の母親に背後から刺されました。瑛治さんは倒れながら自分を刺した母親を刺し、車椅子から落ちて畳の上に倒れた母親は、そばにいる新一さんに、私を消してと頼んで気を失いました。

クローゼットの中に横領した札束を見つけて田嶋さんに殺されそうになっていた婚約者の倉元早苗(二階堂ふみさん)は、田嶋さんを見張っていたという後輩の五木啓太(志尊淳さん)が田嶋さんを殺したことで助かり、五木さんに頼んで新一さんの無実を証明するためにお金を少しクローゼットの中に残してもらったようでした。

2か月後、警察署で公安警察の鬼塚孝雄(神保悟志さん)の取り調べを受けていた新一さんは、「藤堂新一」として釈放され、早苗さんと結婚して、子供も生まれたようでした。新一さんによると、藤堂家で見つかったのは母親の遺体だけで、瑛治さんの遺体は発見されず、背中に血の付いた黄色のシャツが母親の遺体に掛けられていたということでした。

小山内さんは、「パーソナルナンバー」の制度には欠陥があるということを、瑛治さんに渡された新一さんのパソコンのデータを使わずに公表して、制度の立て直しに向けての努力を始めるようでした。

そして、最後、海辺にぽつんと建てた母親のお墓へ家族3人でお参りをした新一さんは、俺は今孤独から一番遠いところにいると、心の中で呟いていました。

脚本は秦建日子さん、演出は佐藤東弥さんでした。

このような最終回だったのですが、最後の新一さんの心の声のナレーションを聞いて、一体何なのだろうと、少し唖然としてしまいました。

馬場さんが車ごと海に落ちたというところまでは以前に確かに描かれていましたが、死んだということの描写は瑛治さんの台詞の中以外にはありませんでした。

今回の冒頭の、52日前の万紀子さんが川野瀬さんの父親と話した介護士の西野弥生(おのののかさん)にその場で待っているようにと伝えた後の描写もなかったので、西野さんがどうなったのか、「人を殺した」と心の中で言っていた万紀子さんが何をしたのかも、不明のままです。

瑛治さんに刺された偽藤堂新一だった川野瀬さんも、川野瀬さんの父親も、その後のことは描かれませんでした。

藤堂家の部屋から発見されたのは母親の遺体だけで瑛治さんの遺体が発見されなかったという件も、ドラマを見ている私にはよく分からなかったのですが、瑛治さんに足を刺されて怪我した新一さんは、二人が倒れた後その場で気を失っていたということなのでしょうか。その後藤堂家に警察が来たのだとしたなら、誰がそこへ警察を呼んだということなのでしょうか。

物語の辻褄が合わないというか、毎回詰め込まれてきた「謎」とそのための「伏線」が回収されるという最終回にはなっていなかったように思います。

新一さんを狙う犯人と新一さんが狙われた理由とは一応明らかにされてはいましたが、そのための周辺の「謎」は、そのまま解決されずに残されているというか、放置されているというか、そのような状態で終わっていたように思います。

そしてそれは、「そして、誰もいなくなった」というタイトルとも、このドラマの物語が合っていなかったことになるような気がします。「誰もいなくなった」にはならなかったからです。

ドラマの中で「パーソナルナンバー」と呼ばれていた「個人番号制度(マイナンバー制度)」には乗っ取りや成り済ましやデータ消滅などの危険が盛り込まれていたところは良かったように思いますが、「ミス・イレイズ」というデータ消去システムもそれほど活かされなかったですし、“社会派サスペンスドラマ”というほどにはなっていませんでした。

また、ドラマの第1話で言われていた「世界を平等で平和なものにするために人々を孤独にする」というような瑛治さんの目標が達成されなかったばかりではなく、その目標は新一さんを騙すための「嘘」であったということになると、物語を引っ張ってきた前提としての「謎」が否定されるということにもなるので、ミステリー作品としても成立しなくなるような気がしました。

婚約者の早苗さんが最後まで「裏切者」にならなかったというところも少し意外ではあったのですが、私はまさかその初回で言われていた前提(世界を孤独にする)が否定されることになるとは思いませんでした。

いわゆる「大どんでん返し」ではあるかもしれないですし、そもそも世界を孤独にするなど不可能と言えばそうなのかもしれないのですが、私には、面白い手法だと思うことができませんでした。

主演の藤原竜也さんなど俳優さんたちが良かったとしても、脚本に筋が通っていないのなら、良いドラマにはならないということを改めて思いました。このドラマのこれまでの話の中には面白く思えたところもありますし、見なければ良かった、とまでは思いませんが、私には残念に思えてしまう展開の最終回でした。
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