「家売るオンナ」最終回

日本テレビの水曜ドラマ「家売るオンナ」の最終回(第10話)を見ました。

バー「ちちんぷいぷい」のママの珠城こころ(臼田あさ美さん)が、お店が入っているビルの取り壊しが決まって立ち退きを迫られているから助けてほしいと、テーコー不動産の新宿営業所の売買仲介営業課の課長の屋代大(仲村トオルさん)を頼って押しかけて来て、屋代課長を始め営業課の社員たちは、ビルの価値を高めた上で一棟売りをしようという計画の下、空き室となった地下一階のテナントを借す人を探し始めました。

その一方で、庭野聖司(工藤阿須加さん)は、チーフの三軒家万智(北川景子さん)が新宿営業所を辞めて別の営業所に異動するのではないかという噂を気にして、足立聡(千葉雄大さん)から告白をすることを勧められて迷っていました。三軒家さんは、元プロバレリーナの望月葵(凰稀かなめさん)の担当となり、バレエのコンクールの直前に事故で足を怪我して病院で車椅子生活を送るようになった娘のカンナ(堀田真由さん)のためのバリアフリーの家を探すことになりました。

「ちちんぷいぷい」が入っているサイトウビルは2階建てで、2階は居住スペースになっていました。1階には今は使われていない飲食店が残されていて、地下1階には空きとなった2部屋と「ちちんぷいぷい」がありました。ビルが売りに出されていることを知った三軒家さんは、建物の調査に向かいました。

エレベーターを待つ三軒家さんに後ろから告白をしようとして失敗した庭野さんは、三軒家さんと一緒にサイトウビルへ行くことになり、三軒家さんの指示に従って、一人で1階のテナントの壁紙や床の絨毯を剥がして掃除を始めました。

三軒家さんの異動の噂を聞いた白洲美加(イモトアヤコさん)は、三軒家さんがいなくなる前に自分も家を売ろうと、積極的に営業をするようになりました。ベテラン社員の布施誠(梶原善さん)はいきつけのタイ式マッサージ店に2件目を出さないかと持ち掛け、足立さんは路上の行列のできる占い師さんにサイトウビルの店舗のチラシを渡す際、出世をすると予言されていました。白洲美加に影響を受けた宅間剛太 (本多力さん)も、三軒家さんに「GO!」と一度も言われたことのない八戸大輔(鈴木裕樹さん)と一緒に行った屋台の店主にビルのテナントのチラシを渡す営業をしていました。

しかし、白洲美加の住宅販売の営業だけは上手くいきませんでした。白洲美加を孫娘を見ているようだと気に入って家を買う態度を示していた夫妻は、突然別の不動産屋から家を買うことになったようでした。突然の出来事に嘆く白洲美加に、三軒家さんは、会社を辞めるよう進言し、いろいろな人を見てきたけれど白洲美加ほど学習能力のない人は見たことがない、会社を辞めて誰かに守ってもらいなさい、それが白洲美加の生きる道ですと伝えました。会社を飛び出した白洲美加は、帰社する途中の足立さんに出会い、私と結婚してほしいと頼んだのですが、僕はみんなのものだから誰のものにもならないと、いつものようにきっぱりと断られてしまいました。足立さんに振られて泣きながら帰る白洲美加を、宅間さんが心配そうに見ていました。

サイトウビルの地下1階の空きテナントは埋まったのですが、その矢先、屋代課長は、本社の常務からの電話で、サイトウビルの案件から手を引くよう命じられました。サイトウビルのある新宿の街の一角の再開発をテーコー不動産が極秘で請け負うことになっていたためでした。

屋代課長は、こころさんの実家でもある「ちちんぷいぷい」の店舗の場所を、こころさんに諦めてもらうより仕方がないと思い始めていました。しかし、屋代課長の考えを知った三軒家さんは、「会社の犬!」と屋代課長を大声で叱り、驚く屋代課長に、大切なのはお客様の人生です、会社のためにこころさんに諦めてもらおうと思っているのならそれは会社の犬だと言って、ビルは私が売りますと断言しました。

三軒家さんは、個室に入院中の車椅子のカンナさんの足が実はすでに治っていること、カンナさんに辛い思いをさせないようにバレエ教室の経営も辞めてバレエの話を封印している母親の葵さんが夜の公園で毎日踊っていることにも気付いていました。葵さんの踊っている映像を娘のカンナさんに見せた三軒家さんは、数日後、二人を新しい家の内覧へ連れて行きました。そこは、サイトウビルでした。2階の居住スペースはバリアフリーにはなっていないままだったので、娘の車椅子を押していた葵さんはがっかりしていたのですが、三軒家さんは娘の車椅子を押してエレベーターで1階へ行きました。絨毯の外されていた床はきれいに磨かれていて、望月親子と三軒家さんが来るのを待っていた庭野さんが壁のカーテンを外すと、バレエ用の大きな鏡と手すりが用意されていました。

三軒家さんは、別の家族と暮らしている葵さんの夫でカンナさんの父親である洋一郎さんに直接会って話すためにシンガポールへ飛び、日本に残している葵さんとカンナさんのために、サイトウビルを一棟買いしてもらう約束を取り付けていました。三軒家さんは、娘はもうバレエを踊ることができないと戸惑う母親の葵さんに、あなたが踊るのです、あなたが踊れば娘さんも踊りますと言い、車椅子のカンナさんに、立ち上がることはあなたの意志でしかできない、立って歩き、踊るのです、立って生き直すのです、と伝えました。カンナさんは車椅子から立ち上がり、鏡の前まで歩き、新しいその場所で再びバレエを踊る決心をしていました。

それから地下1階へ向かった三軒家さんは、こころさんにビルが売れたことを教え、「ちちんぷいぷい」はこのまま続けてくださいと言ってすぐにお店を出て行きました。

会社に戻った三軒家さんが屋代課長にサイトウビルが売れたことを報告すると、屋代課長は、自分がビルを売ったことにすると三軒家さんに言いました。しかし、三軒家さんは私の売り上げですと言って譲らず、屋代課長は、それなら二人で仲良く辞表を出すか、と明るく提案し、そのような二人の会話を、三軒家さんにちゃんと告白をすることができなかった庭野さんが廊下で聞いていました。

一年後、テーコー不動産を辞めた屋代さんは、どこかの海辺の村の小さな「サンチー不動産」で、社長の三軒家さんと一緒に仕事をしていました。三軒家さんと屋代さんは、二人で会社を辞めて、独立をしたようでした。

テーコー不動産の新宿営業所には、宅間さんと結婚した妊婦の白洲美加が遊びに来ていました。屋代さんと三軒家さんが辞めた後、ベテランの布施さんが課長になり、自分の仕事に自信を持っている足立さんはチーフになっていました。庭野さんは、新宿営業所の今を、FAXで三軒家さんと元課長の屋代さんに伝えていました。庭野さんは、特に昇進もせず?それなりに楽しく、そのまま営業の仕事を続けているようでした。

サンチー不動産は忙しくしていて、屋代さんは三軒家さんの「GO!」で走り回っていて、三軒家さんも新たに漁村の家を売る仕事を引き受け、こんな家が売れるのかと心配する漁師に、私に売れない家はありません!と断言していました。

脚本は大石静さん、演出は佐久間紀佳さんでした。

最終回も、とても面白かったです。

北川景子さんの演じる主人公の三軒家さんが物語を仕切り過ぎるということでもなく、でも、三軒家さんが「家を売る」というところはしっかりと描かれていて、営業所の社員たちの変化も安定して丁寧に描かれていたように思います。主な登場人物の全員のその人物らしさが最後まで貫かれていたところも良かったです。

三軒家さんの、三軒家さんについて行こうとする庭野さんへの「後ろに立つな!」や「甘ったれるな!」も良かったですし、屋代さんへの「会社の犬!」も、白洲美加への「会社を辞めなさい!」も、良かったです。

家を売る仕事を通じてお客さんの人生を守っていた三軒家さんの物語は、一つか二つくらいに思えていた人生の選択肢に、三つ目や四つ目もあることを提案するものだったのだと思います。

既成概念を打ち破って新しい道を見つけていく三軒家さんが、家を一軒も売ることができない白洲美加に、会社を辞めて結婚して家庭を守る道を示していたところも、良かったです。それは一見すると、古風というか、近年言われている「女性の社会進出」に逆行するもののようにも見えるかもしれないのですが、外へ出て勤めの仕事をするという「自立」よりも、家庭人として暮らすことのほうがその人に向いていて、そのほうがその人にとって幸せに生きることのできる可能性が高いものなのだとするなら、堂々とその道を進むべきなのだと思いました。

「会社の犬」になってしまうのは確かに良くないことですが、会社に残って会社員として出世を目指すことも、出世はしなくてもそれなりに楽しく働き続けることも、会社を辞めることも、独立して新しく事業を始めることも、確かに自由で、人の生きる道は一つではないのです。

その人に合った家を見つけることは、その人に合った生き方を見つけることであり、このドラマの“美貌の天才的不動産屋”の三軒家さんは、人生の道標というか、水先案内人のような人だったのかなと思います。長所も短所も同時に見て考えて、お客さんも同僚たちのことも幸せにする三軒家さんは、すごい不動産屋さんでした。

あと、最終回の葵さんの役の、宝塚歌劇団の宙組男役トップスターの凰稀かなめさんも良かったです。三軒家さんを演じていた北川景子さんは宝塚の大ファンだそうですし、大石静さんはフジテレビのスペシャルドラマだった「愛と青春の宝塚」の脚本の方でしたし、宝塚の舞台の脚本を時々手掛けているということなので(私は昨年の花組の「カリスタの海に抱かれて」を見に行くことができたのですが、華やかでかっこ良くて、物語の展開も分かりやすくて、とても楽しかったです)、もしかしたら、そのつながりなのかもしれません。

恋愛の要素が薄くて、途中から少し三角関係風にも描きながら“恋愛ドラマ”に傾いていかなかったところも、私としてはとても良かったです。

また、私は基本的にあまり連続ドラマなどに「続編」を望まないほうなので、三軒家さんがテーコー不動産に残らずに屋代さんと独立をしているところを見せるというこのドラマの終わり方も、ちゃんと「終わり」が描かれている感じがして、良いように思いました。

シリアスの要素とコメディーの要素のバランスも良かったように思いますし、最終回の展開も見事な、最後まで楽しく見ることのできたドラマでした。北川景子さんの主演のドラマとしては、テレビ朝日の金曜ナイトドラマだった「モップガール」も面白かったように思いますし、日本テレビの「悪夢ちゃん」の連続ドラマをとても好きで見ていたのですが、この「家売るオンナ」のドラマもとても面白くて、好きでした。青空と海の背景で終わる最後もすっきりとしていましたし、毎回を安心して見ることのできるドラマでもありました。

このドラマの第1回が放送される前には、私は大石静さんの脚本のNHKの「ドラマ10」の「コントレール~罪と恋~」を好きで見ていたので、「家売るオンナ」との違いに少し驚いたのですが、さすがというか、全く別の雰囲気の物語を作ることのできる脚本家の方はすごいなということも改めて思いました。
プロフィール

Author:カンナ
ブログ初心者です。
感想などを書いています。
マイペースで更新します。
すきなもの
 月・星空・雨・虹・雪
 飛行機雲・入道雲・風鈴の音
 透き通った水・きれいな色
 富士山・東京タワー・ラジオ・音楽
 本・絵画・ドラマ・(時々)アニメ
 掃除機をかけること
にがてなもの
 人ごみ・西日・甘すぎるお菓子
 

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
カウンター
検索フォーム