「法月綸太郎 一の悲劇」

フジテレビの「金曜プレミアム」の「誘拐ミステリー超傑作 法月綸太郎 一の悲劇」を見ました。

NHKの「ドラマ10」の新ドラマ「運命に、似た恋」の初回と、日本テレビの「金曜ロードSHOW!」のスペシャルドラマ「がっぱ先生!」の放送とも重なっていたのですが、放送時間にはこちらの“探偵もの”のドラマを見てみることにしました。

原作は、私は未読なのですが、法月綸太郎さんのミステリー小説『一の悲劇』です。

ドラマの主人公は、長谷川博己さんの演じる法月綸太郎さんということで、作者の名前と物語の主人公の名前が同じだったのが、私には意外でした。

警視である法月貞雄(奥田瑛二さん)を父親に持つインドア派の推理作家の法月綸太郎さんが、父親が捜査を指揮することになった、山倉家の一人息子の隆史と間違われた冨沢家の一人息子の茂が誘拐されて殺された事件の容疑者となったテレビ局のディレクターの三浦靖史(波岡一喜さん)の事件発生当夜のアリバイ作りに利用されていたことを知って、外へ出て事件関係者に会いに行き、事件を解決するための推理を始めていく、という話でした。

その他の主な登場人物は、法月警視の部下で警部の久能晴路(モロ師岡さん)、法月家の家政婦の小笠原花代(渡辺えりさん)で、事件関係者は、茂の救出に失敗した山倉史朗(伊原剛志さん)、その妻で、亡くなった妹と義弟の三浦さんとの子供の隆史を育てる和美(富田靖子さん)、和美さんの父親で次女の子供を引き取ることを和美さんに勧めた会社社長の門脇了壱(中尾彬さん)、山倉家と家族ぐるみの付き合いがある息子の茂を誘拐されて殺された冨沢路子(矢田亜希子さん)です。

山倉家と冨沢家という二つの家族の夫妻の間で起きていた“愛憎劇”は確かに複雑で、特に最初の頃は、誰がどの家の人なのか少し分からなくなってしまうそうでもあったのですが、見ていくうちにはその関係性も分かるようになりました。殺人の動機や共犯者の考えにも、筋が通っていたように思います。

2時間ミステリーのドラマとしては、特に後半には和美さんの悲劇が中心に描かれていて、最後のほうの、綸太郎さんい独白をする和美さんの場面は、和美さんを演じる富田靖子さんの声や話し方の雰囲気もあって、大きな別荘のバルコニーへ出て扉を閉めた和美さんの姿を見ていた綸太郎さんが、はっと夢から覚めたように目をぱちぱちとさせてから和美さんを助けるために追いかけて扉を開けるという演技(演出?)も、良かったです。

新しい機械が登場する時代になってもミステリーのトリックは無くならないというような綸太郎さんと三浦さんの会話も良かったように思います。この作品の事件のトリック自体は、特に新しい感じのものではなかったようにも思うのですが、新しいかどうかよりも、どのように使われるかが大事だと思うので、和美さんに少しずつ到達していく今回の事件の展開も、良かったのだと思います。

私としては、長谷川博己さんの演じる少しひきこもり気味の推理作家の法月綸太郎さんと、渡辺えりさんの演じる、綸太郎さんを「綸太郎坊っちゃん」と呼んで外へ出ることを勧めるミステリードラマ好きの家政婦の花代さんのキャラクターを楽しく思えました。長谷川さんの綸太郎さんは、昨年のドラマ「デート~恋とはどんなものかしら~」の巧さんに近い感じもしました。花代さんは、「相棒」の杉下右京さんとか、「踊る大捜査線」の青島刑事とか、名探偵・金田一耕助の孫の金田一少年とか、『名探偵コナン』のコナン君まで例に出していたのが、普通の人の感じもして面白かったです。

和美さんの悲劇の話や最期の場面は重いものだったので、ドラマの最後の場面も、綸太郎さんが小説を書き始めるために事件のことを回想するというシリアスな流れのままになるよりは、もう少し、綸太郎さんと花代さんのコメディーの場面で終わったほうが、すっきりと見終わることができたのではないかとも思えました。でも、事件を引きずって深刻に悩み続けるというようなところも、綸太郎さんの個性なのかもしれません。

脚本は関えり香さん、演出は永山耕三さん、音楽は橋本しんさんでした。

冨沢路子さんが土手で逮捕される場面に洋楽?の曲が流れてきたのは、私には少し謎に思えたのですが、オープニングの映像や、CM明けに「一の悲劇」と出るようなところは、探偵ものとしてのレトロな雰囲気が出ているようにも思えて、良かったです。あと、綸太郎さんの家にいたクイーンという名前で呼ばれていた耳の垂れた猫もとてもかわいかったです。原作者の法月綸太郎さんも、とても猫を好きな方だそうです(以前、新聞の記事か何かに法月さんの猫のエッセイが連載されていたのを面白く読んだことがあるということを、今思い出しました)。

もうすぐ終わってしまうJ-WAVEの「THE HANGOUT(ザ・ハングアウト)」で、生放送は最後だった火曜日の担当の川田十夢さんが、猫を好きな人が読んでいる小説の作者が実は猫好きだということがあるというようなことを話していて、川田さんはそこで江戸川乱歩を例に挙げていたので、確かにそういうことはあるのかもしれないなと、ラジオを聴きながら勝手に少し嬉しく思えていました。私は猫と暮らしてはいないのですが、猫を好きですし、猫と暮らしていない猫好きだった乱歩の作品も好きです。

「一の悲劇」というタイトルの「一」の意味が私にはいまいちよく分からなかったですし、ドラマの終わり方が、ここで終わりなのかな、と思えてしまうような少し分かりにくい終わり方であったような気もするのですが、全体的には楽しく見ることができたので、良かったです。
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