「夏目漱石の妻」第2回

NHKの土曜ドラマ「夏目漱石の妻」の第2回「吾輩は猫である」を見ました。

第2回は、明治31年から明治37年頃までの物語でした。

長女の筆子が生まれ、夫の夏目金之助(夏目漱石、長谷川博己さん)と共に熊本から東京へ戻った夏目鏡子(尾野真千子さん)は、内務省の局長を務める父親の重一(舘ひろしさん)の勧めでイギリスへ留学することになった金之助さんを送り出した翌年、次女の恒子を生んで育てていて、2年後、イギリスで神経衰弱になって帰国した金之助さんとの“戦争”のような日々を始めていました。

脚本は池端俊策さん、演出は柴田岳志さんです。

第2回も面白かったです。第1回と同じく、(NHKなので)途中にCMのない1時間15分のドラマだったのですが、今回も最後まで楽しく見ることができました。

東京の駅のホームに降り立った時の金之助さんの黒ずくめの服装や雰囲気の異様な感じが面白かったのですが、実際にもこのような服装をしていたのでしょうか。

イギリスから戻って暴力的になった金之助さんから逃れるように二人の娘たちを連れて実家の中根家に戻っていた鏡子さんが、中根家の主治医の尼子医師の勧めで帝国大学医学部の呉医師に荒れる夫を診てもらい、夫が神経衰弱だと教えられると、病気なら仕方がない、家族なら看病をしなければいけないと、嬉しそうに呉医師に言う場面も良かったです。

看病をすると覚悟して実家から娘たちを連れて夏目家に戻った鏡子さんは、以前よりももっと強くなっていました。三女の栄子も生まれ、穏やかになったり急に荒れたりする夫の金之助さんと、正面から向き合っていました。

イギリスでの生活の中で鬱や神経衰弱になったという金之助さんの暴力や暴言は、今ならDV(ドメスティックバイオレンス)ということになると思うので、ドラマではそれでもユーモラスに描かれているために面白く見ることができたのですが、実際には、妻の鏡子さんや娘さんたちは大変だったのではないかなと思いました。

長い紙に細かい字でびっしりと書かれた離縁状を重一さんに受け取ってもらえないと激怒する金之助さんと、切手を貼って送ればいいと言い返す鏡子さんの掛け合いも面白かったです。

金之助さんと鏡子さんの二人の、感情を率直にぶつけ合う感じはまさに「戦争」で、病気の金之助さんに向き合い続けた鏡子さんの明るくて前向きな強さが家族を守っているという感じが、よく伝わってきました。

内務省の局長だった鏡子さんの父親の重一さんが、どうして職を全て解かれてしまったのかは、ドラマを見ていた私にはよく分からなかったのですが(もしかしたら見逃したり聞き逃したりしてしまったのかもしれません)、貴族院にも在籍していた重一さんが急に落ちぶれている展開に、少し驚きました。

重一さんは、ドラマによると、株か何かで失敗していたようだったのですが、明治37年に始まった日露戦争の「戦争特需」に賭けようとしていたようでもあり、それが果たせないまま、2年後に56歳で亡くなったということでした。

雨の夜、鏡子さんは、夏目家を訪れた重一さんから、金之助さんに借金の連帯保証人になってほしいと頼まれて、助けたいけれどそれはできないと断っていたのですが、重一さんの話を聞いていた金之助さんは、翌日、鏡子さんの弟で中根家の跡取りの倫(中島広稀さん)を自宅に呼び、封筒に入った400円を手渡していました。

夏目家に入った泥棒が、夏目家から盗んだ着物を売るために、きれいに洗濯したり繕ったりしていたという件も楽しかったですし、後半の「猫」の件もとても良かったです。

夏目家に入ってきた黒猫目線のカメラの映像も楽しく思えたのですが、猫の存在を受け入れていく金之助さんの感じも面白かったです。金之助さんの神経衰弱は、猫が来てから少し落ち着いていたようで、俳人の高浜虚子(須田邦裕さん)に『ホトトギス』への寄稿を勧められて、泥棒が来ても全く気付かないほど原稿に向かい、「吾輩は猫である」を完成させると、それを高浜虚子に読ませていました。高浜虚子の読み上げる、金之助さんが書いた猫を主人公にした物語を、お茶を運ぼうとしていた鏡子さんが廊下で聴いて笑っていました。

次回の物語も楽しみにしたいと思います。

ところで、先週のNHKの「ニュースウォッチ9」では、イギリスのロンドンにある「倫敦(ロンドン)漱石記念館」が閉館したことが報道されていました。夏目漱石のイギリス留学時のゆかりの品々を集めた、館長の漱石研究家の恒松郁生さんの私設の記念館だそうで、来館者が減少したためにやむなく閉館をすることになったということでした。私も行くことはできなかったのですが、今年は夏目漱石の没後100年の年なのですし、記念館が続いていたなら、これからお客さんが増えていくということもあるかもしれないので、運営費の事情があるのだとしても、少しもったいなく思いました。
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Author:カンナ
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