「ハートロス~虹にふれたい女たち~」

先日の日曜日のお昼の頃にTBSで放送されていたCBCテレビ開局60周年記念スペシャルドラマ「ハートロス~虹にふれたい女たち~」を見ました。

内館牧子さんの脚本で、斉藤由貴さんの主演のドラマと知って、何となく録画をしておいたものを見たのですが、思っていたよりも面白かったです。名古屋市内の町を舞台にした、“名古屋発地域ドラマ”という感じの作品でもありました。

名古屋市内の老舗味噌鍋店「深や」を営む夫の深谷和久(宇梶剛士さん)と短大生で仲間たちと円頓寺商店街の町興しプロジェクトを実行している娘の佑子(川島海荷さん)と穏やかに暮していて、第三者から見ると十分に幸せな生活を送っているように見える45歳の深谷桜子(斉藤由貴さん)が、友人の成田舞(堀内敬子さん)と共にファンの芸能人の結婚にショックを受けて怪我をした小野美咲(生田智子さん)に呆れつつ過ごしていたある日、娘が熱心に「追っかけ」をしているシンガーソングライターの青年・シューゴ(七瀬公さん)のSNSの投稿を読み、作詞家を目指していた20年前の頃を思い出して歌詞のアドバイスを始め、年齢をシューゴと同じ25歳と偽ってのシューゴとの「恋愛」のようなやり取りを「心の不倫」かもしれないと後ろめたく思いながら、作詞家としての夢を叶えることができるかもしれない突然のチャンスの訪れに揺れていく、というような話でした。

演出は堀場正仁さんでした。

タイトルの「ハートロス」は、最近メディアで聞くことの多い「○○ロス」という言葉をあえて使ったものだそうです。ドラマを見始めた頃は、よくある話であるようにも思えていたのですが、作詞家を目指していた桜子さんが作詞における詩のアドバイスを通じてスマートフォンの向こうのシューゴさんを気にするようになっていくという感じが、何となく新鮮に思えました。

作詞家になるチャンスを、結局シューゴさんと事務所の側の事情によって掴むことができなかったというところも、それによって母親の秘密に激怒していた娘の佑子さんと仲直りするというところも、良かったように思いますし、優しい夫の和久さんが最後まで“シューゴ騒動”に巻き込まれなかったところも良かったのだと思います。

芸能人の追っかけをする女性たちの心理や、東京進出を目指す若手ミュージシャンの成り上がる根性?や、商店街の町興しも描かれていて、意外と盛り沢山な物語だったような気もします。タイトルの「虹」は、近過ぎると見えなくなってしまう有名人への憧れの象徴でもあったようでした。

夫と娘と3人で不自由なく暮す45歳の桜子さんが、自分の未来はもう見えてしまったと少し寂しく感じていたある日に新しい夢と出会い、新しい未来を見つけていく物語でもありました。桜子さんは、現実的な舞さんと、有名人の追っかけを趣味にしている美咲さんの中間を揺れていたのですが、最後には、灯台下暗しの言葉のように、幸せな未来は自分を待っている人がいる場所で作ることができると感じていました。

シューゴの作詞のアドバイザーとして東京で仕事をすることを突然提案された桜子さんの、人って死ぬまで未来があるんだね、という台詞も良かったです。

死ぬまで未来があるというのは、自明であることのはずなのですが、私自身のことを考えても、自分にはもう未来が無いように思えてしまうことはたくさんありますし、最近は世の中でも、「少子化」とか「高齢化」という言葉が使われて、誰にでも死ぬまで未来があるということが意外と忘れられてしまっているような気がします。そのことを、ドラマを見ていて少し思いました。

町興しの歌作りをシューゴが記者会見で自分の手柄のように話しているのを聞いて桜子さんが呆れたり、佑子さんが新しく見つけた「追っかけ」の対象の男性アイドルを見てまたいいかもしれないと思ったり、お店の和久さんに呼ばれて名古屋の町を娘の佑子さんと駆け抜ける明るい終わり方も良かったです。さっぱりとした気持ちでドラマを見終えることができました。


ところで、昨夜、東京工業大栄誉教授で福岡県出身の71歳の大隅良典さんが2016年のノーベル医学生理学賞を受賞したということが報道されていました。日本人としては、医学生理学賞の受賞は2年連続で、理化学研究所の脳科学総合研究センター長の利根川進さんと、京都大学の教授の山中伸弥さん、昨年の北里大学の特別栄誉教授の大村智さんに続く4人目だそうです。今年の医学生理学賞の受賞者は、日本人一人だけなのでしょうか。

大隅さんの研究は、細胞が自らのたんぱく質などを分解してアミノ酸などにリサイクルをする「オートファジー」と呼ばれる細胞の自食作用の仕組みを解明し、遺伝子レベルでがんや神経疾患を治療研究する道を開くことになったのだそうです。「人がやらないことをやる」という研究姿勢を貫き、良い結果を残すことのできた大隅さんはすごいなと思いました。 
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