「体育の日」の「嵐スタジアム」と、岡倉天心と、政府の「明治の日」制定の噂のこと

一昨日の10月10日は、久しぶりに「10日」になった「体育の日」ということで、TBSでは恒例の「最強スポーツ男子頂上決戦」が放送されていて(俳優の佐野岳さんが3度目の優勝を果たしていました)、NHKでは、「→2020」というロゴの付いた「東京2020 12時間スペシャル」というオリンピック・パラリンピック関連の番組が生放送されていました。

私はその全部を見ることはできなかったのですが、夜7時半からは、生放送の「嵐スタジアム」という嵐の5人が司会を務める番組がありました。相葉雅紀さんの司会の「グッと!スポーツ」ともつながっていたのですが、リオデジャネイロから引き継いだ?オリンピック・パラリンピックの旗も掲げられていて、大学生の吹奏楽部の方たちによる「A・RA・SHI」の生演奏から始まる豪華な特別番組でした。

二宮和也さんはソフトボールを体感し、櫻井翔さんは新国立競技場の設計をした建築家の隈研吾さんを取材し、大野智さんはピクトグラムを紹介し、松本潤さんは宮城県石巻市の旧国立競技場の聖火台を取材し、最後に北島康介さんと地元の子供たちがその聖火台に火を灯し、嵐と「ふるさと」という歌を歌っていました。

今年の夏にはブラジルのリオデジャネイロオリンピック・パラリンピックがあり、私も少し見たのですが、オリンピック関連や東京都知事選挙の話題に紛れるように、「終戦の日」や71年前の太平洋戦争のことは、テレビ局などのメディアでは少し薄くなってしまっていたような気がします。今回の生放送の特別番組は、4年後に開催予定の東京オリンピック・パラリンピックを楽しみにしてもらおうというための番組だったのだろうと思いますし、それなりに楽しく見ることはできたのですが、「嵐スタジアム」に関して「次回また」と嵐の相葉さん?が言っているのを聞いて、この番組は来年も放送されるのだろうか、そうだとすれば、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの放送の中心は嵐の5人に決まったということなのだろうかと、そのようなところも少し気になりました。

「体育の日」は、もともとは1964年の東京オリンピックの開催日の10月10日を「国民の祝日」としたもので、2000年以降は、アメリカと同じように?10月の第2月曜日とされました。先日の報道によると、「体育の日」を「スポーツの日」に改称してはどうかという意見があるそうですが、私としては、別に「体育の日」のままでもいいような気がしました。

NHKは、少し前に「時論公論」でもオリンピックを「国威発揚」などと解説していたので、私はそれを聞いて驚いたのですが、10日の「ニュースウォッチ9」の中では、市川崑監督による1965年公開の映画「東京オリンピック」と、その映画が政府に批判されて日本選手の活躍を中心とした別の東京オリンピック映画が公開されることになったということを紹介し、オリンピックとは平和の祭典であるということを伝えていました。

市川崑監督の「東京オリンピック」の映画とは直接関係のないことなのですが、昨日の報道で、戦争の悲劇や人間の尊厳を問う作品を撮り続けたポーランドのアンジェイ・ワイダ監督が9日に亡くなったということを知りました。90歳だったそうです。私は映画「地下水道」や「カティンの森」などを見たことがあります。怖いのですが、とても良い映画でした。人間の尊厳や生きる自由が奪われるということは、本当に残酷で嫌なことです。

先日のNHKの「歴史秘話ヒストリア」の「明治標準語ことはじめ」では、各地の方言に混乱していたという明治時代に「標準語(共通語)」を作った言語学者の上田萬年さん(1867-1937)のことが紹介されていて、BSプレミアムの「英雄たちの選択」の「神と仏の明治維新」では、東京開成学校(後の東京大学)の1回生として卒業した17歳で文部官僚となってアーネスト・フェノロサと共に、神道国教化を進める明治新政府が発した「神仏分離令」を受けた市民の「仏教排斥(廃仏毀釈運動)」の流れと戦って、失われそうになっていた日本の芸術文化を守って後世に遺した岡倉天心(1863年-1913年)のことが紹介されていました。

標準語(共通語)のきっかけが軍隊に関連していたのにはまた少し寂しい感じもしてしまったのですが、母親のことを「おかあさん」と呼ぶ言葉の流行が、小学校の教科書で「標準語」を広めることにつながっていったという上田萬年(万年)さんの特集も良かったですし、岡倉天心の特集もとても良かったです。

8日の新聞記事の小さな記事には、自民党の菅官房長官が11日に「明治150年関連施策推進委員会」を設置するということが報道されていました。2018年は、江戸幕府が倒され、1868年に元号が明治に変わってから150年の年だということで、安倍首相とその周辺の人たちが明治関連の記念事業を行いたいということのようでした。報道によると、菅官房長官は、「明治の精神や日本の強みを再認識することは極めて重要であり、明治以降の歩みを次世代に残すことが大事だ」と閣僚懇談会で話していたのだそうです。

そして、政府は、その流れで「明治の日」という祝日を作ろうともしているのだそうです。

明治元年は1868年ですが、大正元年は1912年です。でも、2012年の数年前には、「大正の日」を作ろうというような話は出ていなかったような気がします。大正天皇の誕生日は8月31日ですが、今は「祝日」とはなっていません。

昭和天皇の誕生日は4月29日で、1989年までの「天皇誕生日」が、天皇陛下は自然を大切に思っていたからという理由で「みどりの日」となっていたのですが、2005年に「昭和の日」と改称されました(「みどりの日」は5月4日に変わりました)。

明治天皇の誕生日は11月3日です。昭和21年に日本国憲法が公布された日でもあり、今は「文化の日」となっています。「文化の日」には、「自由と平和を愛し、文化をすすめる」という意義があるそうです。

「昭和の日」は、「明治の日」をいつか作るための布石だったのでしょうか。まだ決まったわけではないのですが、2018年に向けて「明治の日」が制定されるかもしれないということを聞いて、また少し気味悪く思えてしまいました。明治の超絶技巧の芸術作品など、当時の文化は本当に素晴らしいと思いますし、以前なら(例えば第一次安倍内閣発足前なら)「明治の日」などの話をふと聞くことがあったとしてもあまり気にならないことだったのかもしれませんが、安倍内閣が続いている現在では、私としては何となく、少し不穏な感じがしてしまうのだと思います。

「明治の日」が制定されるとしたら、いつになるのでしょうか。「文化の日」を変えようというのでしょうか。それとも、「大日本帝国憲法」を公布した日や施行した日をそうするのでしょうか。

江戸時代の始まりは、慶長8年2月12日(1603年3月24日)ということになっているのだそうです。そのような日も、いつか「江戸の日」とかにするのでしょうか。

今年には謎の「山の日」も作られましたが、「国民の祝日」という休日を増やして「連休」を作ったとしても、経済活動の活発化にはそれほどつながらないような気もします。

先日の「英雄たちの選択」の特集によると、「大日本帝国憲法」が公布されたのと同じ明治22年に東京美術学校を創立した岡倉天心は、日本の美術を「国民の美術」と考えていたそうなのですが、そのような考え方に反し、天皇陛下を国家元首と定める明治新政府は、日本の古来の重要な美術作品を「宝物(ほうもつ)」として調査し始め、調査団から東京美術学校組を外し、美術品に次々とランクを付けて「帝室の美術」としたそうです。そのような美術品が今「国宝」として守られるということには、良い面もあると思いますが、確かに「国民の美術」であるという意識からは遠ざかっているようにも思いました。「文化の日」に込められた「自由と平和」の思いがこれからも大切にされていくといいなと思います。
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