「文化の日」が「明治の日」になるかもしれないこと

今日は「文化の日」です。11月3日の「文化の日」は、今から70年前の、1946年(昭和21年)に日本国憲法が公布された日(施行は5月3日)で、戦後の「祝日法」によると「自由と平和を愛し、文化をすすめる」日ということですが、それまでは明治天皇のお誕生日としての祝日(天長節、明治節)でした。

2018年(平成30年)は明治維新から150年となる年で、前に噂で聞いた通り、報道によると、政府(安倍内閣やその支持者の方たち)はそれを記念して「明治の日」を制定しようとしているそうなのですが、やはり、この「文化の日」を「明治の日」に変えようとしているそうです。

昭和天皇のお誕生日の「みどりの日」が2007年に「昭和の日」に変わった時にも少し不気味に思えたのですが、「昭和の日」の制定は、あるいは初めから「明治の日」のための布石だったのかもしれません。

国民の祝日とは何のためにあるのかということも考えられなければいけないのかもしれませんが、そもそも、日本の文化というものは、当然のことながら、明治時代から始まったものを指すわけではありません。その前には約300年続いた江戸時代がありました。太平洋戦争前の「明治節」を復活させるために明治維新を記念した「明治の日」をあえて作りたいというのなら、「昭和の日」とのバランスを取るためにも、「大正の日」を(例えば大正天皇のお誕生日である8月31日)に作ったほうがいいと思いますし、明治維新ということなら、江戸時代末期の大政奉還を記念?した日も作ったほうがいいような気がします。

大政奉還は、第15代将軍の徳川慶喜が明治天皇に政権返上を奏上してそれが勅許されたという出来事で、慶応3年10月14日に行われたそうですが、西暦だと1867年の11月9日になるそうですが、今のところは10月14日や11月9日は何の「国民の祝日」にもなってはいません。

今の内閣の推奨する日本文化の多くは、もしかしたら、江戸幕府を倒幕した明治新政府側の人々が作った文化ということなのかなとも思います。私は、「明治の日」は無くていいと思いますし、21世紀の今に、時代を逆行するように「明治の日」が作られることを、少し気味悪くも思えてしまいます。昔に作られていたなら、あまり気にならなかったのかもしれませんが、「日本国憲法」を改定して国民の自由や権利を制限しようとする安倍政権やその周辺の方たちが作るというところに、少し不気味さを感じてしまうのだろうと思います。

自民党のホームページで公開されている改憲草案(2012年版)は、今の「日本国憲法」と比較をすることができる形で掲載されているのですが、それを読むと、個人の自由や権利よりも政府や国家の権限が強化されるものに作り替えようとしていることが、よく分かると思います。私には、その自民党の「憲法改正草案」はとても不気味な、嫌な草案に思えるので、この草案を読んでも嫌な感じを受けない与党支持者の方は、本当にこの草案を良いと思っているのだろうかと、少し不思議に思えます。

「日本国憲法」の条文を変える場合は「国民投票」を行うそうですが、昨年に成立した「安全保障関連法」(自民党と公明党は途中から平和安全法制と呼ぶようになりました)の時のように、詭弁を織り混ぜながら、いくつかの条文の改正案をまとめて提示してくることもあるかもしれません。投票権を持つ国民の側がもっと「日本国憲法」に関心を持たなければ(私もまだ少ししか分かりませんが)、そのような草案を良いと思って書くような精神を持っている最大与党の自民党の意見が、日本の世の中にそのまま罷り通ってしまうことになるような気がします。

今年の春のテレビ朝日の「報道ステーション」での、ヒトラー率いるナチ党と安倍首相率いる自民党を比較し、ヒトラーが悪用した「国家緊急権」と自民党が改憲草案の条文に盛り込んだ「緊急事態条項」は似ているのではないかということをキャスターだった古舘伊知郎さんが伝えていた、戦前のドイツの「ワイマール憲法」の“教訓”の特集はとても良い特集でしたが、そのことをやはり忘れてはいけないように思います。

今、報道番組や情報番組では、両親を暗殺された過去があるという韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が長年の友人の崔順実(チェ・スンシル)という宗教家の女性に操られていたのではないかという問題がよく取り上げられていて話題になっていますが、日本の安倍首相も日本会議という宗教(主に神道だそうです)関連の組織とつながっているそうです。でも、そのことは、先の参議院議員選挙の直後以降は、大手のマスコミではほとんど取り上げられていないように思いますし、今の韓国のような、国民的な騒ぎにもなっていないような気がします。

ただ、私も最近まで、神社(神社本庁の管轄下の神社ということでしょうか)が自民党と同じく憲法改正を推進しているということを知りませんでした。今年は体調が良くなかったため、明治神宮への初詣に行くことができなかったのですが、あるいは近所の小さな神社へではなく、大きめの神社へ初詣に行っていたなら、政府と神社が裏でつながっているという不気味さを元旦から直接感じることになったのかもしれません。

今は「東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会」の会長(名誉会長は経団連の御手洗冨士夫さんという方だそうです)を務める森喜朗さんが、小渕恵三元総理大臣の急死直後に総理大臣になった2000年に神道政治連盟の国会議員の懇談会で「神の国発言」(日本は天皇を中心とした神の国だというような趣旨の発言)をして問題になりましたが、それから約16年経った安倍政権下の今なら、安倍内閣を支持する方が約半分ほどいる(本当でしょうか)という今なら、をそれほど問題発言としてマスコミに取り上げられることはなかったのかもしれません。「みどりの日」を「昭和の日」に変えるということも、この発言をきっかけとした森本首相の退陣がなければ、本当は2000年に行われる予定だったのだそうです。

天皇皇后両陛下や皇族の方々を大切に思うこと自体はとても良いことだと思いますが、安倍首相やその周辺の議員や有識者の方たちは、本当に今上天皇陛下を尊敬しているのでしょうか。今年の8月8日の、テレビで放送されるビデオメッセージという形にして広く国民に伝えていた天皇陛下のお言葉を、本当に尊重しようとしているのでしょうか。10月の27日に薨去なされた三笠宮崇仁さまの“反戦”のお気持ちを受け止めている方は、その中にどのくらいいるのでしょうか。

そもそもなぜ今「日本国憲法」を改定しなければいけないのかということが明確にならないまま、アメリカのGHQに押し付けられた憲法だからというような意見も主流になって、現行の「日本国憲法」はいつか改定されることになるのかもしれませんが、そのリニューアルされた憲法が、内閣総理大臣(首相)という立場になった人の権限を強め、国民一人一人の個人の自由や権利が制限されるようなものに少しずつ変わっていくのだとしたなら、本当に怖いことになるのではないかと思いますし、社会的に弱い立場にいる人たちが今以上に辛い思いに耐えなければいけないような世の中になってしまうのではないかと思います。

先日の報道によると、南スーダンの政府軍の兵士が国連職員などの宿泊施設を攻撃した際に救援の要請を受けていたのに救援に向かわずに民間人を死傷させたなどの責任で、PKO(国際連合平和維持活動)の南スーダン派遣団の軍事司令官が国連事務総長に更迭されたということですが、南スーダンの派遣が延長された自衛隊の方たちは、政府がその地に「戦闘」があることや「戦地」であることを認めない今の状態でPKOの指揮下に入っていて、本当に大丈夫なのでしょうか。もしもどうしても撤退させないのだとしても、自衛隊の方々の命を守るための法律のことを、もっと早く国会議員の方たちは話し合ったほうがいいような気がします(私が知らないだけで、もしかしたら議会のどこかでは話し合われているのかもしれませんが)。

「文化の日」なので、本当は「文化」のことを思わないといけないのかもしれませんが、日本国憲法が公布された日ということで、自民党の改憲草案を基にした自民党による改憲の問題はやはり気になってしまいます。今の世の中の空気が戦前の空気に似ていると言われていても、すぐには昔のような戦争状態にはならないかもしれません。でも、本当にそうだろうかとも思います。

例えば「憲法第9条」が、自衛以外の「交戦権」や「武力行使」を認めるように変えられたとしても、今のままでも、条文に使われるのが言葉である以上はどこまでも「解釈」は成立するのだろうと思いますし、その時の首相が自衛の解釈の範囲を広げて「交戦」や「武力行使」やそのための「制限」や「支配」などを認めていくような人物なら、結局は、誰かが国家によって殺されたり傷つけられたり、殺したり傷つけたりという嫌な事態になるのだろうと思います。

今生きている人の中で生き辛さを感じているような人たちが、今以上に生き辛くなってしまったなら、いずれ少しずつ、守るべき「文化」を守る人はいなくなって、戦中には華やかな「文化」は姿を消したということ以上に、「文化」というものはなくなっていくのではないかなと思います。一市民の私には、さすがにそこまでの事態にはならないかなという思いと、もしかしたらなるかもしれないという思いと、今のところは両方あります。
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