「シリーズ横溝正史短編集 金田一耕助登場!」(全3回)

先週のNHKのBSプレミアムで3夜連続で放送されていた、「シリーズ横溝正史短編集 金田一耕助登場!」を見ました。

横溝正史の作り出した名探偵・金田一耕助が登場する短編小説を「原作にほぼ忠実に映像化」したという全3回のシリーズです。夜11時15分からの約30分ドラマで、私は録画をしておいたものを後で見ていました。

先日のスペシャルドラマの「獄門島」で金田一耕助を演じていたのは長谷川博己さんでしたが、このドラマで金田一耕助を演じていたのは池松壮亮さんです。

第1回の「黒蘭姫」は、戦後の雑居ビルの最上階に探偵事務所を構えた金田一耕助が銀座のエビス屋百貨店に黒いヴェールを着けて度々現れて窃盗を繰り返す“黒蘭姫”と呼ばれる令嬢による宝石売り場での殺人事件の解決を百貨店の支配人の糟谷六助(レイザーラモンHGさん)から依頼されるという話でした。演出は宇野丈良さんでした。

第2回の「殺人鬼」は、復員した元夫の義足の男(村松卓矢さん)につけ回されている加奈子(福島リラさん)と出会った私(松居大悟さん)が、加奈子さんが何者かに襲われて気を失い、加奈子と駆け落ちして一緒に暮らしている妻帯者の賀川(永野さん)が殺されるという事件に巻き込まれている最中、用水路で義足を発見した金田一耕助と知り合い、事件の真相を知っていく話でした。演出は佐藤佐吉さんでした。

第3回の「百日紅の下にて」は、若い女性と上手く話すことができず、親に捨てられた少女を理想の女性として育てて妻にした佐伯一郎(嶋田久作さん)が、敗戦から一年が経った昭和21年の9月、川地謙三から伝言を託されて復員していた金田一耕助に声をかけられ、14歳年下の妻の由美(コムアイさん)を見張らせるために由美を慕う4人の男たちに託したものの、佐伯の復員直後に由美が自殺してしまい、美少年の川地謙三(栁俊太郎さん)のせいだと考えた佐伯が思いがけず4人の内の一人の五味(ゆってぃさん)に毒の入ったお酒を配ってしまった事件の真相を教えられるという話でした。演出は渋江修平さんでした。

今回の「シリーズ横溝正史短編集 金田一耕助登場!」の全3回の演出をした方はそれぞれ、先の「シリーズ・江戸川乱歩短編集 1925年の明智小五郎」の時の演出の方でもありました。

先の「シリーズ・江戸川乱歩短編集 1925年の明智小五郎」の放送前、それを見るのを楽しみにしていたのは、「太宰治短編小説集」のシリーズがとても良かったからです。今回の「シリーズ横溝正史短編集 金田一耕助登場!」を楽しみにしていたのは、「シリーズ・江戸川乱歩短編集 1925年の明智小五郎」がそれなりに良かったからです。

私は江戸川乱歩の作品を好きなのにその友人でもあった横溝正史の作品をまだちゃんと読むことができていないので、原作の短編小説と「ほぼ忠実に映像化」されたというこのドラマ作品との雰囲気とを比べることはできないのですが、今回の金田一耕助さんの短編作品のドラマも面白かったような気がします。

今回の「短編集」の、戦争の影響が色濃く残る“愛憎劇”や“出生の秘密”的な物語を見ていて、初期の短編小説も、後の長編小説(金田一耕助さんが最初に登場するのは今回の短編小説より前の1946年の『本陣殺人事件』ですが)と同じような要素が多分に含まれていたのだなと思いました。

物語の演出としては、第1回の「黒蘭姫」が、私には良かったように思います。第2回はホラー風の不気味さがあったように思いますし(賀川の妻を演じていたのは作家の岩井志麻子さんでした)、布団が踊っていた第3回は意外とコミカルでした。

第3回の「百日紅の下にて」は、金田一さんが「獄門島」へ向かう前の出来事だったようなのですが、枝から落ちる百日紅のピンク色の花が、場面が変わるごとに少しずつ?金田一さんのもじゃもじゃの髪の上に増えていく感じが何だかかわいくて(少し子供のようにも見えましたが)、楽しく思えました。

番組の解説によると、この短編集のシリーズ(明智さんの登場する「江戸川乱歩短編集」も含むかもしれません)は、「気鋭のクリエーターたちが映像化するシリーズ」ということなのですが、私としては、あまり奇をてらう感じの?演出ではないほうが良いような気もします。それでも、今回も、30分という長さはちょうど良いように思えましたし、最後まで楽しく見ることができました。先日の「獄門島」の長谷川博己さんの金田一さんも良かったですし、今回の「シリーズ横溝正史短編集」の池松壮亮さんの金田一さんも、良かったのだと思います。
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