「相棒season15」第9話

テレビ朝日のドラマ「相棒season15」の第9話「あとぴん~角田課長の告白」を見ました。

産業廃棄物処理場で見つかった頭を殴られて死亡していた男性は、警視庁組織犯罪対策第五課の課長の角田六郎(山西惇さん)の中学校時代の同級生で同じ写真部の5人の仲間の一人でした。特命係の杉下右京(水谷豊さん)を訪ねた角田課長は、天文写真を撮るのが好きで「天文」と呼ばれていた光田さんの妻は写真のピントが後ろにずれる癖があることから「あとぴん」と呼ばれていた顧問の小林先生(柴田次郎さん)の娘で、光田さんは20年前に家族のもとを離れたが、病で昏睡状態に陥っているあとぴんのためにも天文はなぜ殺されたのか真相が知りたいと、右京さんに捜査を依頼しました。

右京さんは、産業廃棄物処理場の近くにあった喫茶店で、処理場周辺の不法投棄に困っていた地元の住民たちから、光田さんが現場監督の仁藤景雄(相島一之さん)から暴力を受けていたこと、反対派の住民たちの姿をカメラで執拗に撮影していたことを聞きました。しかし、光田さんは写真をやめていました。

取り調べを受けることになった光田さんの上司の仁藤さんは、光田さんや角田課長と同じようにあとぴんの教え子の人でした。あとぴんが昏睡状態だということを角田課長に教えられると、光田さんを殺したのは自分だと自供しました。事件現場には、光田さんの遺留品としてメモリーカードが抜き取られたデジタルカメラがあったのですが、鑑識の資料によると、遺体のそばに銀塩フィルムの紙箱の蓋の四角い部分が雨にぬれずに落ちていて、その蓋には当日の日付が書かれていました。角田課長に除け者にされていた巡査の冠城亘(反町隆史さん)が調べたところ、34年前、光田さんはある工場の火事の写真を撮影して賞を受賞していました。写真を見せられた角田課長は、その火事は工場主の保険金目的の放火で、放火犯として逮捕された工場主の息子が仁藤さんだということを右京さんと冠城さんに話しました。光田さんの写真をきっかけに、仁藤家は崩壊していたのでした。しかし、あとぴんの教え子だった仁藤さんの様子を見た右京さんと角田課長には、仁藤さんが犯人だとは思えませんでした。

角田課長は、今も同窓会であっている写真部の3人を右京さんに紹介しました。3人によると、角田課長はかわいい動物写真専門の人だったようでした。カメラ店を経営している友人は、事件の前に写真のことを何も知らなそうな仁藤さんがメモを持ってカメラを買いに来ていたことを右京さんに話しました。仁藤さんは、光田さんのためにフィルムカメラを買いに来ていたのでした。そのメモの文字が「天文」の文字だと知った右京さんと角田課長は、光田さんと仁藤さんの間には信頼関係があったと考えるようになりました。

光田さんが最後に写真を撮ったのは、1982年のスーパームーンと皆既月食が重なった頃だったようでした。結婚を控えているという光田さんの孫娘から、父親が祖父に刃物を向けているのを目撃した後、父親が家を出て行ったという話を聞いた右京さんと冠城さんは、あとぴんと光田さんのことをよく知る妻の窓夏さんを訪ねることにしました。

窓夏さんは、写真部の顧問だったあとぴんの娘であり、家によく遊びに来ていた写真部員の一人の光田さんと結婚した人でした。蓋のないフィルムの箱を持っていた窓夏さんは、光田さんに会いに行ってほしいと仁藤さんに頼まれたと右京さんたちに話していたのですが、仁藤さんは、窓夏さんには断られたが、光田さんの遺体を産業廃棄物処理場の庭で発見する直前、車で去って行く窓夏さんの姿を見たと話していました。

取調室で仁藤さんと話した右京さんは、光田さんを殺したのは自分だと主張する仁藤さんが窓夏さんを庇っているのではなく、本当はあとぴんのためにそうしていることに気付いていました。仁藤さんは、光田さんの死をあとぴんが知ることがないようにと考えていたようでした。仁藤さんは、34年前の放火は父親ではなく自分が行ったもので、事情を知った恩師のあとぴんから、その罪を背負って生きていくよう諭されていたことを打ち明けました。

光田さんの妻の窓夏さんは、仁藤さんに断った後、車で産業廃棄物処理場へ行き、風で転がってきたフィルムの箱を拾い、夜空の写真を撮ろうとカメラをセットしている夫の姿を見て、いつか自分から帰って来てくれるだろうと考えて、声をかけずに立ち去っていたのでした。

それから、右京さんと冠城さんが向かったのは、産業廃棄物処理場近くの喫茶店でした。光田さんに執拗にカメラを向けられたと主張していた店主の嘘を、右京さんはそのしぐさから見抜いていました。光田さんは普段は光田さんにもらったデジタルカメラを使っていて、処理場でフィルムのカメラを使ったのはその日一日だけだったからです。借金があった喫茶店の店主が自供したことによると、処理場に反対する人たちの情報を売るために夜の処理場の前で取り引きをしていた時、シャッター音が聞こえ、現場を撮られたと思い込んだ店主は、星空を撮影していただけだった光田さんを機材で殴って殺害し、遺体を放置して逃げたようでした。

右京さんは、角田課長が知りたがっていたのは、犯人ではなく、天文はなぜ死んだのか、なぜ殺されなければならなかったのかということで、出来事の裏にある背景を探り当てることだったということを、冠城さんに話していました。

古物商にあったという光田さんのバッグの底には、その夜のフィルムが残されていたようでした。写真部の仲間たちはそのフィルムを現像し、光田さんが最後に撮影した写真を見ました。それは光田さんが好きだった冬の星空の写真で、角田課長はそれを掴んで暗室を飛び出すと、あとぴんの入院先へ急ぎました。しかし、到着したのは、あとぴんが息を引き取った直後でした。

角田課長は右京さんと冠城さんに光田さんの最後の写真を見せて、34年前の写真コンテストの優勝商品は赤道儀だった、当時の中学生には手の届かない品だったから、光田さんはどうしてもその赤道儀がほしかったのだろうと話していました。右京さんは、角田課長が光田さんの妻の窓夏さんから、光田さんの34年前のフィルムを見せてもらっていたことも知っていたのですが、それによると、工場の火事の写真のフィルムは工場と炎の写真が重ねられた合成写真でした。角田課長たちは、同窓会でそれを知ったようでした。

光田さんはコンテストで優勝するために合成写真を作り、それが図らずも仁藤さんの家庭を崩壊させることになったことを知って写真をやめていて、そのことを知っていた妻の父親でもあるあとぴんに見張られているような後ろめたさを感じ続けていたようでした。角田課長は、光田さんは生き直そうとしたのだろうと話していたのですが、仁藤さんも光田さんと一緒に生き直そうとしていたようでした。

右京さんは、20年前に家族のもとから失踪していた光田さんを探し出して病床のあとぴんのことを教えたのは角田課長ではないかと考えていたのですが、角田課長は、それは右京さんの深読みのし過ぎで、買いかぶりすぎだと答え、あとぴんも右京さんのように深読みをする人だった、前のほうで輝いている生徒たちよりも、教室の後ろでかたまっている自分たちのような生徒に目をかけてくれる先生だったと話していました。

脚本は宮村優子さん、監督は橋本一さんでした。

何というか、角田課長の中学生時代の同級生たちや恩師との物語だった第9話は、とても良い話でした。

あとから事実が知らされていくというような部分も多かったのですが、少しずつ明らかになっていく謎も、あとぴん先生の誠実さやその先生を頼りにしていた生徒たちとの思いやりにつながっていて、悲しい話でもあったと思うのですが、さわやかな話でもありました。あとぴん先生のような生徒思いの良い先生が、現代の学校にもいるといいなと思いました。

ピントが被写体の少し後ろにずれているという意味の「あとぴん(後ピン)」という言葉も、角田課長のいた写真部も、物語によく活かされていて、人間ドラマのある「相棒」らしい話でもあったように思いますし、「相棒」には長年欠かせない人物である角田課長の回としても良かったと思います。

あと、今回の角田課長の写真部時代の仲間にも「きしん」というあだ名の人がいましたが、昔のカメラ好きの少年の中には時々「きしん」と呼ばれている子がいるのなということを改めて思いました。それは写真家の篠山紀信さんの名前から取ったものだと思うのですが、「魔法の妖精ペルシャ」という昔の魔法少女アニメにも篠川紀信というカメラ少年がいて、「きしんちゃん」と呼ばれていました。

予告によると、次回の「相棒15」は恒例の「元日スペシャル」になるそうです。元日に見ることができるかどうかはまだ分からないのですが、来年の物語もまた楽しみにしていようと思います。
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