「佐分と市捕物控 冬夏の章」

BS日テレで放送された時代劇スペシャル「佐分と市捕物控 冬夏の章」を見ました。

昨年に見た「佐分と市捕物控」が面白かったので、続編となる第2弾が放送されると知り、私も見るのを楽しみにしていました。

原作は石ノ森章太郎さんの漫画『佐分と市捕物控』で、文政時代の江戸の町を舞台に、岡っ引き見習い(下っ引き)の佐武(小池徹平さん)と盲目の按摩で居合の達人の市(遠藤憲一さん)が活躍する物語です。夜7時からの2時間ドラマだったのですが、冬の章の「椋鳥」と夏の章の「氷の朔日」の2本立てでした。

佐分と市の他の主な登場人物は、佐平次親分(内藤剛志さん)、その娘のみどり(福田麻由子さん)、めし屋「まるや」の女将のお伝(藤田弓子さん)、傘張り牢人から「まるや」の店員になった宮内助右衛門(堀内正美さん)、「まるや」の常連客の勝小吉(里見浩太朗さん)です。

「冬の章 椋鳥」は、酒問屋「丹波屋」が売ったお酒に毒が盛られていたために14人が口から泡を吹いて死亡するという殺人事件が発生し、そのお酒の販売を担当していた奉公人の茂平(今野浩喜さん)が下手人として疑われる、という話でした。

「椋鳥」というのは、冬になると江戸の町に来る出稼ぎ労働者たちを町の人たちが椋鳥に例えて呼んだ言葉でした。3年前から友人として付き合っていた茂平さんの疑いを晴らしたい佐武は、茂平さんを自宅に匿って見張っていたある日、佐武と同じように茂平さんの無実を信じていた「丹波屋」の娘の志乃(水沢エレナさん)が神社の敷地から転落死ししているのを見つけたのですが、神社には茂平の姿がありました。「丹波屋」の番頭の新吉(忍成修吾さん)と志乃さんが同じ白檀の香りを身に着けていることに気付いていた市は、さらに佐武の手拭いに14人を殺したのと同じ毒ぜりの匂いを嗅ぎ取りました。神社の下の路上に倒れていた志乃さんの口から出ていた泡を拭いたものだと思い出した佐武は、茂平さんとは違って少しも志乃さんの死を悲しんでいなかった番頭の新吉さんが真の下手人であると気付き、市と共に新吉さんが放った刺客と戦いながら、新吉さんを追い詰めていくのでした。

佐武さんと茂平さんと志乃さんは、出身地は異なるけれど同じ出稼ぎ労働者として江戸に来たという共通点から仲良くなっていたのですが、その後「丹波屋」の養女となっていた志乃さんは、主人の丹波屋周五郎(河西健司さん)の被害者で、好きだった番頭の新吉さんの指示で酒樽に毒を入れたようでした。その夜酒蔵にいたのを茂平さんに見られていたため、新吉さんの指示で茂平さんを神社に呼び出し、私も人並みに幸せになりたいのだと、茂平さんを自身の短刀で殺そうとしたのですが、誤って足を滑らせて神社の下の道に転落してしまったようでした。

新吉さんは、「伊勢屋」に移るためにその主人の伊勢屋藤兵衛(芋洗坂係長さん)に相談して「丹波屋」の毒入り酒事件を起こしていました。神社の敷地から転落した志乃さんは、その時には本当はまだ生きていたのですが、新吉さんに毒を飲まされて殺されました。

市が「伊勢屋」で戦っている間、佐武が神社へ向かうと、自分に復讐をしようとする茂平さんを新吉さんが志乃さんの短刀で殺そうとしていました。短刀を使って茂平さんを人質に取った新吉さんに十手で立ち向かった佐武は、志乃さんが死んだのは自分のせいだと言う茂平さんに違うと言い続けていたのですが、佐武さんが助けようとしていた茂平さんは、新吉さんの手にする志乃さんの短刀に自ら飛び込みました。佐武は逃げようとする新吉さんを十手で倒したのですが、指されて木の根元に座り込んでいた茂平さんも、雪の中、息を引き取ったのでした。

「夏の章 氷の朔日」は、旧暦の6月に、富士の山奥から切り出した氷を炎天下の中江戸まで運んで将軍に献上するという「献上氷役」を巡る話でした。みどりさんの行きつけの薬種問屋には、長崎で西洋医学を学んで江戸に戻ってきたという頭巾をかぶった気鋭の医者の池田抱庵(原田龍二さん)が出入りしていました。行方不明になったその薬種問屋の娘の捜索を任されていた佐武は、野犬が若い女性の冷たい手首を銜えていたという事件を知り、佐平治親分と相談して薬種問屋の両親に娘の右手の特徴を尋ねたのですが、その手首が行方不明の娘のものではないと分かったものの、それならその手首は誰のものなのかという新たな謎が残ってしまいました。

そのようなある日、雨漏りのする長屋で暮らしている盲目の市が、時々暗闇が怖くなると佐武に言いました。みどりさんが池田抱庵はどんな病でも治すことができるすごい医者だと言っていたことを思い出した佐武は、市を抱庵の診療所に連れて行き、市の目を治してほしいと頼みました。市の盲目が小さい頃馬に蹴られた事故による後天的なものだと知った抱庵は、医学書を調べて、目の手術をすれば治ると言いました。佐武は怖がる市を説得して抱庵に預け、市も抱庵による目の手術を受けることに決めました。

家老で元献上氷役の松岡清右エ門(寺田農さん)の庇護の下、御典医になるために医師としての経験を積み重ねていた抱庵は、ある日、新しい献上氷役の如月源之介(野杁俊希さん)を紹介されました。当時は炎天下の中富士山から氷を運んで来るのは大変なことで、運ぶ係の人が江戸に着いた頃には一口大になっているか、完全に水になってなくなっているかだったようなのですが、家老の松岡さんの自宅の地下には洞窟が掘られていて、その奥に蔵があり、たくさんの大きな氷が集められていました。如月さんは、出世をするため、松岡さんの勧めでその蔵の氷を遠く駿河から運んできたように見せかけて献上し、運び役を口封じとして殺してしまいました。

佐武から研究熱心な抱庵の話を聞いた小吉さんは、患者のためではなく自分の研究のために治療を行う医者もいると話していたのですが、市の目の手術は無事に成功したようでした。市のお見舞いに来た佐武に抱庵は、20日間光を見なければ目が見えるようになるが、その前に光を見れば二度と目が見えるようにはならないと話しました。安静のために横になっている市の目には布に包まれた氷が当てられていて、真夏なのにと佐武は驚いていたのですが、治療に氷を使う抱庵は、その診療所を松岡さんの邸宅の敷地の中に構えていたようでした。市のお見舞いに行った帰り、その庭で簪を見つけた佐武は、その簪が薬種問屋の娘の簪によく似ていることに気付き、佐平治親分に報告しました。佐平治親分から捜査は慎重に行うようにと言われた佐武は、市が気付かないといいがと心配していました。

その頃、入院中の市は、若い女性の悲鳴を聴いて、診療所内を歩き始めていました。抱庵の顔には大きな痣があったのですが、抱庵はその顔のために薬種問屋の娘に好かれていないと感じ、娘を誘拐して松岡さんの屋敷の地下牢に閉じ込めていたのでした。抱庵は、怯える娘を牢から出し、氷の蔵の奥の部屋に連れて行ったのですが、その冷たい部屋にはたくさんの女性の死体が放置されていました。抱庵は、研究のためとして、自分の顔を見て笑った人を切り刻んでいたようでした。女性の叫び声を聴いて、その部屋にたどり着いた市は、娘を逃がすため、抱庵や松岡さんの部下たちと戦いながら屋敷の庭へ出ました。そこへ佐武も駆け付けて娘を逃がし、二人で屋敷の護衛係たちや如月さんと戦いました。戦いの最中眼帯を切り落とされた抱庵は、目を開けて一瞬眩しい光を見てしまいました。そして、暗闇の中、斬りかかってきた抱庵を倒しました。抱庵は死ぬ間際にも顔を見るなと気にしていました。氷を隠し抱庵の殺人を容認していた松岡さんは、切腹を言い渡されお家断絶になったということでした。

このような2本立ての物語だったのですが、「椋鳥」も「氷の朔日」も、どちらも良かったです。面白かったです。下っ引きの佐武と盲目の市の人情時代劇としても良かったですし、ミステリーとしても良かったです。人情時代劇なのかもしれないのですが、“人情”的過ぎず、そのようなところも良いのだと思います。

「椋鳥」の脚本は寺田敏雄さん、「氷の朔日」の脚本は深沢正樹さんでした。音楽は奥山まさしさん、監督は雨宮望さんでした。ナレーターは池田昌子さんでした。

「椋鳥」は出稼ぎ労働者の悲しい話で、「氷の朔日」は市の盲目が治るかもしれないという話でもあったのですが、手術後20日以内に光を見てしまったために二度と目が見えるようにはならないという結果になった市が、見たいものが見えるよりも、見たくないものを見ないで済むほうが自分には合っていると佐武に話していた場面も良かったです。

前半の「椋鳥」を見ている時、流れて来た歌詞のない音楽を聴いて、「あいたい」に似ている曲だなと思っていたのですが、エンディングで流れていた主題歌は、林部智史さんの「あいたい」でした。意外と、と言ってはいけないのかもしれないのですが、今回の時代劇によく合っていたような気がします。

予告編も見ておらず、ただ第2弾が放送されるというのを知って楽しみに、内容をよく知らないまま放送を見たのですが、今回の「佐分と市捕物控」も面白くて、良かったです。
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