「池上彰が選んだ2016年 決定的瞬間!」と、曜変天目茶碗

昨夜、TBSの「池上彰が選んだ2016年 決定的瞬間!~教えてもらう前と後~」という番組を見ました。

今年を象徴するような出来事を表す写真や映像の背景にあるものを池上彰さんの視点で読み解くという番組でした。夜7時から放送されていて、私は最初のほうは録画をしておいたものを後で見たのですが、良かったです。編集されて短くなっている部分も多かったのかもしれないとも思うのですが、面白かったです。

政治家の嘘と特権階級の優遇に憤る韓国の国民の朴槿恵大統領退陣デモの問題、2000年も前からの中東の争いの歴史と欧米とロシアの代理戦争の被害に遭い続けている市民の難民化の問題、オリンピックの政治利用の問題、安倍内閣(第3次安倍第2次改造内閣)の22人の閣僚(国会議員)の内の21人が神道政治連盟国会議員懇談会に所属し1人が創価学会に所属しているという政治と宗教の問題、アメリカの属国かと思えるほど言いなりになっているような日本の危機管理の問題などについて、池上彰さんが解説をしていました。

今年の女性リーダーの活躍と頭の黒いネズミについて滝川クリステルさんが小池百合子東京都知事にインタビューをするというコーナーもありました。先日のNHKの「クローズアップ現代+」のスペシャルでも小池百合子さんに池上さんが訊く場面がありましたが、小池さんが池上さんに突っ込まれても(石原元都知事や菅官房長官や安倍首相のようにすぐにキレたりせずに)落ち着いて面白く答えることができるところはすごいなと思います。

最後は、11月にオックスフォード英語辞書が発表した「2016年今年の世界の言葉」の「post-truth」の話でした。11月の頃は「ポスト真実」と訳されて報道されていることが多いように思いましたが、今は「ポストトゥルース」とそのままカタカナで言われることが多くなっていて、昨夜の番組でもそのように言っていました。「ポスト真実」は、客観的な事実や真実より嘘でも感情的な訴えかけの方が世論形成に大きく影響する状況を示す形容詞というような意味の言葉なのだそうです。

情報に接した一人一人が嘘を見抜く力を持たなければいけないというようなことを、最後に池上さんが言っていて、そうだなと思いました。

昨日の報道によると、沖縄の宜野湾市の米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画をめぐって、仲井真前沖縄県知事の埋め立ての承認を取り消した翁長現沖縄県知事を国が訴えた訴訟の上告審判決で、最高裁判所は沖縄県側の上告を退け、沖縄県側の敗訴としたそうです。

昨夜の「クローズアップ現代+」や「時論公論」ではこの沖縄の敗訴のことや13日に起きた米軍のオスプレイの墜落事故(最初の頃日本政府や大手メディアは「不時着」と言っていましたが、今は「大破」とも言われています。海兵隊員の方は無事だったそうで、その点は良かったと思います)について特集していました。その中でも少しだけ紹介されていたのですが、ニコルソンさんという在日米軍のトップの方の言葉を聞いて、日本維新の会の松井一郎代表が「土人」と発言した大阪府警の機動隊員の働きを労った時のものと似ているなと、何となく思いました。そのそも、ニコルソンさんの説明によるなら、オスプレイでの空中給油の練習は、最初から海の上で行われていたのではなかったということなのでしょうか。海の上ではなく、民家の上で行われていたということなのでしょうか。

2004年に沖縄国際大学に米軍のヘリコプターが落ちた時と同じように、今回も日米地位協定のために日本が直接大破したオスプレイの調査を行うことはできないそうで、日本政府が米軍による説明をそのまま認めたこともあり、19日にはオスプレイの飛行が再開しました。政府が沖縄県の人たちの気持ちに寄り添っているようには見えません。東村高江の6か所のヘリパッドが完成したことを受けて、北部訓練場が日本に返還されるそうですが、普天間基地や北部訓練場を返還する代わりにヘリパッドを造るとか辺野古基地を造るとか、どうして必ず条件付きになるのでしょうか。無条件で米軍基地の場所が自国に返還されることを日本政府が認めないのはどうしてなのでしょうか。

辺野古に基地の建設を認めることになる場合、翁長知事は珊瑚礁破壊の許可も出すことになるのだそうです。珊瑚礁の破壊とは、辛いことだろうなと思います。

ロシアの大統領のプーチンさんを11年ぶりに日本に招いて、北方領土の返還や帰属については何も言わず、シリアのアレッポを空爆しているロシアと経済活動の協力の検討を約束するとか、東京オリンピックの競技場を森会長の考え通りのものに決めるためにわざわざ国際オリンピック委員会の人を呼ぶとか、ギャンブル依存症対策の話し合いよりも前に急いでカジノ法(「統合型リゾート整備推進法」)を可決させるとか、今上天皇陛下の退位(譲位)について話し合う官邸主催の有識者会議(「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」)に天皇陛下のことをおかしいという人を入れてその結論として皇室典範改正ではなく特例法で対処することにしたとか、今の政権の卑怯さは直らないのかもしれないけれど、在日米軍基地から飛んでくるオスプレイの危険性を訴える人たち、特に沖縄の人たちが安倍政権の人たちやその支持者の人たちから悪く言われるというのは、間違っていることであるように思います。

それに、不思議に思います。沖縄も東京や京都や北海道や福岡などと同じ日本なのに、どうして政府は沖縄を訴えるのでしょうか。どうして日本政府は沖縄ではなくてアメリカのほうを優先するのでしょうか。沖縄の基地について、軍事的には沖縄ではなくてもいいけれど、政治的には沖縄でなければいけないという具体的な理由も、いまいちよく分かりません。本土決戦を防ぐための最後の砦になった沖縄県の方も、東日本大震災の時の東京電力福島第一原子力発電所の爆発事故のために家を捨てて避難をしなければならなくなった福島県の方も被災者なのに、どうしてそのことに関連した出来事の中で悪く言われることがあるのでしょうか。

また、政府は福井県の高速増殖炉「もんじゅ」を廃炉にするという決定をした一方、新しい高速増殖炉を開発する計画を立てているそうです。新しい開発計画を立てている会の人たちは、「もんじゅ」を推進していた人たちなのだそうです。東日本大震災からまだ5年が過ぎただけなのに、政府の主導で原子力発電所が各地で再稼働し続ける中、同じようなことがまた繰り返されていくのかもしれません。

昨日の報道で、ドイツのベルリンのクリスマスマーケットにトラックが突っ込んで12人が死亡し49人が負傷したというテロ事件があったことを知りました。過激派組織の「IS」が犯行声明を出しているのだそうです。今年の夏のフランスのニースの花火大会の夜のトラックテロ事件のことを思い出しました。報道によると、犯人は「難民」だということですが、それは、難民に成り済ました人、ということなのではないかなと思います。

19日にはスイスでもテロ事件があったそうですし、昨日にはまたトルコの警察官が「シリアを忘れるな、アレッポを忘れるな」と叫んでロシア大使を暗殺する事件があったそうです。テロ事件とか殺傷事件とか、残酷で暗いニュースが多いのですが、欧米で起きているテロ事件と、長年の中東の戦争と、日本政府が在日米軍のための辺野古基地や高江のヘリパッドを造ることは、つながっているのだと思います。

神奈川県の相模原市の「津久井やまゆり園」の障害者殺傷事件のこともまだ忘れることはできないけれど、ジャーナリストの後藤健二さんが昨年「IS」に殺されたという件は、今はどうなっているのでしょうか。私は分からないままなのですが、ジャーナリストの方やメディアの方は今も調査を続けているのでしょうか。

日本は法治国家だけれど、本当に法治国家なのかなと思う時もあります。政府が自分たちに都合の良い時だけ、日本は法治国家ですから、と言っているようにも聞こえてしまいます。「戦後レジームからの脱却」というキャッチコピーを掲げて現憲法を軽んじて変えようとしている安倍政権の「積極的平和主義」というものや軍需産業の推進では、世の中は良くなっていかないような気がします。今は支持率が(なぜか)高いそうですから、選挙が行われたとしても、2020年過ぎまで“安倍内閣”が続くことはあるのかもしれませんが、メディアも政府に対して弱いですし、私にはどうも不穏な感じがしてしまいます。


ところで、これは池上彰さんの番組とは全く関係のないことなのですが、その番組の後の昨夜の9時から、私はフジテレビのクリスマススペシャルドラマ「わたしに運命の恋なんてありえないって思ってた」は録画をしておくことにして、テレビ東京の「開運!なんでも鑑定団」を見ることにしたのですが、その番組の最後に「曜変天目茶碗」が鑑定されていました。

持ち主の徳島のラーメン屋さんの方の曾祖父の方は骨董好きの腕利きの大工さんで、鑑定品の天目茶碗は、明治時代に戦国武将の三好長慶の子孫の方が暮らしていた武家屋敷の移築を請け負った際に購入した骨董品の中の一つだということでした。そのほとんどは昭和20年7月の徳島大空襲で焼失してしまったそうなのですが、その天目茶碗は山奥の資材置き場に置いてあったために無事だったのだそうです。三好長慶の家紋の箱には一緒に家系図?も入っていたそうです。

そして、鑑定の結果、その天目茶碗は本物だということでした。鑑定金額は2500万円で、番組史上最高額だそうです(私は本物なら何億円かになるのではないかと思っていたのですが、なぜかそこまでにはなりませんでした)。国内には3点の曜変天目茶碗が現存し、その全てが国宝に指定されているのですが、その天目茶碗は4点目の曜変天目茶碗ということでした。

これまでの曜変天目茶碗の輝く感じとは異なっていましたが、お茶碗の外側と内側の漆黒の背景に浮かび上がる銀色や青色の、細やかな青白い色彩に幽玄の趣があって、狐火のような雰囲気にも思えて、幻想的できれいでした。私が知らないだけで、このような曜変天目茶碗もあるのかもしれないと思いました。

鑑定士の中島誠之助さんによると、福建省の窯で作られたものなのだそうです。もしも織田信長や豊臣秀吉や徳川家康が持っていたということになったなら、国宝に指定されただろうとも話していました。今からでは国宝には指定されないのでしょうか。鑑定結果を聞いた持ち主の方が驚いて固まっていたのも印象的でした。

曜変天目茶碗は陶芸家の方が再現をするのもとても難しいものだそうです(以前にNHKのEテレの「ETV特集」の「曜変~陶工・魔性の輝きに挑む~」で伝えられていました)。とても貴重なものなのだと思いますし、本当に本物なら博物館などに預けておいたほうが安全のような気もしたのですが、ともかく、4点目の曜変天目茶碗が発見されるとは、すごいです。テレビの前の私にはその真贋を見極めることはできないのですが、この番組に持ち込まれるような、ある重要な品物が戦禍をくぐり抜けて現存しているということも、持ち主の方が大切に保管しているということもすごいですし、長寿番組の「鑑定団」もすごいなと思いました。

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ここからは2017年の2月11日の追記です。

先月頃、この「なんでも鑑定団」の番組の中で国宝級の本物だと鑑定された「曜変天目茶碗」が、偽物なのではないかと疑われる騒動がありました。昨年の番組をテレビの前で見ていた私には、これまでの曜変天目茶碗とは少し違うけれどこれはこれできれいなお茶碗だな、4点目の曜変手目茶碗が見つかるとはすごいなと単純に思えていたので、その後、曜変天目茶碗の専門家が贋作かもしれないと疑問を持っているという話題を知った時には、驚きましたし、少し残念にも思えていました。

そして先日には、所有者が暮らしている徳島県の教育委員会が、文化財指定に向けた調査を所有者からの申し出を受けて取りやめていたという報道がありました。所有者の方は、最初は調査に協力しようとしていたそうなのですが、鑑定結果を疑う声が相次いだため、調査の中止を申し入れたということのようでした。

番組の一視聴者(毎回を少しも欠かさずに見ているというわけではないのですが)の私としては、この「なんでも鑑定団」という長寿番組の信用のためにも、鑑定士の中島さんの名誉のためにも、所有者の方ご自身のためにも、文化財調査は行われたほうが良いように思います。番組の最後のコーナーに登場しても、偽物だとかお土産品だとかの鑑定結果が出ることは頻繁にありますし、もしも本物ではなかったとしても、客観的には高価なものではなかったという、それだけのことです。誰かがこの「鑑定団」の番組を終了させようとしているというのならともかく、これからも存続させる予定があるのなら、わざと嘘の鑑定結果を出す理由もないように思えますし、調査の結果本物ではなかったとなることよりも、ずっと疑われ続けることのほうが、不幸なことであるように思えます。美術品の真贋を知らない所有者の方は少しも悪くないのですし、番組としても文化財調査に協力して、誠実に結果を公表してほしく思います。
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