映画「ベイマックス」

今日は、クリスマスの日です。クリスマスとは関係のないことなのですが、金曜日の夜、日本テレビの「金曜ロードSHOW!」の枠で地上波初放送されていた映画「ベイマックス」を見ました。

2014年に公開されていたディズニー制作の映画です。放送されると知って、私も見るのを楽しみにしていました。

物語の舞台は、「サンフランソウキョウ」という東京とサンフランシスコを合わせたような名前の、日本の雰囲気が詰め込まれたような街で、主人公は、その街でカフェを経営する叔母のキャス(声・菅野美穂さん)と三毛猫のモチと工科大学に通う兄のタダシ(声・小泉孝太郎さん)と暮らしていた14歳のヒロ・ハマダ(声・本城雄太郎さん)です。天才的な科学少年のヒロは、13歳で高校を卒業後、大学へ進学せず、“マイクロボット”を使った小さなロボットを作って違法なロボットファイトに興じていたのですが、タダシさんに連れて行かれた大学で、ゴー・ゴー(声・浅野真澄さん)やワサビ(声・武田幸史さん)、ハニー・レモン(山根舞さん)、正式な大学生ではないけれど通っているフレッド(声・新田英人さん)といった兄の友人たちの研究を目の当たりにし、さらにマイクロボットの原理を考え出したというロボット工学の第一人者のロバート・キャラハン教授(金田明夫さん)に出会い、大学入学のための試験を受けることにしました。

独創的な研究が求められる試験で、ヒロは、兄たちの協力を得て、大量の黒色の小さなマイクロボットを頭に装着した機械で脳の神経をコントロールしながらイメージした形に集合させるという発表を行い、ヒロの研究発表はキャラハン教授に認められました。会場に来ていた技術開発会社「クレイテック」のアリステア・クレイ(森田順平さん)に商品化を勧められたのですが、それをヒロははっきりと断りました。しかし、その夜、大学から火の手が上がり、ヒロが心配する中、構内にいるキャラハン教授を助けに向かった兄のタダシが、その直後謎の大爆発に巻き込まれて亡くなってしまいました。

ヒロは、兄を失ったショックで無気力になっていたのですが、ある日、怪我をして「痛い」と言うと、兄の部屋の奥から、兄が開発していたロボットのベイマックスが現れました。神社の鈴のような顔の、白くて丸い風船のようなマシュマロのようなケアロボットのベイマックスは、ヒロの心の痛みを治そうとヒロに寄り添っていたのですが、その時部屋の中にどこかへ行きたそうにしている1個のマイクロボットを見つけました。

ヒロを安心させるため、マイクロボットの指す方向を辿って一人で街へ出かけていったベイマックスと、慌ててベイマックスを追いかけたヒロは、入り口に鍵のかかったある倉庫の前に着きました。2階の窓から何とか倉庫内に潜入したヒロとベイマックスがそこで見たものは、ヒロの開発したマイクロボットが何者かによって増産されている現場でした。それを見たヒロとベイマックスは、歌舞伎のような仮面を着けた黒ずくめの男が操るマイクロボットの集合体に襲われて逃げ出し、次にその倉庫へ行った時には、そこは空になっていました。

真相を探るため、兄のタダシによる癒しのデータしか入っていないベイマックスに空手家だった祖父のデータを加え、3Dプリンターで作った鎧の装備をベイマックスに着けて、1個のマイクロボットが指し示す場所へ向かいました。ヒロとベイマックスが辿り着いたのは、港でした。マイクロボットは海へ向かって飛んで行き、そこに仮面の男がマイクロボットの塊と共に現れ、再びヒロとベイマックスを襲ってきました。

ヒロとベイマックスは、ベイマックスが落ち込んでいるヒロを助けるために勝手に連絡した兄の友人たちに助けられました。実はお金持ちの家のお坊ちゃんだったヒーロー好きのフレッドのお屋敷で、マイクロボットを盗むためにクレイが大学に放火をしたのではないかと考えたヒロは、それぞれ独自の開発品を持つみんなと作戦を考え、ベイマックスの戦闘用の装備の仕様もバージョンアップさせました。

ベイマックスは街を上空からスキャンしてクレイの居場所を探し、フレッドの執事のヒースクリフに練習台になってもらいながら訓練を重ねた5人とベイマックスは、そうしてクレイのいる孤島の施設へ向かい、タダシとキャラハン教授が亡くなった大学の爆発事故の真相とその裏に隠されていた別の大事故のことを知ることになるのでした。

脚本はロバート・L.ベアードさんとダニエル・ガーソンさん、監督はドン・ホールさんとクリス・ウィリアムズさん、製作総指揮はジョン・ラセターさんという作品です。

以前にNHKで見た「ベイマックス」の制作ドキュメントの特集で、ディズニーの作品は物語の構成や脚本を何人かのスタッフで話し合ってみんなに良いと思ってもらえるものを考えるというようなことが言われていたように思います。それを聞いた時には、私は、すごいなと思うと同時に、それだと無難で平均的な作風になってしまうのではないかなとも思えたのですが、そのような部分が多少あったのだとしても、今回見た「ベイマックス」は面白かったですし、とても良かったです。

私はどちらかというとコンピューターグラフィックスのアニメーションの絵が苦手なほうというか、見初めの頃にはいつも多少違和感があるので、今回の映画でも最初はそうだったのですが、いつもよりはすぐに見慣れることができたような気がします。人物の髪の動きなども繊細に作られていて、色もきれいで、たどたどしく歩くロボットのベイマックスもとてもかわいらしかったです。

クレイの会社が開発した瞬間移動装置のパイロットを務めて事故に巻き込まれていたキャラハン教授の娘のアビゲイルを助けに向かったヒロとベイマックスなのですが、無重力の亜空間の中に漂うカプセルを押していたベイマックスのロケットの装備がビルなどの残骸にぶつかって壊れてしまい、ロケットアームだけが残されている状況を理解したベイマックスは「ベイマックス、もう大丈夫だよ」というヒロからケアロボットを引き離す言葉をヒロに言うように勧めました。ヒロは、アビゲイルの眠るカプセルを無事に装置の外に出すため、その言葉を使い、ベイマックスと別れました。ベイマックスは、ロケットアームを飛ばしてヒロとアビゲイルを装置の外に押し出し、自身は亜空間の奥へ消えていきました。

生きていたアビゲイルは救急車に乗せられ、外で待っていた兄の友人たちと再会したヒロは、後日、正式に手続きをして大学へ進学し、兄の研究室だった部屋にベイマックスのアームを飾っていたのですが、その時、アームがタダシ・ハマダと名前の書かれたデータカードを握っていたことに気付きました。ベイマックス自身が最後に外していたのでしょうか。

ベイマックスと別れて再び兄を失ったようになっていたヒロは、兄の思いが込められているそのデータを使ってベイマックスを再現することに成功し、兄が作ったケアロボットのベイマックスと再会することができたのでした。

ベイマックスと別れるという結末になったら悲し過ぎると思いながら見ていたので、兄のカードが残されていたという展開にはほっとしましたし、とても嬉しく思いました。記憶がデータとして残るという、ロボットの良いところが表現されていたようにも思いました。いつかは人間の記憶や個性もデータ化されて遺される日が来るのかもしれません。

最後は、長い間父親に会えない寂しさを感じていたフレッドが、父親との再会を喜ぶ場面で終わっていました。どうしてこの場面が最後なのだろうという感じはしたのですが、ともかく、会えて良かったです。フレッドがヒーローに憧れていたのは父親譲りだったようでした。

今回の映画「ベイマックス」は「ノーカット放送」とは言われていなかったので、もしかしたら短く編集されていた部分もあったのかもしれないのですが、私も最後までとても面白く見ることができました。

街路樹の桜とか、電車とか、高速道路とか、高層ビルとか、看板とか、神社の鳥居とか、招き猫とか、お団子屋さんとか、街に日本の要素が入っているというのも、パラレルワールドの日本のようで楽しかったですし、恋愛要素が少しもなく、兄弟愛と友情の物語として一貫していたのも、私には見やすく思えて、とても良かったです。

ベイマックスとヒロがフグの形のアドバルーン?の上で夕日を眺める場面も良かったです。大切な人を突然失った悲しみをどう乗り越えるかということが物語のテーマになっていたのかもしれないと思うのですが、優しい兄のタダシさんが作ったケアロボットと暮らすことになったヒロは、兄の友人たちを信頼することもできるようになり、“復讐心”ではない方向へ、悲しみの気持ちを切り替えることができていました。

映画の原案は、『ビッグ・ヒーロー・シックス』というアメリカのマーベルコミックの漫画作品だそうです。漫画と映画とでは設定がいろいろ異なっているそうなのですが、映画「ベイマックス」のヒロたち6人(5人とロボット)が謎の敵と戦う活躍の物語は、「ガッチャマン」や「ゴレンジャー」のような“戦隊ヒーローもの”でもあったのだと思います。

癒す力を持つベイマックスは、トトロのようでもあり、ドラえもんのようでもあり、アトムのようでもました。学生たちが自分たちの専門の科学技術を駆使して戦うというところも面白かったです。仮面の男に追い詰められた4人に、ヒロは「見方を変えればいいのだ」ということを提案して乗り切っていましたが、それは大切な兄を亡くしたショックが残るヒロ自身にも通じる言葉だったのかなと思いました。

自身が開発したマイクロボットを“敵”に奪われて攻撃されていたヒロが、それと戦うためにマイクロボットや神経コントロール装置を改めて開発しなかったということにも、何か意味があったのでしょうか。同じマイクロボットで対決せずに、仲間たちと別の方法を模索して解決していたというところも、良かったのかもしれないなと思います。

充電の量が減ってくると酔っ払いの人のようになるベイマックスの場面も面白かったですし、映画「ベイマックス」は、番組の解説によると「冒険ファンタジー映画」ということですが、最後まで優しいロボット映画になっていて、とても良かったです。
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Author:カンナ
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