「瀬戸内寂聴×池上彰~日本の現在と未来を語る~」

昨夜、「新春ビッグ対談 瀬戸内寂聴×池上彰~日本の現在(いま)と未来を語る~」という番組がBSフジで放送されていました。

ジャーナリストの池上彰さんと小説家で僧侶の94歳の瀬戸内寂聴さんが、今の政治やいじめ自殺や少子高齢化といった社会問題や仏教界などについて対談をする番組でした。テレビ初対談ということで、ほぼノーカットの放送だったようです。夜6時からの約2時間の放送だったので、(TBSの「プレバト!!」の新春スペシャルの放送があったこともあり)録画をしておいたものを後で見たのですが、最後まで楽しくお二人の対談を聴くことができました。

自分さえ良ければいい、という考え方が各国の政治家や個人に現れていることについて、寂聴さんは、人間とはそのようなものだと言う一方で、クラスの子がいじめられているのを自分がいじめられたら困るからと見て見ぬふりをするような子供たちが大きくなったらどのような大人になるのだろうという心配もしていました。

キリスト教のクリスマスは人気があるのにお釈迦様のお誕生日をお祝いする花祭り(灌仏会)が日本の中で廃れたのは明治維新の頃の廃仏毀釈に原因の一端があるとか、お坊さんはやはり結婚してはいけないと思うという意見も、面白く思いました。

最近の人は本を読まないから読解力が弱くなっているのではないかとか、死は怖くないけれど認知症にはなりたくないとか、そのようなことは私にも分かるような気はしたのですが、お年寄りは若い人に迷惑をかけてはいけないという意見は、94歳の寂聴さんが言う分には良いと思うのですが、そのような考え方はあまり良くないようにも思えました。今のお年寄りの人たちがこれまでの日本の世の中を支えてきたのに、お年寄りになったら若い人に迷惑と思われるとか、やはり何か間違っているような気がします。

日本の少子高齢化の原因は、「若い人が“恋愛”をしなくなっているから」ではないような気もします。それに、これは素朴な疑問なのですが、大人たちはどうしてそれほど人間を増やしたいのでしょうか。社会運営のためでしょうか。税収のためでしょうか。日本の国土を日本人に守らせるためでしょうか。毎年ある程度0歳児は生まれているそうですし、子供を生みたいと思っている人が生むことができて、生まれた子供たちが死なずにそれなりに楽しく生きていくことができるなら、それでいいような気もします。自然の流れで減っているのかもしれないですし、自然の流れなら、人間も、絶滅する前に、何年かの間に増えたり減ったりしているのかなとも思います。

世代によって理解できない日本語があるという話もしていたのですが、私が近年何か変だなと気になる日本語に、ゲームのCMなどでよく聞く「もらえる」という言い方があります。入会すると特典があるとか、そのような意味で使われているのだと思うのですが、以前なら「応募者全員大サービス」(例えば私が読んでいた頃の『りぼん』や『なかよし』ではそのような企画がありました)とか「プレゼントを差し上げます」というような言い方になっていたものが、最近は「もらえる」という言い方で言われていて、その言葉を聞いた視聴者や利用者がそのまま直接的に自分の側の言葉として受け取ることができるものでもあるのかもしれないのですが、「もらえる」とCMでその会社の側から言われるのを聞く度に、私は何となく嫌な言い方だなと思えてしまいます。

世界中の全員が幸せになることが本当の幸せだと寂聴さんが話しているのを聞いて、宮澤賢治の「ほんとうの幸(さいわい)」のようだなとも思ったのですが、でも、例えば学校の同じクラスの約30人の同級生さえ、一緒に幸せになることはできないのに、世界中の全員が同時に幸せになってその状態を長く持続させるというのは、難しいことであるように思いました。

何が幸せなのかということは個人によって異なるので、「幸せ」の概念を定義することも難しそうに思えますし、そのような「幸せ」を得た場合にそれを持続させることも難しそうに思えます。家族の、学校の、町内の、国内の、世界中のみんなが同時に幸せになるためには、一体どうすれば良いのでしょうか。それは実現可能なのでしょうか。そして、世の中の全員が、全員で幸せになることを本当に望んでいるのでしょうか。

昨夜の10時からのNHKの「クローズアップ現代+」は、「オイ鬼太郎!ワシの幸福論を聞いてくれ ~未公開 水木しげるの日記~」という特集で、本棚の奥から発見されたという水木さんの1960年代からの30年分の日記の一部が紹介されていて、とても面白かったのですが(ナレーションは鬼太郎の声の野沢雅子さんでした)、その日記の中に残されていた「結局人間は幸福になる方法を知らない」という言葉を聞いて、本当にそうなのかもしれないなと思いました。

個人では幸せに生きている方、幸せに生きて亡くなった方はいると思いますが、人類全体としては、ある国で多少文明が進んでも、全員が幸せになるという方法を作り出すことは、今の(私も含めた)人間たちには簡単なことではないのだろうなと思います。

寂聴さんと池上さんの対談が特別深い内容のものになっていたかどうかはともかく、比較的自由そうな対談を新春に聴くことができて、楽しく思いました。
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Author:カンナ
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