「相棒season15」第14話

テレビ朝日のドラマ「相棒season15」の第14話「声なき者~突入」を見ました。二週連続の前後編スペシャルの後編です。

前回の続きの冒頭では、警視庁特命係の杉下右京(水谷豊さん)と神戸尊(及川光博さん)が久しぶりの再会を果たしていました。

神戸さんが右京さんに話していたことによると、吉井聡美(及川莉乃さん)の母親が大河内監察官(神保悟志さん)の高校時代の恩師で、その母親から娘が行方不明という相談を受けた大河内さんが神戸さんに個人的に聡美さんの捜索を依頼したということでした。待ち合わせ場所に来なかった聡美さんが駅のホームから転落して死亡したことを知ったという神戸さんは、警察は事故と判断したものの自殺の疑いもあると右京さんに話していました。夫に付き添われて病院に通っていたという聡美さんは、3か月前に小さな息子を連れて行方不明になり、その半年後に転落死したということでした。

一方、誰もいなくなった新堂家の郵便ポストから法務省の封筒を持ち出していた冠城亘(反町隆史さん)は、小学生の妹の明里さんを連れて町工場に立てこもっていると思われる高校生の新堂司(田中偉登さん)の家族について調べていました。封筒に入っていたのは、司さんと明里さんの父親の新堂誠(永野典勝さん)の保険証から妻と二人の子供を抜くために必要な書類でした。

父親の誠さんは法務省矯正局に勤めている人で、「健全な家庭を守る会」という、前時代の家父長制を良いものとし、夫からの暴力を訴えて子供を連れて家を出ていく母親は本当は浮気をしていたり遊びに出たいだけの身勝手な母親だと決めつけるような、女性蔑視の思想を持つ団体の会員でもあったのですが、警視庁組織犯罪対策部5課の角田課長(山西惇さん)によると、その団体には政治家や省庁の重役も多く加入していて、警察庁長官官房総務課長の山崎(菅原大吉さん)もその一人だということでした。右京さんと冠城さんは、吉井聡美さんも司さんの母親の新堂亮子さんも、夫の家庭内暴力(DV)から逃げていたのではないかと推理しました。

後頭部の怪我で入院中の真渕(三浦英さん)のパソコンを調べた鑑識課の米沢守(六角精児さん)は、クラウドソーシングの会社から仕事の依頼を受けた形跡は見つからなかったということを右京さんに報告しました。社長の水野浩介(迫田孝也さん)は痕跡を残すことができないような仕事を真渕に依頼していたのではないかと考えた右京さんと冠城さんは、夫の元から逃げた妻と子供の捜索が行われている会員制のサイトがあることを知り、司さんの立てこもりの理由を理解しました。

その頃、司さんは、報道で立てこもり犯は真渕さんではないと知った水野さんから、司さんの持つ真渕さんのスマートフォンに送られた、人質になった母親の亮子(仁藤優子さん)の写真で脅迫されていました。水野さんの命令で真渕さんのスマートフォンを壊した司さんは、電話を切った後は自分のスマートフォンも壊して自殺をするよう指示され、その後言われた通りにスマートフォンを壊し、自殺をしようとしました。

しかし、その時、町工場の固定電話に病院から電話がかかってきました。その家の八重さん(片桐夕子さん)は、入院中の夫に関する電話かもしれないと司さんに頼み、司さんは電話を取って八重さんに渡したのですが、受話器の向こうにいたのは右京さんでした。暴力を振るう父親から母親と妹を守りたいという司さんの事情を理解していた右京さんは、そのことを司さんに話し、僕は3人とも助けたいと思っている、信じてほしいと頼みました。そして、司さんは、妹の明里さんと八重さんを家の外に出しました。

警察に知り合いがいると水野さんが司さんに言っていたのは、司さんの父親の新堂誠さんが警察庁の長官官房総務課の山崎課長と知り合いだという意味でした。水野さんから連絡を受けた誠さんは、息子よりも自分の立場を守るため、山崎さんに相談に行きました。山崎さんは、今回の立てこもり事件が大きくなって「健全な家庭を守る会」にも責任が及ぶかもしれないことを恐れました。捜査本部では、立てこもり犯が未成年と知った内村刑事部長(片桐竜次さん)と中園参事官(小野了さん)が、時間をかけて説得をしようと考えていたのですが、捜査本部に来た山崎さんは、立てこもり犯の射殺命令を出しました。

角田課長は、ホワイトボードを見て、「CARS」の水野浩介が黒龍会の一人だったことを思い出しました。組対5課の大木長十郎(志水正義さん)と小松真琴(久保田龍吉さん)と会社へ向かった右京さんは、拉致した新堂亮子さんの居場所を教えるよう水野さんに言いました。会社の下に到着した冠城さんが紙を振るのを見て令状が到着したと言う右京さんに、水野さんは居場所を書いたメモを渡したのですが、冠城さんが持っていたのは令状ではなく、亮子さんの部屋のポストに届いていた書類の紙でした。

大木さんと小松さんが水野さんを捕まえている間、右京さんは冠城さんと現場に向かい、水野さんの部下たちを倒して、捕らえられていた亮子さんを救出しました。水野さんが捕まったことを知った山崎さんは射殺命令を取り消したようで、玄関を出て大人しく投降してきた司さんを、外で待機していた捜査一課の刑事の伊丹憲一(川原和久さん)や芹沢慶二(山中崇史さん)たちが無事に確保しました。

亮子さんは、シェルターで知り合った聡美さんが息子をさらわれて暴力夫のいる家に戻らざるを得なくなったということを取調室で伊丹さんと芹沢さんに教え、信じてもらえないかもしれないけれど、自分が悪くなくても、お前が悪いと言われて暴力を受けているうちに、自分が悪いのだと思ってしまう、最後の聡美さんからの電話で、遠くへ行くと話していた聡美さんが自殺をすると思ったと話していました。

事件の顛末を右京さんや冠城さんに打ち明けた取調室の司さんは、母親と妹のことを心配し、八重さんにも申し訳ないことをしたと謝っていたのですが、母親と妹が無事であることを司さんに伝えた右京さんは、八重さんも司さんが罪に問われることを心配していたと話していました。そして、息子に会わせろとやって来た父親に、妻も子供もあなたの所有物などではない、意志と尊厳を持った一人の人間ですと教えていました。

その後、司さんが妹を連れ去ろうとした真渕さんの後頭部を打ったのは、正当防衛に当たるということになったようでした。特命係の部屋の右京さんと冠城さんは、「健全な家庭を守る会」が新堂誠を切り捨てたということを角田課長から聞いていたのですが、山崎さんとのつながりなどを証明することはできなくても、妹の明里さんが聡美さんの息子を誘拐する真渕さんを目撃していたという証言があれば真渕さんの罪を立証することができるだろうと考えていた右京さんは、明里さんの証言が山崎さんの判断で証拠として採用されないことになったという報告を受けました。父親の暴力を思い出してパニック障害を引き起こすという明里さんの精神状態を、山崎さんは強調したようでした。

右京さんが、廊下を歩いて来る山崎課長に、どうして警察官になったのかと訊くと、山崎課長は苛立ちながら、杉下さんこそ警察官の仕事をしてはどうかというようなことを捨て台詞のように言って、取り巻きたちと去って行きました。

最後は、立てこもり事件から一年後の、2017年の2月の冠城さんの場面に戻っていました。神戸さんや米沢さん以外に「劇場版IV」の物語に関わっているのは、警察庁長官官房総務課長の山崎さんのようで、半年後に山崎さんと特命係が対決することになるということでした。

脚本は太田愛さん、監督は橋本一さんでした。

前後編スペシャルの「声なき者」の後編は、事件関係者の複雑そうな人間関係を理解することでいっぱいだった前編とは異なり、テンポの良い急展開の社会派の物語になっていて、とても面白かったです。

右京さんの落ち着きや冷静さも良かったですし、「劇場版IV」の宣伝のための特別編として良かったのかどうかはよく分からない感じもするのですが、以前(小野田官房長のいた頃)にはあった右京さんの正義の暴走への流れが少し出てきたのかなという雰囲気もあったような気がします。

「声なき者」とは、その存在が国家権力を持つ者によって簡単に潰されてしまう社会的弱者のことだったのかなと思います。「健全な家庭を守る会」という政治家や官僚たちも会員になっている家父長制を重んじて女性蔑視の思想を持つ団体も、現実にある団体のように思えましたし、その団体の活動そのものが描かれていたというわけではないのですが、このドラマの中で描かれたことは良いことであるように思えました。

夫の家庭内暴力から逃げる妻や子供が救われず、母子家庭で生きていこうとしても女性の仕事の給料が男性の仕事の給料よりも低く設定され、暴力夫が妻や子供への傷害や暴行や殺人未遂の罪ですぐに逮捕されないのは、やはり、国会議員や省庁の役人の幹部の中に、(家父長制の復活を望み、妻や子供は男性である夫の所有物であるという女性蔑視の思想を持つような)妨害している人々がいるからということもあるのかもしれません。

夫(あるいは妻)から家庭内暴力を受けている人の中には、とりあえず家から逃げ出すことができた人の他に、逃げるのも怖くてまだ逃げ出すことができずにいる人もいるのだろうと思います。怪我をした妻に付き添って病院に来た夫が、親切な良い夫ではなく実は暴力を振るう悪い夫で、妻が医師に何か言うのを恐れて見張っているということもあるそうです。ストーカーになる人の多くが交際相手や配偶者(「元」も含む)と聞いたこともありますし、そのような人たちの執念深さを不気味に思います。被害者や社会的に弱い立場にいる人が早く救われる世の中になるといいなと思います。

そして、何と言っても、“二代目相棒”の神戸さんと鑑識の米沢さんの再登場は、やはり嬉しかったです。神戸さんも米沢さんも「相棒」シリーズにとって重要なキャラクターであることを改めて思いました。前回の大河内監察官も久しぶりの登場だったように思いますが、これまでのレギュラー登場人物の場面は、これからもバランス良く描かれていくといいなと思いました。

私としては、最後まで面白く見ることができた今回の「声なき者」は、今年の「元日スペシャル」の第10話「帰還」よりも、「元日スペシャル」だったように思えました。約1時間ずつの前後編として放送されましたが、夜8時からの放送枠があったなら、そのまま普通に2時間スペシャルとなった作品なのかもしれないなと思います。

予告によると、次回は通常の「相棒」に戻るようです。次回もまた楽しみにしていようと思います。
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