「嫌われる勇気」第5話

フジテレビのドラマ「嫌われる勇気」の第5話を見ました。

第5話は、庵堂蘭子(香里奈さん)が帝都大学の2年生で犯罪心理学の教授の大文字哲人(椎名桔平さん)のゼミに入った2005年の頃の場面から始まっていました。

2017年の警視庁捜査一課第8係の刑事の庵堂さんは、そのゼミのOB会に出席していました。その会には、今はお花屋さんを経営している霧島塔子(内山理名さん)と山岸美沙(中島亜梨沙さん)も出席していて、二人は元々は仲が良かったのですが、理工学部の山岸准教授(六角慎司さん)を巡って絶縁状態になったということでした。

その会の最中の夜7時頃、美沙さんの夫の山岸准教授が自身の研究室で殺害されているのが発見され、庵堂さんは、机の上には塔子さんの企画した「フラワーバレンタイン」のイベントのチラシが置かれているのを見つけました。庵堂さんは、刑事の浦部 義孝(丸山智己さん)の物取り説を肯定し、背中が数十か所刃物で刺されている「オーバーキル」の遺体を見た大文字教授は、被害者に恨みを持つ人物による犯行ではないかと推理しました。

犯行時刻は午後7時頃と思われていたのですが、研究室の部屋の温度が28度だったことから、実際には午後4時から6時頃の犯行と考えられるようになりました。片足が少し不自由な美沙さんの自宅を訪ねた庵堂さんは、テーブルの上に飾られている美沙さんが夫からもらったという花束が傷んでいるのや、研究室にはなかった夫婦の写真が飾られているのや、棚の上の小さなお地蔵様を見つけ、夫に愛されていたように振る舞う美沙さんが、3か月前に流産をしていたことを知りました。その原因は、夫の暴言によるストレスということでした。

庵堂さんは、被害者は二度殺されたのだと係長の半田陽介(升毅さん)に言い、令状を取って山岸家の家宅捜索を行いました。その捜索では何も発見されなかったのですが、美沙さんと塔子さんが通っていた小学校の先生に話を聞きに行った庵堂さんは、足が悪いことで一部の女子からいじめられるようになった美沙さんを助けた塔子さんが、美沙さんの足の怪我が塔子さんと遊んでいる時に起きた事故によるものだということに責任を感じているということを知りました。美沙さんの家のリビングの花束は、塔子さんが作ったものでした。

大文字さんの助手の間雁道子(飯豊まりえさん)は、大学の研究室の1階の搬入口に止まっている塔子さんの花屋のワゴン車を見て、事件当夜に止まっていた車だと思い出しました。青山年雄(加藤シゲアキさん)に通報しようとした道子さんは、大学の廊下で何者かに拉致されたのですが、その犯人は塔子さんでした。

道子さんは口封じのために塔子さんに殺されそうになったのですが、そこへ庵堂さんと青山さんが駆け付けました。美沙さんも来ていました。美沙さんは、リビングの花束に山岸准教授の血が付いているのを庵堂さんに見つけられ、部屋で夫を殺害したことを自供したようでした。美沙さんは、あの男が私の赤ちゃんを殺した、もう無理、許せない、同じ目に遭わせてやりたいと塔子さんに電話で話し、美沙さんからの協力の依頼を断ることができなかった塔子さんは、美沙さんが刺殺した山岸教授の遺体を大学の研究室まで搬送し、恨みのある人物による犯行、物取りの犯行であると見せかけるために、美沙さんが刺した山岸教授の背中をさらに数十回刺して、美沙さんの犯行を隠したようでした。

塔子さんは、美沙さんが庵堂さんたちに話したことを知って、美沙さんを助けたかったのだと話し始めたのですが、塔子さんが美沙さんに負い目を感じていることを理解している庵堂さんは、塔子さんは美沙さんを助けることで美沙さんから自分で立つ勇気を奪っていた、塔子さんは美沙さんを救いたかったのではなく、美沙さんを救うことによって自分が救われたかったのだ、塔子さんの目的は自分が許されることだったのだと伝えました。

教え子が逮捕されることになった大文字さんは、塔子さんと美沙さんに、何を与えられるかではなく与えられたものをどう使うかだ、自分を変えることができるのは自分自身だと話していました。

脚本は徳永友一さん、演出は星野和成さんでした。

今回は、「課題の分離」というアドラー心理学の教えがテーマになっていたようでした。ドラマの大文字さんによると、「課題の分離」とは、自分と他者の課題を分け、他者の課題に踏み込まないようにする、ということだそうです。

課題というのは、その人自身が解決しなければいけない問題というような意味なのだと思います。ドラマの大文字さんは、勉強をしなさいとしつこく言う親と勉強しない子供の関係性を例に出し、親は子供に援助をする用意はあるとだけ伝えておいて後は見守るようにするべきだと説明していました。

青山さんは、「課題の分離」を、自分は自分、他人は他人と理解していて、ドラマを見た印象としては、その「課題の分離」は、自分は自分で他人は他人だから助けないとか、協力しないとか、そういうことではありませんでした。相手の課題に踏み込み過ぎると本当の解決からは遠ざかってしまう、という感じでした。

今回のドラマの塔子さんと美沙さんは小学校からの友人同士で、美沙さんに怪我をさせてしまったと負い目を感じる塔子さんと、足が不自由になった自分を何かと助けてくれる塔子さんを頼りにする美沙さんとは“共依存”のような状態にありました。共依存は、このドラマで扱われている心理学では、「課題の分離」がなされていない状態ということでもあるのかもしれません。

ただ、人間にはいろいろなタイプの人がいて、「人間関係」も複雑なので、「課題の分離」をお互いが理解している場合はそれで良いのかもしれませんが、一方だけがそれを理解している場合は、「課題の分離」の押し付けになってしまうのではないかというような気もしました。先ほどの親子の例で言うと、勉強しなさいと親にしつこく言われて勉強をすることが合っている子供もいるのではないかなと思うのです。過干渉や過保護は相手の自立をする勇気やきっかけを奪う、というような考え方も確かに正しいかもしれませんが、過干渉や過保護の度合いは人によるのかもしれませんし、一概に言うことはできないのではないかなと、ドラマを見ながら何となく思いました。

それにしても、私はこのドラマの“刑事ドラマ”の部分よりも、“心理学ドラマ”の部分のほうを気にして見ているのかもしれません。刑事ドラマとしては、刑事たちの捜査の部分の内容があっさりとしているので、升毅さんの演じる半田係長や、戸次重幸さんの演じる小宮山刑事や丸山智己さんの演じる浦部刑事たちの場面を忘れてしまいそうになるのですが、その部分だけを“心理学ドラマ”から切り離してみると、意外と面白いです。“刑事ドラマ”としては、庵堂さんや青山さん以外の第8係の刑事さんたちがもう少しはっきりと活躍する場面があるほうがもっと面白くなるような気がします。

今回の最後では、半田係長たちは、大学の研究室の1階の搬入口の防犯カメラの映像が消えて画面が真っ黒になっているのを見つけていましたが、消した人物が別にいるということなのでしょうか。


ところで、これはドラマとは全く関係のないことなのですが、廃棄したとされていたけれど実はそうではなかったという南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に当たる陸上自衛隊の日報の、「戦闘」の記述の問題について、稲田防衛大臣は、日報に書かれた「戦闘」は辞書的な意味で使われたもので法的な意味で使われたものではなく武力衝突のことだと詭弁を言っていましたが、昨日の報道で、記者会見を行った自衛隊の制服組トップという河野統合幕僚長が、昨年7月の日報に「戦闘」と書かれていたことについて、法的に誤解を招かないよう指導していきたいと、日報の表現を制約するつもりはないが「戦闘」という言葉を使う際には注意して使うように現地の隊員に伝えた、ということが言われているのを聞いて、現地の隊員の方たちが戦闘行為の実態を報告したり記録として残したりすることがこれから難しくなるのではないかなと、少し怖く思いました。自衛隊の活動や隊員たちを政府が本当に守りたいと思っているのなら、政府は憲法違反をごまかすための詭弁などを弄さずに、現地で起きている事実を正確に国民に公表したほうがいいのではないでしょうか。大臣が堂々と詭弁を言っても、そのような状況に反発するような反応が大手メディアの間に少ない雰囲気であることも、少し心配に思います。現代や近未来の日本の社会に第二次世界大戦中のような「言論統制」が行われるようになるのかどうかはまだ分からないとしても、今の政府によるその「言論統制」の一端は少しずつ表れているのではないかなと思います。
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