生誕90年の加山又造さんの展覧会

先日、東京の日本橋高島屋で開催されている「生誕90年 加山又造展~生命の煌めき」を見に行きました。

いつかどこかの美術番組で加山又造さんの白黒の波の絵を見たことがあって、絵の題名は分からないのですが、それがとてもすばらしかったので、展覧会が開かれたならいつか見に行きたいと思っていました。

きれいな振袖がずらりと並んでいた8階の展覧会場には、たくさんのお客さんがいたのですが、混雑しているというほどではなく、落ち着いてゆっくりと絵を見ることができました。「出品目録」の一覧表によると、今回の展覧会に出品されていたのは53作品でした。

日本画家・版画家の加山又造さんは、1927年(昭和2年)に京都の西陣織の図案家の家に生まれ、京都市立美術工芸学校や東京美術学校を卒業し、文化勲章を受章した翌年の2004年(平成6年)に77歳で亡くなったそうです。

展覧会場に入ってすぐのところに展示されていた「夏の濤・冬の濤」という六曲一隻の屏風の迫力にまず圧倒されたのですが、鋭くデザイン化された波濤に、絹織物の図案の影響を受けているということが私にも少し分かるような気がしました。

展示は、「動物~西欧との対峙」、「伝統の発見」、「生命賛歌」、「伝統への回帰」、「工芸」の五つに分かれていました。

私は加山又造さんの作品を少ししか知らなかったので、日本画家としての初期(1950年代)の頃のキュビスムやシュルレアリスムの影響を強く受けている雰囲気の「若い白い馬」や「月と縞馬」や「迷える鹿」のような絵を、少し意外に思いました。

今回の展覧会の展示作品の中では、私としては特に、先ほどの「夏の濤・冬の濤」と「鶉(うずら)」、「薊(アザミ)」、「静物」、「月光波濤」、「倣北宋水墨山水雪景」、「月と秋草」が良かったです。

「静物」は、丸い器に入った苺の実を描いた、どちらかというと小さな絵なのですが、きらきらと鮮やかな青色と緑色と赤色のバランスの緊張感が絶妙で、とてもすてきな絵でした。隣に飾られていた「薊」と色は同じで、花の線の細い「薊」も良かったのですが、「静物」のほうが好きでした。

「月と秋草」は金地の四曲一隻の屏風で、月が屏風の中央に描かれていて、秋の七草の点在しているのが華やかな明るい作品でした。

「月光波濤」と「倣北宋水墨山水雪景」は、墨で描かれた白黒の絵でした。「夏の濤・冬の濤」や「鶉」の絵でもそうなのですが、加山又造さんの描く直線的な線の強い鋭さには深く突き刺さってくるような重さがあって、それが作品の迫力につながっているようにも思えました。「倣北宋水墨山水雪景」の枯木の枝など、本当に猛禽類の爪のようでした。隣に展示されていた大きな「龍図」の龍の爪よりも、鋭かったような気がします。線の強い絵は特に、その中に動きが見えるというよりは、何かピタッと時間が止まっているような印象でした。

「雪の朝」や「白雪の嶺」といった、青空と雪山の絵もさわやかでした。雪の混ざった冷たい風が吹いてくるような感じがしました。「白雪の嶺」は富士山かなと思ったのですが、「雪の朝」の山がどこの山なのかは分かりませんでした。

展覧会場はそれほど広くはなく、出口に近付いた時には、もう終わりなのかとあっという間の感じもしたのですが、加山又造さんのデザインの振袖や陶器なども含め、様々な作品を見ることができて楽しかったです。
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Author:カンナ
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