先日の「日曜討論」や「メルトダウン」、森友学園問題のことなど

先日の、東日本大震災から6年の日の翌日の3月12日のNHKの「日曜討論」では、「震災6年 “未来”をどう描く」というテーマで、「復興」の課題について話し合われていました。

私は後半を少し見ることができたくらいなのですが、その最後のほうでは、政府の方針で来月の1日から避難指示区域の指定が解除されるということに続き、5年以内には帰還困難区域の指定も解除されるということが言われていました。

その地域を「復興拠点」として、国費で除染をし、居住可能になるということでした。そのことについて今村雅弘復興大臣は、復興の足掛かりとなる場を作っていこうということで、地元の方と協議をしながら町づくりを進めていく、とにかく帰ってもらいたい、故郷を取り戻してもらいたいという施策の一環です、と話していました。

とにかく帰ってもらいたい、という今村大臣の言葉に少し違和感があったのですが、その後、首都大学東京の准教授の山下祐介さんは、(被災者が)帰れないと言っていることをちゃんと考えるべきだと思う、20km圏内の放射能が怖いとかだけではなく、生きるためのインフラが整っていないということだけではなくやはり再事故の可能性が否定できないと思う、一回避難をした方々がもう一度避難するということは考えられない、だから絶対に安全な状況ができない限りはなかなか帰れないと思うし、それを避難指示解除ということで賠償金を切ったりとか、あるいは、支援がなくなっていってある種の社会的弱者に陥っていくということになると、これは福島県民は大変なことになるのではないか、ある意味では福島県民が事故の責任を取らなければいけなくなるのではないか、と今村復興大臣に疑問を投げかけていました。

福島県知事の内堀雅雄さんは、大切なことは県民の意思を尊重することで、すぐに帰ることは難しいと話していました。

自主避難者というのは、避難指定区域の外から福島県内外に自分の判断で避難している人のことを指すそうなのですが、その自主避難者は約2万6千人いるそうです。そして、内堀福島県知事の話によると、福島県では、借り上げ住宅などの無償提供が今月末で打ち切りとなり、国の「災害救助法」に基づいた補助から、県独自の法律に基づいた補助に移行するのだということでした。

山下さんからかなり疑問を感じると言われた今村復興大臣は、「あのー、山下さんの言われることは分かるんです」と話し始めると、「故郷を捨てるってことは簡単ですよ。そうじゃなくて、戻って頑張ってやっていくっていう気持ちを持ってほしい。故郷をもう一回取り戻すという気持ちを持ってもらいたい」と続けていたのですが、私は、「故郷を捨てるのは簡単」という今村大臣の言葉も、間違っているような気がしました。

6年前の東京電力福島第一原子力発電所の爆発事故によって被災して、それまで長く暮らしていた地域を放射性の汚染物質によって台無しにされて、暮らし続けることができなくなったから仕方なく遠く離れた場所へ行って暮らしているということなのに、そこからまだ戻らない選択をすることを、「故郷を捨てるのは簡単」と被災者が「故郷を捨てる」ことにしたかのように、避難を続けている被災者のほうが悪いかのように言うのは、酷いなと思いました。

山下さんは、「帰還が悪いというのではなく、早期は無理だろうと。長期に時間をかけて通いながら順に帰ることができる人から帰って行くというような、もっと長いスキーム(計画)を作っていく必要がある。避難元と避難先の地域を確保することが必要で、そうすれば合併をせずにそれぞれ自治体は存続できるし、自治体も無理に帰そうとする政策ではなく、人とつながりながらその地域をちゃんとした地域に戻していくスキームができると思う」と今村復興大臣に説明していました。

今村復興大臣は、しかしこれは時間との勝負ということで、長期解決は現実に合わないと、時間をかけてゆっくりと、帰ることができる人から順に故郷に帰るという策を否定していました。

最後に山下さんは、社会的弱者となる人が増えないようにするための、被災者の権利と地位の補償を訴えていました。番組の後半を見ていた私には、山下准教授の話のほうがよく分かりましたし、正しいことでもあるように思えましたし、普通のことであるようにも思えました。東日本大震災の大地震や大津波や原発事故からまだ6年なのに、政府が勝手に「一定の区切り」として避難指示区域や帰還困難区域の指定を解除して、その地域に暮らしていた被災者の支援を打ち切ったり、半ば強制的にその地域に戻そうとしたりするというのは、被災して大変な思いをしながら暮らしている国民のことを考えた政策ではないように思えてしまいます。

先日の「NHKスペシャル」の「メルトダウンFile.6 原子炉冷却 12日間の深層 ~見過ごされた“危機”~」は、東京電力福島第一原子力発電所で電源喪失という事故が起きて、1号機の水素爆発が起きてから、メルトダウン(炉心溶融)していた1号機の冷却を始める23日までの、12日間の現場の物語でした。

ドキュメンタリーと再現ドラマで構成されていて、以前の「原発メルトダウン危機の88時間」のようでもあったのですが、当時の吉田昌郎所長たちと東京電力の本店の人たちとの会話を、IBMのワトソンという人工知能(コグニティブ・テクノロジーと言うそうです)で分析するというところが、画期的でした。

番組の印象では、吉田所長は、本店との連絡が本当に大変だったのではないかと思えました。当時の新潟県柏崎刈羽原子力発電所の横村所長や五十嵐ユニット所長の冷静な判断によるアドバイスは正しいもののようでしたが、吉田所長と東京電力の本店の人とが話す中で結局本店の意見が優先され、冷却が遅れる結果になったようでした。

非常時に原子炉を冷却する非常用復水器(アイソレーションコンデンサー)のことを「イソコン」と呼ぶそうなのですが、その「イソコン」を動かす練習を、アメリカの原発では定期的に行うことが義務付けられているそうなのですが、東京電力では40年間実施していなかったのだそうです。番組によると、東日本大震災の時の原発の事故が大きくなったのは、そこの社員の方たちがイソコンの使い方をよく知らなかったということにもあったようなのですが、ただ、これからは「イソコン」の練習をします、だからこれからの原発は安全です、ということになると、この番組が「原発再稼働」へ向けた宣伝のようになってしまうような気もしました。

原発事業を進める自民党の議員たちの「安全神話」のせいで事故の被害が大規模になったということを、忘れてはいけないように思います。

東日本大震災の後に一般市民の私たちが忘れてはいけないと思ったことの中には、当時の与党歴の浅い民主党政権の大震災や原発事故への対応のまずさだけではなく、原発を推進する政治家や技術者たちの間に「安全神話」(日本の原発は絶対に安全だという信仰のような謎の思い込み)というものがあって、そのために、巨大な地震が発生したり津波が来たりした際に原発の外部電源が喪失しないようにするという対策を取ることを怠っていたから大事故になったという事実もあったはずです。

東京MXテレビの、先日の「田村淳さんの訊きたい放題」(ジャーナリストの上杉隆さんと田村淳さんの「週刊リテラシー」の終了後の、後継の番組です)では、原発再稼働推進派の元東京電力の社員の竹内さんという方が、東京電力の幹部を擁護する発言をしながら、現場の人たちは頑張っているんです、というような言い方をしていたのですが、原発の現場の方たちが頑張っているということは、多くの人たちが知っていることだろうと思いました。当時の幹部が今も逃げていることについてはどう思っているかなと、少し気になりました。

私もいろいろ忘れてしまっているのだと思いますが、このような番組を見ると、原発事故がどのようなものだったのかを改めて思うことができます。当時の総理大臣だった民主党の菅直人さんの震災や原発事故への対応が失敗だったのだとしても、菅さんよりももっと悪い人が、今でも政治の中枢にいるのではないかと思えてきます。

先日の「クローズアップ現代+」では「森友学園問題」について特集していました。テレビ朝日の「橋下×羽鳥の番組」では、弁護士で元大阪市長の橋下徹さんが、「森友学園問題」を小さな問題にしようとしていたのですが、その中で橋下さんが言っていた、橋下市長が来るということで大阪の市民の方が汚かった川辺を素早くきれいにしたとか、何か橋下市長に要望のある大人たちが子供たちを並べて「橋下市長お疲れ様」と挨拶をさせたとかの話には、大阪は大丈夫なのかなと、少し驚きました。

「クローズアップ現代+」の森友学園問題特集では、保守系団体の方が匿名で証言もしていたのですが、最後に、著書の『日本会議の研究』という本が今年の1月に異例の「出版差し止め」となったノンフィクション作家(著述家)の菅野完さんが、問題の背景について訊かれ、「(籠池氏と)安倍昭恵さんとの付き合いを前面に打ち出せば交渉は有利に進むと、籠池夫妻にそういうことをすれば自分たちの立場は有利になるんだという判断を下すに至らしめた時代の空気みたいなもののほうが僕は恐ろしい」と話していたのですが、本当にそうだなと思いました。第一次からの安倍内閣の何となくの不気味さや気持ち悪さは、このようなところにもあるのではないかと思います。

「忖度(そんたく)」という言葉が森友学園を巡る問題などでよく言われていますが、「空気を読む」というような意味でもあるのなら、例えば「オウム真理教事件」の麻原彰晃死刑囚の「ポア」の場合のように、リーダー格の人物が事件に直接関与したかなどの物的な証拠を見つけることは、なかなか難しいことなのかもしれません。

昨日には、籠池理事長夫妻とその長男の方と会う約束をした菅野完さんが自宅前?で待っていた記者たちのぶら下がりのインタビューに応じている様子が生放送で報道されていて、私は放送時間には見ることができなかったので、後で録画をしておいたお昼の情報番組(TBSの「ゴゴスマ」など)を見たのですが、「組織ジャーナリスト」と菅野さんが呼んでいた記者さんたちが、記者というよりはリポーターさんのように見えました。

証人喚問しなければいけないのは大阪府知事の松井一郎さんであり、前理財局長で現国税庁長官の迫田英典さんであり、現大阪府私学課の課長の吉本薫さんだと、学校法人・森友学園への大阪府豊中市の入札無しの国有地格安売却問題に関係する「悪い人」たちの名前をはっきりと出していたのもすごいなと思ったのですが、菅野完さんが、記者さんたちに、カメラやマイクを向けるべきなのは私人(民間人)である籠池さんや自分ではなく、公人(公務員)の政治家や役人だと言っていたのも、正しいというか、とてもまともなことであるように思えました。

テレビ朝日の記者さん(だったように思います)は、迫田前理財局長の家まで取材に行って無視されていましたが、他のテレビ局の記者たちは、そのようなことを行っていないのでしょうか。元大阪市長の橋下さんの話によると籠池理事長は大阪では有名な人だそうですし、分からないですが、もしかしたら、認可基準が甘かったとか書類をちゃんと読まなかったとかそのようなことではなく、“戦前回帰”を考えるような保守系(右翼系?)の思想を持つ「日本会議」や「神社本庁」というような謎の組織とつながりのある政治家や役人や財界人や文化人のような人たちが籠池理事長の教育理念に共感して(あるいはそれを利用して)、保守系の思想教育を子供たちに施す幼稚園の次に同じ系列の小学校を作りたいと考えていたというようなことなのかもしれません。一民間人の籠池理事長は、その思想が私にはおかしく見えても、確かに実際に大阪府の小学校の認可のための「判子」を直接押すことはできない一民間人なのですし(私には「大阪の普通のおっちゃん」というのがどのような人のことなのかよく分からないのですが)、ジャーナリストの方たちには、公的な存在による「巨悪」をちゃんと追及してほしく思いました。

政府は安倍晋三内閣総理大臣夫人の安倍昭恵さんについて、「内閣総理大臣夫人」は「公人ではなく私人である」という答弁書まで作ったそうで、このようなところも、奇妙な内閣だなと思います。昨日のNHKの報道では、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に参加している自衛隊の「戦闘行為」について書かれていた活動記録の「日報」を、稲田防衛大臣率いる防衛省は当初破棄したとしていたが実は保管されていたことが明らかになって公開された、という事件について、さらに実際には陸上自衛隊が日報の電子データを一貫して保管していて、上層部からデータの消去の指示が出されていた、というようなことが伝えられていました。政府にとって都合が悪い箇所があるからと言って、現地の自衛隊の方の活動記録を消去しようとするなど、日本のためにも、今後の自衛隊のためにもならないように思いますし、本当に酷いことだなと思います。

それにしても、天皇陛下の譲位のための法律の整備のことで、民進党が、自民党などの提案する「特例法」の制定に譲歩しているのも、少し残念に思います。与党の自民党などの党が皇室典範の改正ではなく「特例法」に固執しているため、「特例法」のほうに歩み寄らなければ天皇陛下の譲位の時期が遅くなってしまうのではないかというような思いが、もしかしたらあるのかもしれませんが、皇室典範を改正せずに特例法によって譲位をした場合には今上天皇陛下がいつか憲法違反の存在となってしまうかもしれないという恐れが残っているのなら、皇室典範改正の方向でもっと頑張ってほしかったように思います(まだ決まったわけではないですが)。
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