「嫌われる勇気」最終回

フジテレビのドラマ「嫌われる勇気」の最終回(第10話)を見ました。

病院を抜け出し、帝都大学の心理学教授の大文字哲人(椎名桔平さん)の研究室へ駆け込んだ警視庁捜査一課8係の刑事の青山年雄(加藤シゲアキさん)は、机の引き出しに古いファイルを見つけました。それは18年前の中学生の庵堂蘭子(桜田ひよりさん)が誘拐された時の捜査資料で、当時の監禁場所が記された地図もありました。

土方登志郎(寿大聡さん)に監禁され、土方さんを撃った銃声の後に気を失っていたらしい刑事の蘭子(香里奈さん)は、大文字さんに助けられたのですが、そこへ青山さんと大文字さんの助手の間雁道子(飯豊まりえさん)が駆け付け、青山さんは土方さんの遺体のそばに落ちていた拳銃を拾い、大文字さんに蘭子さんから離れるよう命じました。

監察医の相馬めい子(相楽樹さん)は、土方さんが至近距離で撃たれたと8係の刑事の浦部義孝(丸山智己さん)と小宮山正明(戸次重幸さん)と三宅隆俊(桜田通さん)に教えました。警察署へ任意同行した大文字さんは、土方さんの殺害や18年前の資料について訊かれると、知らない、分からないと答え続けていたのですが、廊下で蘭子さんとすれ違う時、蘭子さんにハンカチを渡しました。ハンカチには、「メシアは警察内部にいる」と書かれたメモが挟まれていて、蘭子さんと青山さんはメモの指示に従って、翌日大文字さんの研究室を訪ねました。

大文字さんは、蘭子さんと青山さんに、資料は蘭子さんの父親の道則(勝村政信さん)から渡されたものだと言い、誘拐事件の犯人の捜査が打ち切られてから失踪するまでの3年間、道則さんは娘を誘拐した犯人を追っていたということを話し始めました。道則さんは、娘が誘拐された理由が自分にあるということを知っていました。そして、娘に見られたと、大文字さんとの電話で言い残していたということでした。大文字さんは、蘭子さんに、父親は今もどこかで生きていると思うことが支えになっていたのではないかと話していました。

蘭子さんが一人で実家に行った翌朝、青山さんが蘭子さんが誘拐された頃の神奈川県警の事件の捜査資料を持って訪ねて来ました。これは私の課題です、と蘭子さんが言うと、青山さんは、僕の課題でもあります、事件を解決することは刑事みんなの課題です、と言いました。それを聞いた蘭子さんは、捜査資料の調査を青山さんたちに任せることにして、私は自分のやるべきことをやりますと、青山さんから携帯電話を借りました。青山さんは、お返ししますと言ってスマートフォンを蘭子さんに渡し、蘭子さんは大文字さんに連絡しました。

青山さんは、8係の刑事の浦部さんと小宮山さんと三宅さんと係長の半田陽介(升毅さん)と一緒に捜査資料を見直し始め、三宅さんは道則さんが捜査に関わった冤罪が疑われた強盗殺人事件を見つけました。無実を訴えていた犯人は服役中でした。

一方、蘭子さんは、実家に来た大文字さんと会話をしながら、封印した過去を取り戻すことにしました。父親がいた日のこと、父親がいなくなった日のことを少しずつ思い出そうとしていた蘭子さんは、大文字さんに勧められて画用紙に記憶の絵を描き始めました。そこに描かれたのは、蘭子さんの実家の庭でした。庭の絵の中央には赤い箱が置かれていて、それが何かを大文字さんに訊かれて考えた蘭子さんは、箱を庭に埋めたことを思い出しました。

蘭子さんは、縁側の下の土に父親が何かを埋めていたこと、同じ場所に自分が箱を埋めたことを思い出しながら、土を掘り返しました。しばらくすると、茶色の木箱が出てきました。蘭子さん自身が埋めたものでした。蓋を開けると、そこには血の付いたナイフが入っていました。

道則さんは、自分が関わった強盗殺人事件が冤罪であったことを隠すために、証拠品の凶器の刃物を庭に埋め、父親が埋めたものを見てしまった中学生の蘭子さんは、それをオルゴールの箱に入れて埋め戻し、その辛い記憶を封印してしまっていたようでした。

蘭子さんは、誘拐された現場の森の木の下を、鑑識課の梶準之助(正名僕蔵さん)に調べてもらうことにしました。相変わらず人使いが荒いと言いながら、「白い花」を調べ始める梶さんに、蘭子さんは、私は花が白いとは言っていないと言い、梶さんが「メシア」を名乗る人物であることを指摘しました。

監禁されていた時に聴いた足音から、蘭子さんは、土方さんが「先生」と呼んだ人物の足音が大文字さんのものではないことを考え、先に現場に入って証拠を消すことのできる鑑識の人物だと推理していました。拳銃を構える青山さんも現れ、開き直った梶さんは、土方さんを殺したことと、過去の事件のことを話し始めました。強盗殺人の罪で捕まって犯人とされた人物が実は犯人ではないことの証拠の凶器を見つけた梶さんは、それを示して担当刑事の道則さんに冤罪を訴えたものの、聞き入れられなかったようでした。梶さんが事件の前から知り合いだったという土方さんたちを使って道則さんの娘の蘭子さんを誘拐したのは、冤罪を公表させるためだったようなのですが、それも失敗すると、梶さんは、冤罪を作る一方で自分の娘を誘拐した犯人だけは執念深く追う道則さんを呼び出して、交渉しようとし、断った道則さんの首を落ちていたロープで絞めて殺害し、土方さんたちと共に遺体を埋めたということでした。

蘭子さんと青山さんは、その頃愛妻家だった梶さんの妻の病死も重なって、梶さんが自暴自棄になったのではないかとも指摘していました。蘭子さんは、あなたは人殺しです、心の弱い臆病者ですと梶さんに言い、事件の証拠を隠蔽しようとした私の父も臆病者ですと言いました。そして、自分も父の罪から目を逸らしたのだと言いました。梶さんに殺せと言われて銃口を向けた蘭子さんに、青山さんは銃口を向けました。蘭子さんは、私の父を殺したあなたを許せません、でも殺人という卑劣な方法で事件を解決することを私は明確に否定します、と言って拳銃を下ろし、梶さんは8係の刑事たちに逮捕されました。今は一人じゃないという蘭子さんの言葉を聞いた青山さんは、我慢していた傷の痛みからか、その場に倒れ込んでしまいました。

梶さんと一緒に仕事をしていた鑑識の村上由稀菜(岡崎紗絵さん)は、梶さんは入院中の青山さんに上杉暗号のページを渡していたが、先に見つけて隠し持っていたのだと、泣きながら三宅さんに話していて、三宅さんは、梶さんは本当は自分が犯人であることに早く気付いてほしかったのかもしれないと村上さんに言いました。

大学の研究室の大文字さんにお礼を言いに行った蘭子さんは、何かあった時にと託されていたという青山さんの手紙を渡され、それから、お墓参りに出かけていました。蘭子さんがお花を供えていたのは、青山家のお墓ではなく、庵堂家のお墓でした。青山さんは無事に生きていて、蘭子さんの弟の悠真(堀井新太さん)と一緒に歩いていました。蘭子さんは、父親の形見の腕時計を弟に渡しました。蘭子さんによると、青山さんは昔一緒に暮らしていた犬のエマに似ているのだそうです。そして、警察署に戻った蘭子さんは、半田係長に、父親が作ってしまった冤罪事件を解決したいと相談していました。

最後、研究室の大文字さんを訪ねた青山さんは、結局どうすれば人は幸福になれるのか、と大文字さんに問い、大文字さんは、「幸福になる勇気」について青山さんに話し始めることにしたようでした。

脚本は徳永友一さん、演出は池澤辰也さんでした。

最後には「Fin」と出ていたので、「幸福になる勇気」のための続編があるのかないのかは不明ですが、蘭子さんが一人で入ったカフェでたくさん注文したケーキを幸せそうに食べるという場面で終わっていたのは、その「幸福」につながっている感じもしました。

18年前に謎の誘拐事件に巻き込まれた蘭子さんも、冤罪を公表させるために蘭子さんを誘拐して結局その父親を殺してしまった梶さんも、人の心の弱さを受け入れ、過去から解放されたということなのかもしれません。

蘭子さんが封印していたのは、自分の誘拐事件のことではなく、優しくて正義に満ち溢れた刑事という理想像だった父親が実は殺人事件の証拠を隠蔽していたということと、父親が隠した証拠を自分も見なかったことにしたということでした。

最終回にはサブタイトルのようなものがなかったのですが、人は過去の記憶を自分の都合の良いように少しずつ変えながら生きている、ということを大文字さんが蘭子さんや青山さんに話していたので、そのようなことがテーマになっていたのかもしれません。

「共同体」の目的のために、蘭子さんは封印されていた自分の過去と向き合ってそれを乗り越え、さらに蘭子さんが記憶を取り戻したことで過去の冤罪事件が証明されることにもなるかもしれないということで、私にはアルフレッド・アドラーの心理学のことはまだよく分からないのですが、「勇気とは共同体感覚のひとつの側面である」という部分が活かされている最終回になっていたのではないかなと思います。

前回の予告を見て、蘭子さんの父親は生きているのかなと思っていたのは間違いだったのですが、蘭子さんの父親の失踪の真相も、「警察内部」の犯人が意外な人物であったところも、ミステリーとして、良かったように思います(少なくとも、犯人が半田係長ではなかったということには、ほっとしました)。

最終回の視聴率は5.7%だったそうですが、私はその視聴者の一人だったのだなと思います。

ドラマの原案は岸見一郎さんと古賀史健さんの『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』という本だそうで、そのタイトルがそのままドラマのタイトルになっていたところは、刑事ドラマとして見るのには分かり辛いような気もしましたが、人気の自己啓発的心理学の内容を刑事ドラマで伝えるという挑戦でもあったのかなと思います。

すごく面白いというのとは少し違うかもしれないのですが、決して悪いドラマではなかったように思います。刑事ドラマとしてはざっくりとしたところもあったので、後半のような展開が前半からあったなら、もっと面白くなったのかもしれないなとも思いますが、心理学の部分はドラマを見ながら私も一緒に考えることができたように思いますし、それなりに楽しかったです。
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