「真昼の悪魔」第7話

フジテレビの「オトナの土ドラ」のドラマ「真昼の悪魔」の第7話「挑戦」を見ました。

第7話は、関東女子医大付属第三病院の精神病棟を脱走した難波聖人(中村蒼さん)と神父(伊武雅刀さん)が送った葉子さんの殺人に関する告発状によって病院側から疑われる中、吐血が収まらない大河内葉子(田中麗奈さん)が、自分の正体に気付いて怯えながらも一緒に暮らし続ける大塚光(大倉孝二さん)にお願いがある、と自宅の一室に作った手術室に大塚さんを案内して病であることを打ち明け、手術が必要だが誰にも触られたくないから自分で手術をすることにした、簡単な手術なのでミスの心配はないが自分では自分の体の中が見えないので、鏡を見えるように動かしたり道具を手渡したりしてほしいという頼み事をする、という話でした。

脚本は香坂隆史さん、演出は田部井稔さんでした。

前回、葉子さんに電気ショックを与えられて意識を失った清掃員の芳賀明善(篠原篤さん)は、生きていました。清掃員として病院に入り込んで入院患者たちを殺したという自分の罪を自供したDVDを送り、葉子さんへの疑いの目を背けていました。その内容はマスコミにも流れ、病院からは患者が離れて行き、経営難に陥りました。葉子さんは、病院を買収するよう大塚さんに頼み、大塚さんはその話を進めてはいたのですが、葉子さんの手術の手伝いをしていた時、手術を終えて自分の腹部を閉じようとした葉子さんに針と糸を渡しながら、開いている腹部に小さな針の欠片のような金属を落としたのでした。

葉子さんは気付かずに腹部を閉じ、手術を完成させたのですが、腹部に痛みを感じるようにもなっていました。そのような中、神父さまに会いに行った葉子さんは、これまでの殺人の罪を告白し、神父さまの脳の手術は自分が行う、神父さまの生死を決めるのは自分だと主張しました。

病院へ戻った聖人さんは、買収の話を断りに来た帰りの大塚さんに声をかけました。どうして葉子さんから逃げないのかと訊かれた大塚さんは、もう遅いと答えて立ち去りました。そして、自宅へ戻った大塚さんは、暗い部屋で倒れて苦しんでいる葉子さんを見つけました。

大塚さんは、救急車を呼んだようでした。緊急搬送されてきた葉子さんをどうすべきか迷う外科部長の吉田誠(鈴木省吾さん)と外科医の渡来倫子(福田ゆみさん)に、外科医の浅川純(瑛蓮さん)は医師として命を助けるべきだと言い、大塚さんも吉田外科部長に縋りついて葉子さんを助けてくださいと懇願しました。

手術を受けて助かった葉子さんは、病室で目を覚ますと、その屈辱感から激怒していました。その頃、神父さまも脳の手術を受けたところでした。神父さまは、自分を葉子さんへの復讐に利用した聖人さんに、自分の心にも悪があることを認め、そして葉子さんに殺される覚悟をして、審判を神に委ねることにしました。

聖人さんの予想通り、神父さまの病室に現れた葉子さんは、私は弱者ではないと、ふらつきながら注射針をベッドの上の神父さまの首に刺そうとしたのですが、その時、あなたは人間です、ということを聖人さんや神父さまに言われた言葉を思い出し、自分の中の悪魔の部分と人間の部分との間でもがいていました。最後の絶叫の場面の迫力がすごかったです。

仏壇の前で葉子さんの父親の徳広(村井國夫さん)に話しかける大塚さんを葉子さんが覗いていたり、教会の懺悔室の柵を葉子さんが勢いよく外していた場面には、ホラーのような怖さがありました。

葉子さんが「神の下の弱者」となること(あるいはそうであることを認めること)をそれほどまでに恐れている理由が、私には分からないのですが、葉子さんの中では、「神」と「悪魔」は同等の存在で、「人間」でいるくらいなら「悪魔」になったほうがずっとましだというような思いがあるということなのでしょうか。

絶叫する葉子さんに、神父さまは、悪を追い出す隙(人間性?)を見つけたのかもしれませんし、葉子さんは、自分が病院内の弱者になって初めて命を支配される者の恐怖を味わったということなのかもしれません。

世の中では、神様が人間を作ったとも、人間が神様を作ったとも言われていますが、自然ではない神様という人間に似た存在がいるとした場合に、どちらが先に存在していたのかは、科学的にはまだ証明されていないようです。鶏が先か卵が先か、というような生物学的な問題よりももっと分かり辛いのは、神様も人間もどちらかの進化形ではないからだろうと思います。

神様という大きな存在を仮定する時、人間は、いつまで経っても神様と同等あるいはそれ以上の存在になることができないので、常にその下の存在、弱者的な存在にならざるを得ないような気もします。遠藤周作さんの小説を原作としたこのドラマの中の神様はキリスト教の神様ですが、人間に似た言動をする神様でなくても、例えば神様を大自然だと考えても、人間は大自然の脅威には勝つことができない存在であり続けていますし、大自然の前ではやはりいつまで経っても、これからもずっと弱い存在であり続けるような気がします。大きな何かの一部としての人間でいる以上、人間は、「神様」に対して挑戦をすることはできたとしても、「神様」を超えることはできないのではないかと思います。

予告によると、次回が最終回だそうです。人間であることから免れることができない葉子さんがどのように変わっていくのか、最終回も楽しみにしたいと思います。
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