ドラマ「そして誰もいなくなった」

テレビ朝日の二夜連続ドラマスペシャル「アガサ・クリスティ そして誰もいなくなった」を見ました。

絶海の孤島のホテルのオーナーに招かれた過去に殺人に関わったことのある10人の男女が「数え歌」の通りに一人ずつ殺されていく、という物語です。

イギリスの推理作家・アガサ・クリスティの長編推理小説『そして誰もいなくなった』の物語を日本で初めて映像化したドラマということで、私も見るのを楽しみにしていたのですが、放送時間には見ることができなかったため、録画をしておいたものを少しずつ見ることにしました。

第一夜は事件編、第二夜は解決編で、主な登場人物は、ホテルの執事夫妻の翠川信夫(橋爪功さん)と翠川つね美(藤真利子さん)、オーナーの七尾審に招待されて孤島のホテルに来た元水泳選手の白峰涼(仲間由紀恵さん)、ミステリー作家で元ボクサーの五明卓(向井理さん)、元女優の星空綾子(大地真央さん)、医師の神波江利香(余貴美子さん)、元国会議員の門殿宣明(津川雅彦さん)、元刑事の久間部堅吉(國村隼さん)、元傭兵のケン石動(柳葉敏郎さん)、元判事の磐村兵庫(渡瀬恒彦さん)の合計10人、解決編に登場する捜査一課の警視庁捜査一課の警部の相国寺竜也(沢村一樹さん)と八丈島東署捜査課の警部補の多々良伴平(荒川良々さん)でした。

脚本は長坂秀佳さん、音楽は吉川清之さん、監督は和泉聖治さんでした。

ナレーションが石坂浩二さんだったので、TBSのドラマ「渡る世間は鬼ばかり」の感じも少ししてしまったのですが、主演が仲間由紀恵さんで、監督が「相棒」の和泉聖治さんということで、そのつながりだったのかなと思います。

ドラマの字幕によると、撮影は2016年の12月から2017年の2月にかけて行われたそうです。この作品が、先日亡くなった俳優の渡瀬恒彦さんの遺作となったということで、最後の長い独白の展開や演出は、病を押して撮影に臨んだ渡瀬さんのためのものだったのかもしれないなとも思いました。撮影は亡くなる約1か月前ということになるのだと思いますが、この1か月後には亡くなられているのだということを知っていても、磐村さんを演じていた渡瀬恒彦さんの迫力は、それとは分からないくらいでした。すごいなと思いました。

二夜連続のミステリードラマの物語としては、もう少しサスペンス的でも良かったような気がしました。私がアガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』を読んだのは中学生の頃のことなので、物語の内容がうろ覚えになっているということもあると思うのですが、ドラマでは、見立て殺人の描写もあまりはっきりとしていなかったように思いますし、展開のメリハリも少し弱かったように思いますし、比較的ゆっくりとしていたので、ドラマを見ながら少し眠いような気持ちにもなってしまいました。

ただ、それにしても、アガサ・クリスティーはすごいなと思います。ミステリー小説やドラマや映画が溢れている今から考えると、『そして誰もいなくなった』の物語はどこかで何度も見たことがあるミステリーのようにも思えてしまいそうになるのですが、この推理小説は1939年(昭和14年)の作品なので、アガサ・クリスティーのほうが先なのです。その頃からずっと人気があって、後世の多くの作品に影響を与えていて、江戸川乱歩に「クリスティーに脱帽」という評論がありますが、本当にそうだなということをまた改めて思いました。


ところで、これはアガサ・クリスティー原作のミステリードラマとは全く関係のないことなのですが、昨日には、政府が昨年の7月に神奈川県相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で起きた殺傷事件の犯人となった元職員の男性が事件の少し前に「措置入院」を解除されていたということを踏まえて今国会に提出した「精神保健福祉法改正案」に、日本精神神経学会が反対を表明しているという報道がありました。日本精神神経学会が反対をしているのは、政府の法改正案が「犯罪の防止」を目的としたものになっているからだそうです。

政府の指示によって身体や精神に病を抱えている人を今よりもさらに「隔離」したり、その人の個人的な情報を地域社会に広めたり、人権や自由を制限するという方向に進めたりしていくということは、時代を逆行しているというか、病気の改善のための治療から離れていってしまうことになるかもしれませんし、その病気を抱えている人に対する偏見を助長するようなことになってしまうようにも思えます。

「津久井やまゆり園」の事件の後、私は、植松容疑者が大島衆議院議長宛てに出していたという手紙を報道で見て、その容疑者が安倍晋三首相の考えに共鳴しているらしい“優生思想”を持った人物だったということに驚きました。メディア(特に読売新聞系)が犯人に「措置入院」の過去があったことを繰り返し指摘していたことにも違和感があったのですが、そもそも、罪を犯す人に健常者も障害者もないような気がしますし、「津久井やまゆり園」の殺傷事件の容疑者が仮に精神疾患のある人だったとしても、他の精神疾患のある人たちとは無関係のはずです。昨日の報道を聞いて、警察の権力が拡大され一般市民に向けて乱用される恐れもある「テロ等準備罪(共謀罪)」を成立させようとしている内閣が提出した「精神保健福祉法」の改正案も、「治安維持」や自民党の改憲草案にある「公益及び公の秩序」のような、国民を監視・管理する目的のために、それを利用しているということなのかもしれないなと、何となく思いました。
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