ドラマ「母、立ち上がる」と、銃剣道の必修化のこと、福島の避難指示区域の解除のこと

NHKの総合テレビで放送された、2夜連続のシリーズ「認知症:ともに新しい時代へ」のドキュメンタリードラマ「母、立ちあがる」を見ました。録画をしておいたものです。

私はこの特集のことを知らなかったので、何のドラマだろうと気になって何気なく録画をしておいた番組だったのですが、看護師として働いていた10年ほど前にアルツハイマー型認知症の初期と診断された55歳の藤田和子さんが認知症に対する社会の意識を変えようと、夫と3人の娘たちと一緒に認知症についての間違った情報やそれに伴う偏見などと闘う姿を伝える、ドキュメンタリーと再現ドラマで構成された番組でした。

藤田和子さんを演じていたのは、富田靖子さんでした。

45歳の頃に認知症と診断されたという藤田さんは、若年性認知症ということのようなのですが、10年の間にほとんど進行していないようにも見え、認知症のことをよく知らない私には、それが不思議に思えました。薬で認知症の進行が抑えられているのかもしれないとも思えたのですが、あるいは、やはり個人差があるということなのかもしれないなとも思いました。

料理を作っている時に炊飯器のボタンを押していないことに気付くとか、お鍋にガスを点けたと思っていたけれど点いていなかったとか、私にも時々あることなので、番組に出演していた藤田さんの“物忘れ”は認知症によるものでもないような気がしたのですが、番組で紹介されていないような、もっとはっきりとした症状もあるということなのかもしれません。

藤田さんは、ご自身の症状にアルツハイマー型認知症という病名が付いたことで、すっきりとしたようでした。夫の方も穏やかそうに見えましたし、3人の娘さんたちもしっかりとしていて優しそうに見えました。藤田さんは、看護師の仕事は辞めたそうなのですが、家事はそれまでと同じように続けていて、認知症の症状のある母親を手伝う娘さんたちは、認知症だから手伝うわけではなく母親だから手伝うのであってそれはごく普通のことだという風に話していました。それは確かにそうなのかもしれないとも思うのですが、その普通のことというのは、実はすごいことなのだと思います。

若年性認知症を患う藤田さんは、認知症のことを社会に正しく理解してもらうために、認知症を患う人が地域社会から外されないようにするために、家族に支えられながら、もう100回も講演を行っているそうです。世の中から病への偏見をなくすために立ち上がった藤田さんご本人は本当にすごいと思うのですが、ご家族が良いご家族だなと思いました。

もともと仲の良い家族だったのかもしれませんが、一家の母親が40歳代で認知症になって、さらに仲良くなったのかなと思いました。そのようなことが番組の中で言われていたというわけではないのですが、もしも藤田さんが独身の人だったなら、あるいは夫や子供たちとあまり交流がない人だったなら、認知症と闘う環境や認知症の進行度合いは大分違っていたのではないかなとも思います。

「認知症」という名前が示す病気の症状は、人によって異なるのかもしれないというか、もしかしたら、意外とざっくりとしたものなのかもしれません。

認知症になった方のイメージとして、例えば、裸足で街を徘徊するとか、お財布のお金が盗まれたと騒ぐとか、近所の人に悪口を言い触らすとか、暴れるとか、そのようなことがメディアなどでも言われていることがあるため、認知症になるとそうなってしまうのかなと漠然と思ってしまうことがあるのですが、そのような人もいるかもしれないけれどそうではない人もたくさんいて、病気の進行の早い人もいれば遅い人もいるのだろうと思います。

また、病気に対する間違った情報が広まっていたり、偏見があったりするのは、認知症だけではないようにも思えました。番組によると、藤田さんが認知症だと分かってから離れて行く友人も多かったということでしたが、離れて行くというよりは、どう話しかけていいのか分からないというか、そのようなことなのではないかなと思います。例えば病気が癌でも、白血病でも、その病気になった自分自身が戸惑うのと同じくらい、それと知った相手も戸惑うということはあるのではないかなと思いました。藤田さんには澤野さんという友人の方がいて、地域社会全体で認知症の人を支えようという活動も始めているということでした。

私は認知症のことをよく知らないのですが、今回のドキュメンタリードラマの藤田さんの姿を見て、認知症に対する印象が少し明るいほうへ変わったような気がします。病気になった人がまだ病気になっていない人と同じように穏やかに暮らしていくことができる世の中になっていくといいなと思いました。良いドキュメンタリードラマでした。


ところで、これは認知症の話とは全く関係のないことなのですが、今朝の報道によると、松野博一文部科学大臣が小学校と中学校の新しい学習指導要領と幼稚園の新教育要領を官報で告示したそうです。幼稚園で国歌を「親しむ」ように教えるかもしれないことや、小学校でLGBTなど性的少数者について教えないかもしれないということも、少し不思議に思えたのですが、それ以上に、中学校の保健体育で必修となる武道の例に、柔道や剣道などの8種の他に「銃剣道」を追加したということに驚きました。

文部科学省に寄せられた「パブリックコメント」の中に、「銃剣道も加えるべきだ」との意見が「数百件」あったそうです。パブリックコメントを募集する直前に公表したという「改定案」にも「銃剣道」は含まれていなかったそうですし、「数百件」というのが多いのか少ないのかよく分かりませんが、報道によると、銃剣道を授業に取り入れている学校は神奈川県に一校あるそうで(神奈川県平塚市の中学校だそうです)、競技人口は3万人に上る、ということなのですが、私は、そもそも「銃剣道」という武道があることを全く知りませんでした。

銃剣というのは銃の先に剣がついている武器で、太平洋戦争や第二次世界大戦前の日本軍やフランス軍の兵士たちが使っているというイメージがありましたが(ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」の絵にも銃剣が描かれています)、今でも自衛隊の方たちは銃剣を使った訓練をしているのだそうです。

銃剣は幕末の日本にフランスから伝えられたものだそうで、明治中期に日本独自の銃剣術として発展し、太平洋戦争が始まる昭和15年の頃、「銃剣術」から「銃剣道」に名前が変えられたのだそうです。そして、戦時中、女子は伝統の薙刀(薙刀は平安時代からあったそうです)を習い、男子は銃剣道を習ったということでした。銃剣道は、敗戦後、GHQによって一度廃止されたそうなのですが、8年後、GHQの占領政策が一応終わった日本で、旧陸軍の元軍人の方たちが銃剣道を復活させ、その後日本体育協会や日本武道協議会に加盟して全日本銃剣道連盟という組織を作り、スポーツの一つとしての武道として再興したのだそうです。

現代の銃剣道というのは、「木銃」という木製の長筒のような道具を使って対戦相手を突く競技となっているそうです。剣道の竹刀のようなものが、銃剣道では木の銃ということなのかもしれませんが、私はこの新学習指導要領の報道を聞いて、憂鬱な気持ちになりました。

もしかしたら私が銃剣道の練習風景や試合自体を見たことがないからそう思うのかもしれませんが、旧日本軍が使った銃剣のイメージは、払拭されていないように思います。明治期から導入された銃剣は、平安時代から続く薙刀とも、それ以前から続く刀(日本刀)とも違うように思えます。

柔道でさえ学校で教えるのは危ないと言われているのに、銃剣道が必修化されたらまた事故や事件が起きそうだなとも思えてしまうのですが、現在銃剣道を習っている3万人?の方たち(主に自衛隊関係者だそうですが)は、スポーツの武道として安全に習っているのだろうと思いますし、旧日本軍(大日本帝国陸軍)のようで怖いなと思うのは、一面だけを考えているからということになるのかもしれません。

でも、驚きました。銃剣道という武道を中学校で教えるようになる場合は、自衛隊出身者の方が学校に教えに来るようになるということなのかもしれません。剣道の竹刀がもしも木刀だったとしても危ないように思いますが、その銃剣道という木製の銃剣で相手の喉や胴を突くというスポーツが必修化されるかもしれないというのがどうして今なのだろうということも、少し思いました。文部科学省の天下り斡旋問題やそれが次々と公表されていることとも、何か関係があるのでしょうか。私はどちらかというとスポーツがあまり得意ではないなほうなので、柔道などの武道やダンスが必修化されるらしいと聞いた時にも思ったことなのですが、銃剣道というものが必修化されるらしいと知って、私の時でなくて良かったということも、また少し思いました。


あと、自民党と公明党による政府は学校法人・森友学園の籠池理事長を議院証言法違反(偽証罪)の疑いで告発しようとしているそうで、今日には大阪府と大阪市が補助金の不正受給の疑いで森友学園への立ち入り調査を行ったそうです。(不正受給というものを成立させた役所の側は、悪いということにもならず罪にも問われないのでしょうか。)

国会では、学校法人・森友学園への大阪府豊中市の国有地格安売却疑惑について多く取り上げられ、防衛省が自衛隊員の記した「日報」を廃棄処分しようとしていたことや、テロ等準備罪(共謀罪)のことや、核兵器禁止条約交渉に日本政府が不参加を表明したことや、与党の自民党の議員たちが敵基地攻撃能力(日本が外国からミサイル攻撃などを受ける前に、自衛隊がその外国の基地を先制攻撃して破壊する力)の保有の検討を安倍首相に求めたことや、日本の水道事業が民営化されて外国の企業も参入できるようになるという水道法改正案のことなどはあまり話し合われていないようなのですが、森友学園国有地問題で国会が停滞しているとするならば、その原因は、野党の追及の仕方が少しずれているというようなことにあるよりは、与党(官邸)やその仲間の役人が国有地売却関連の関連の公文書等を廃棄したと言い張って(実際に公文書を捨ても捨てた人は罪に問われないのでしょうか)この問題を自ら解明しようとせず、その問題の原因の全てを、籠池理事長夫妻や大阪府の私学審議会の方たち(役人ではなく、“有識者”のような民間の方たちそうです)や安倍昭恵内閣総理大臣夫人付きの谷査恵子さんという方のせいにしてごまかそうとしているところにあるように思えます。

戦後に衆参両院で廃止された「教育勅語」を子供たちに暗唱させるような森友学園の教育方針を現首相や大臣たちが国会で称賛していたということの不気味さも、森友学園への国有地払い下げの問題がその教育内容と共に公になって批判されるようになるまでは隣国の人を悪者にする思想を子供たちに植えつけるような森友学園の小学校建設を内閣総理大臣夫人や右派?の政治家や著名人たちが応援していたということも、その森友学園の問題をなぜか当初はNHKや日本テレビ系やフジテレビ系のメディアがなかなか報道しなかったということも、忘れてはいけないことであるような気がします。

それから、今日と明日で、2011年の3月11日の東京電力福島第一原子力発電所の爆発事故の影響で避難指示区域となっていた福島県の川俣町と浪江町と飯舘村と富岡町の避難指示の指定が解除され、自主避難した方たちが受けていた住宅の無償提供が打ち切られるそうです。今年の3月末とは言われていましたが、でも、本当に打ち切りになってしまうのでしょうか。私は避難者ではないですが、不安ですし、怖いことだなと思います。あれほど多くの方が亡くなった東日本大震災の被災による影響は(津波で人々が浜に打ち上げられているという臨時ニュースがショックでした)、6年では一区切りにはならないように思えます。原発産業を推し進めようとしている政府は被災者の方に被災地となった故郷の土地へ早く戻ってほしいようなのですが、放射性物質による汚染もすぐにはなくならないように思えますし、被災した故郷に戻る決断をした方の支援も、故郷に戻りたくても戻ることができない方の支援も、国には続けてほしく思います。
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