映画「シンデレラ」(2015年)

日本テレビの「金曜ロードSHOW!」で地上波初放送され、録画をしておいた、2015年公開のディズニーによる実写映画「シンデレラ」(吹き替え版)を見ました。

映画の原作はフランスの詩人のシャルル・ペローの童話『シンデレラ(サンドリヨン)』ですが、その童話の実写ではなく、1950年のディズニーのアニメ―ション映画「シンデレラ」の実写版だということでした。

ある国の森の奥の裕福なお屋敷で、母親が病死した後、商人の父親と暮らしていたエラ(リリー・ジェームズさん)は、ある日から父親が再婚を決めた未亡人のトレメイン夫人(ケイト・ブランシェットさん)とその娘のアナスタシア(ホリデイ・グレインジャーさん)とドリゼラ(ソフィー・マクシェラさん)と暮らすことになったのですが、それから間もなく父親が旅先で病死すると、家計の節約のために使用人に暇を出した継母と姉妹にはっきりと屋根裏部屋に暮らす使用人の灰かぶりの「シンデレラ」として扱われるようになりました。

それからしばらくして、森に鹿狩りに来ていたキットと名乗る貴族の若者(リチャード・マッデンさん)と出会って恋に落ちたエラは、王子がお城の舞踏会に国中の娘を招待してお妃選びを行うということを知り、その若者に会うために母親の遺品の古いドレスを着て舞踏会へ行こうとするのですが、継母と姉妹に同行を拒否されてしまいました。

母親のドレスを破られて悲しんでいたエラは、庭にいた老婆に食べ物を恵んでほしいと頼まれました。すぐに牛乳を渡したところ、老婆はフェアリー・ゴッドマザー(ヘレナ・ボナム=カーターさん)の姿に戻り、母親の遺言通りに勇気のある優しい娘に育ったシンデレラのために、魔法でかぼちゃを馬車に変え、ネズミを馬に変え、トカゲを御者に変え、古いピンク色のドレスを豪華な青色のドレスに変え、そしてボロボロの靴をガラスの靴に変えました。

夜の12時の鐘が鳴り終わると魔法が終わってしょまうからその前に戻って来るようにとのフェアリー・ゴッドマザーの忠告を聞いてお城の舞踏会へ出かけたシンデレラは、森で出会った少女が現れるのを待っていたキット王子と再会し、お城の花園のブランコで落ちたガラスの靴を王子に履かせてもらうなど、楽しい一時を過ごしていたのですが、夜の12時の鐘が鳴り始めたため、慌ててお城を抜け出し、何とか魔法が解ける前に実家のお屋敷の森の前まで到着しました。シンデレラは、靴の片方をお城の階段に落としてしまったのですが、もう片方を持っていました。

少しして、継母と姉妹たちも馬車で戻ってきました。シンデレラは急いで思い出のガラスの靴を隠したのですが、継母には見抜かれていました。継母は、シンデレラのガラスの靴を割り、硝子の靴の持ち主を探し始めた王子の使いからシンデレラの存在を隠すために、シンデレラを屋根裏部屋に閉じ込めました。

当初は国のためにもどこかの国の姫と結婚するよう王子に勧めていた老齢の国王(デレク・ジャコビさん)は、亡くなる間際、王子に愛する人と幸せになるようにと伝えました。

国中の女性たちにガラスの靴を試し履きしてもらった王子の使いの一行は、最後に国の外れのトレメイン夫人の屋敷にやって来ました。姉妹たちにはガラスの靴を履くことができないと分かった一行が帰ろうとした時、屋敷の中からきれいな歌声が聞こえてきました。村娘をお妃にするわけにはいかないとしてトレメイン夫人と結託していた大公(ステラン・スカルスガルドさん)は、それを無視して帰ろうとするのですが、一行の中に紛れ込んでいた王子は、大佐(ノンソー・アノジーさん)に命じて娘を探させ、トレメイン夫人に屋根裏部屋のシンデレラのところまで案内させました。

シンデレラは、母親の振りをして心配する継母のトレメイン夫人に、あなたが私の母親だったことは一度もないと告げて大佐と屋根裏部屋を後にし、ありのままの自分を受け入れてくれるだろうかと不安に思いながら、階下で待っていたキット王子と再会しました。そして、お互いの“真実の愛”を感じた二人は、お城で結婚式を挙げ、シンデレラは王子のお妃となり、一緒に平和な国を築いていきました。

映画の物語は、このような物語でした。

最近のディズニーの実写作品らしく、“悪役”のトレメイン夫人の側の描写があるなど、これまでのシンデレラだけを主人公とした物語とは少し異なっていたのですが、お城の舞踏会の前に森の中で偶然出会うとか、シンデレラがガラスの靴を履いているということを王子が夜の12時の階段でガラスの靴を拾う前に知るとか、そのような物語の筋も異なっていました。

ノーカット放送とは書かれていなかったので、本編にもカットされた部分はあったのかもしれませんが、この映画を見始めて、私はアニメーションの映画「シンデレラ」をちゃんと見ていないのではないかということに気付きました。そのため、ディズニー映画の「シンデレラ」とその作品を基に作られたこの「ディズニーが総力を挙げて制作した」という実写映画の「シンデレラ」とを比較することはできないのですが、少なくとも絵本で読んだいくつかの「シンデレラ」とは別の「シンデレラ」だったように思います。

王子の声を演じていたのは俳優の城田優さんで、シンデレラ(エラ)の声を演じていたのは女優の高畑充希さんだったのですが、私には、高畑さんの声はこの映画のシンデレラの声には合っていなかったような気もしてしまいました。

昨年の初夏のバラの花の季節、東京の千代田区の日比谷図書館で、「シンデレラの世界展 ~アメリカに渡ったシンデレラ・ストーリー~」という展覧会が開催されていました。アンティーク絵本のコレクターの川田雅直さんという方の「シンデレラ」に関するコレクションの展覧会で、ヨーロッパの『シンデレラ』の物語がアメリカへ伝わり、「夢に向かって着実に努力を続ければ誰もが必ず成功できる」という“アメリカンドリーム”を体現する物語として人気を博し、ディズニー作品として有名になるまでの「シンデレラ」の歴史や、様々な絵本作品や関連グッズなどが紹介されていました。

私も「シンデレラ」の物語を好きなので、この映画が放送されると知って見るのを楽しみにしていたのですが、この映画の「シンデレラ」は、思っていた「シンデレラ」とは少し違っていました。

NHKの「連続テレビ小説」かと思うほど、映画にナレーションが多用されていたのも気になりました(英語版も同じなのでしょうか)。主人公のシンデレラの感情をナレーションで説明してしまうという手法は、もしかしたら読み聞かせをする絵本のようなイメージで作ったのかもしれませんが、私には少し残念に思えました。

それでも、「勇気」と「優しさ」と「真実の愛」の大切さを説くディズニー映画らしい作品だということは、よく伝わってきました。

私は「ワンス・アポン・ア・タイム」というNHKのBSプレミアムで放送されていたドラマを好きで見ていたのですが、近年のディズニーが旧作品の実写化を進めているのはどうしてなのだろうということも、改めて気になりました。アメリカのディズニー作品にはヨーロッパの童話や小説を原作にしたものも多いように思えますし、現在は「美女と野獣」の実写映画が公開されていますが、もしかしたら実写映画化する作品が尽きているのかなとも思います。あるいは、旧作品と新作品との相乗効果を期待しているのでしょうか。原作を実写化するのならまだ分かるような気もしますが、人気のアニメ作品をあえて実写化するようなことはしなくてもいいのではないかなという気もします。

私は昔、歌手のホイットニー・ヒューストンさんが魔法使いを演じていた「シンデレラ」のミュージカル映画を見たことがあるのですが(この作品もディズニーによるものだったかもしれません)、シンデレラを演じていた女優さんがアフリカ系の方で、王子を演じていた方がアジア系の方だということに最初は少し驚いたのですが、そのようなところは見ているうちにすぐに慣れましたし、新鮮で面白くて、夢があって、とても良い映画だったという印象があります。

童話や絵本にもいろいろなタイプの「シンデレラ」があるということなので、映画の「シンデレラ」にもいろいろなものがあって良いのかもしれないとも思うのですが、シンデレラはシンデレラに見えたほうが良いですし、王子は王子に見えたほうが良いという個人的な印象で、私は今回に見た「シンデレラ」の映画よりも、昔に見た「シンデレラ」の映画のほうがずっと好きでした。
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