昭和の日と、刑法改正案や共謀罪創設案のこと

今日は「昭和の日」です。昭和天皇の誕生日だった日としては、私には、やはり昭和天皇が自然を愛していたということがよく伝わる「みどりの日」のほうが合っていて良かったように思えます。

昨日には森友学園の籠池前理事長の記者会見で田村嘉啓国有財産審理室長との会議の音声データが公開されていましたが(田村室長は隠されていたようでしたが)、一昨日のTBSの「NEWS23」では、共謀罪(テロ等準備罪)を新設する組織犯罪処罰法改正案の成立を優先しようとしている政府のために先月閣議決定された性犯罪を厳罰化する刑法改正案が廃案にされるかもしれないという危機感から、性犯罪刑法の早期の審議を求める署名が刑法性犯罪規定改正を望む有志の方たちによって自民党と公明党の議員宛に提出されたということが報道されていました。今性犯罪の被害に遭っている人を救うために、一日も早く刑法の性犯罪規定が改正されるべきだということでした。

性犯罪者は終身刑(日本では無期懲役刑)か死刑になったほうがいいのではないかと私には思えるのですが、今回の刑法改正案では厳罰化されるといってもそこまでではないようです。ただ、被害者が訴えなくても別の第三者が訴えて立件することができるという「非親告罪」になるということは、重要なことだと思います。

政府が「テロ等準備罪」と呼ぶ「共謀罪」の対象となる277の罪の一覧表には性犯罪もいくつか入っていました。「共謀罪」は、現行の「予備罪」よりももっと遠い準備行為を処罰するものだそうですから、性犯罪者に関しては早めに処罰されたほうがいいのではないかと思えなくもないのですが、「テロ等準備罪」が創設されたとしてそのための捜査がなされるかどうかは分かりませんし、その一方で、「冤罪」が増えそうなことも確かだろうと思います。

日本弁護士連合会の弁護士の方たちは共謀罪(テロ等準備罪)の創設に反対しています。アナウンサーの武田真一さんがキャスターを務めるNHKの「クローズアップ現代+」では、公開された「スノーデン・ファイル」のことと横田基地にいたことがあるというエドワード・スノーデンさんのこれから変わっていく日本社会への危惧が伝えられていましたが、昨年には刑事訴訟法も改正されて司法取引が導入されたり通信傍受の対象が拡大されりしているそうですし、アメリカ軍の基地が残されアメリカ政府の傘下のようになって追従している日本政府がアメリカ政府の指示で日本国民の監視を強め情報をアメリカに渡しているということは、長い間少しずつ行われていたことなのかもしれないなと思います。

スマートフォンに個人のデジタルデータの全てを集約させるというような政策もこれから行われていくようですが、それもその監視(情報管理や情報収集)の一環なのではないかなと思います。

14人のジャーナリストの方たちは、「監視は自由を殺す」と、共謀罪法案に反対する記者会見を開いたそうです。政策を占いに頼っているという噂のある安倍首相や、法務省の官僚の書いた文書を読み上げるだけの?金田勝年法務大臣の国会での奇妙な答弁では、テロ等準備罪では一般人は捜査の対象にはならないと言われていますが、昨日の報道によると、与党はGPS捜査をより積極的に使うことができるように検討をすることを決めたそうなのですが、また、盛山正仁法務副大臣兼内閣府副大臣は、一般人は捜査対象にはならないが、嫌疑が生じた時点でもはや「一般人」と呼ぶことはできない、という考えを示したそうです。

普通に考えると、犯罪者は罪を犯す前は一般の人で、「嫌疑」は一般の人に自然発生的に生じるものではなく、一般の人に「嫌疑」を生じさせるのは政府の指揮下にある警察ですから、盛山法務副大臣の見解によると、一般の人は政府や警察官に疑いの目を向けられた時点で「一般人」から切り離され、傍受や追跡や拘束を受ける「捜査対象」にされてしまうということになると言うことなのかなと思います。そうだとするなら、やはり戦前・戦中の「治安維持法」によく似ているように思います。

日本政府が共謀罪(テロ等準備罪)の創設の根拠としている国際組織犯罪防止国連条約(TOC条約)は、アメリカ同時多発テロが起きる前に作られたもので、「テロ」のことはそもそも想定されていないそうです。TOC条約は、暴力団やマフィアなどの組織によるマネーロンダリング(資金洗浄、悪いことで得たお金を少しずつ普通のお金と混ぜて一般市場でも不正なお金だと気付かれずに使うことができるようにすることだそうです)の行為を防ぐための法律だそうなのです。

「テロ等準備罪」の「等」が何を指すのかもはっきりと示されていない状況の中で、「テロ等準備罪」は「テロ事件を未然に防ぐための法律」だというような政府の説明を信じて、あったほうが良いのではないかと賛成している方もたくさんいるのかもしれないとは思いますが、テロを未然に防ぐためには仕方がないという大義名分で、277の罪の中のどの罪の嫌疑が自分や身近な人やささやかに普通に暮らしているだけの善良な誰かに突然かけられるか分からないというような、為政者や警察権力(あるいは戦時中の日本や今の北朝鮮のように密告システムができるとした場合は身近な人や近隣の人も含む)に個人の自由を妨害されたり部屋に侵入されたりするような世の中になるということは、怖いことだと思います。

今の与党の政治家の方たちへの信用度合の問題なのかもしれないとも思いますが、与党の賛成多数などによっていつか共謀罪(テロ等準備罪)が成立したとして、その後、誰かがその罪で逮捕されたとしても、特定秘密保護法というものも出来ていますし、一般の人たちには、逮捕されたその人が一体なぜ捕まったのかということの具体的な証拠を警察からは提示されないということもあるのではないかなと思います。なぜ捕まったのかが判然としないまま、拘束され続ける人が出て来ることになるのではないかなとも思います。

NHKのEテレの「100分de名著」で先日まで放送されていた、治安維持法違反の嫌疑をかけられて逃げてきた友人を匿ったとして逮捕され、昭和20年の9月に獄死した哲学者の三木清さんの『人生論ノート』の特集(指南役は哲学者の岸見一郎さんで、朗読は歌舞伎役者の市川猿之助さんでした)も、とても良かったのですが、その中で、世の中の流れのおかしいなと思っていることをおかしいと表明する機会があるにも関わらず表明しないということも悪いことだというようなことが言われていました。そのため、その考えにつながるような、ジャーナリストの方たち14人が大反対だと表明したことは、立派なことだなと思いました。
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