「しくじり先生」の茂木健一郎さんと、昨夜の「クローズアップ現代+」の沖縄の特集

日本テレビでドラマ「フランケンシュタインの恋」の第4話が放送されていた頃、テレビ朝日では今年の4月から放送時間が変わった「しくじり先生 俺みたいになるな!!」が放送されていて、ゲストは脳科学者の茂木健一郎さんでした。

私は最近この「しくじり先生」の番組を見ていなくて、今回の放送は、茂木さんが日本のお笑いは「オワコン(終わったコンテンツ)」だとご自身のツイッターで発言をしたことについて語るという理由で、久しぶりに録画をして見てみたのですが、私には、茂木さんがどうしてこの発言を「しくじり」として生徒役の芸人さんたちの前で反省したり謝罪をしたりしなくてはいけないのか、いまいちよく分かりませんでした。

個人の失敗から他の人にも通じるような普遍的な価値観を探していくような番組でもあるので、SNSで発言をする際に思ったことをすぐに書かないようにするなど、誰かに自分の意見を言う際に気を付けることを伝えるというような意図もあったのだろうとは思いますが、生徒役の芸人さんや芸人さんに近い地位のタレントさんたちから集中的に批判されている様子を見ていて、茂木さんはご自身の意見を貫いたほうが良かったというか、特にご自身を卑下する感じで出演をしなくても良かったのではないかなと思いました。

生徒役の芸人さんたち、あるいは茂木さんの「日本のお笑いはオワコン」の意見に反発したという大物芸人や芸能人の方たちが、芸人ではない茂木さんを、面白くないとか、自分が面白いと勘違いしているという風に悪く言っていたことも、気になりました。面白くない人は、テレビのお笑い番組などを見て感想や意見をSNSなどで呟いてはいけないのかなと、少し不思議に思いました。あるいは、脳科学者の茂木さんに「オワコン」と言われたことが、ある意味では当たっていたというか、芸人さんたちにはそれほど何か悔しく思えることだったのかもしれません。

私は海外のお笑いやコメディーを、昔のチャップリンの映画くらいで見たくらいにしか知らないので、チャップリンの「独裁者」のような映画と日本のテレビで流れている今のお笑いとを比べることはできないのですが、例えば、以前には、松村邦洋さんやザ・ニュースペーパーという方たちが国内の政治家のものまねをラジオの番組でもテレビ番組でもよく披露していて、話し方などよく似ていて面白かったように思うのですが、最近は(特に自民党の安倍晋三さんが首相になってからは)テレビではほとんど見なくなってしまいました。

茂木さんは、「しくじり先生」の中で、お笑いは「弱い立場の者を笑う」のではなく「強い立場の者を笑う」べきだということを話していましたが、「日本のお笑いは終わっている」というような茂木さんの発言の真意は、結局ここにあるのではないかと思いました(勝俣さんが言っていたのか東国原さんが言っていたのか忘れてしまったのですが、アメリカの芸人さんがトランプ大統領が何かおかしなことを言ったその日のうちにトランプ大統領のものまねをしているというようなことを例に挙げた茂木さんに、日本の芸人さんもトランプ大統領のものまねをしていると言って反論したのは、少しずれていたように思います)。それに、今に残っている江戸時代の浮世絵の中にも、権力者への力強い批判が込められている風刺画の作品がたくさんあり(そのために投獄されてしまった作者もいますが)、当時も人気があったそうです。

今回の茂木さんの回の「しくじり先生」の中で面白かったのは、最後の西川きよしさんの電話の件くらいでした。「しくじり先生」がお笑い芸人さんを中心にした番組なのだとしても、芸人さんたちを一括りにして「終わっている」と批判した脳科学者の茂木さんを、その発言の内容(強い者ではなく弱い者を笑うというお笑いについて)ではなく、脳科学者として終わっているという風に集団でバカにしたように笑い、茂木さんの意見を面白くないと批判したという(生徒役の芸人さんたちの仲間である)大物芸人さんを持ち上げるというのは、出演した茂木さんご自身がそれで良いと思っているのならそれでも良いのかもしれませんが、あるいは誰かが何かの事情のために考えた演出なのだとしても、一視聴者の私には、良いことだという風にも面白いことだという風にもあまり思うことができませんでした。

私は、テレビのことも、お笑いのことも、特に「終わったコンテンツ」だという風には思いません。ただ、最近は、お笑い番組(芸人さんが多く出演している番組)に関しては、以前よりも見なくなってしまいました。なので、若手の芸人さんのことも、おそらくほとんど分からなくなってしまっているのではないかと思います。でも、それはきっと日本のお笑い番組が面白くなくなったからとかではなく、単純に、何となく興味の方向が変わったとか、そのようなことなのだろうと思います。


ところで、昨日は、沖縄県の「本土復帰」から45年の日でした。大きな隕石が地球に落ちて来るかもしれないことを話し合う科学者たちの会議が東京で行われたとか、世界100か国以上がサイバー攻撃の被害に遭っているとか、北朝鮮が新型ミサイルを開発したとか、北海道の自衛隊の飛行機が行方不明になったということなどが報道されていた昨夜の民放のニュース番組では少ししか扱われていなかったのですが、NHKのニュース番組ではもう少し長く扱われていて、NHKの「クローズアップ現代+」や「時論公論」、BS日テレの「深層ニュース」ではもっとしっかりとした特集がなされていました。

「時論公論」の西川解説委員の沖縄に寄り添う解説も分かりやすくて良かったですし、「深層ニュース」(今年から近野宏明キャスターがメインになったようです)の元防衛大臣の森本敏さんと沖縄国際大学大学院教授の前泊博盛さんの話も、お二人の話に異なるところと共通するところとがあって良かったです。普天間基地よりも嘉手納基地のほうが事故が多くて実は危険だというのは以前にも聞いたことがあるのですが、尖閣諸島の内の久場島と大正島が在日米軍の管理下にあるのに日米安全保障条約の範囲内かどうかが話し合われているとか、尖閣諸島の二島(番組内で言われていた具体的な名前をちゃんと聞き取ることができませんでした)を国土地理院が中国名?で登録しているのを沖縄県が日本名に変えるように提言してもなぜか変わらないとか、そのようなことも番組の中で伝えられていました。

「クローズアップ現代+」は、録画をしておいたものを後で見たのですが、「沖縄復帰45年 深まる本土との“溝”」という、沖縄県の基地負担と沖縄県民への差別的発言の現状を伝える特集でした。生中継の夜の沖縄の国際通りには、キャスターの武田真一アナウンサーと鎌倉千秋アナウンサー、ジャーナリストの津田大介さんと、映画「人魚に会える日。」を撮った映画監督で大学生の仲村颯悟さんが来ていました。

調査によると(自民党議員の安倍晋三さんが首相になって以降の)この5年ほどの間に、沖縄県に対する「誹謗中傷」が増加したのだそうです。自民党の勉強会で作家の百田尚樹さんが沖縄の二つの新聞(『沖縄タイムス』と『琉球新報』)は偏向しているから潰さないといけないという趣旨の発言をしたことや、沖縄県の東村高江のヘリパッド建設に反対する住民に向かって大阪府警の機動隊の方が「土人」と呼んだことや、2013年に沖縄の市町村の役人の方たちがオスプレイ反対のデモを東京の銀座で行った時に道路の反対側に現れた日の丸の旗を掲げた男性たちから「オスプレイに反対する奴は売国奴」だという風に大声で罵られていたことなどが、実際の映像と共に伝えられていて、少し驚いたのですが、「クローズアップ現代+」のような番組でそのことを特集するというのは、公共放送のメディアとして正しいことであるように思えました。「人魚に会える日。」の監督の仲村さんのブログにも、映画の公開前なのにもかかわらず、「反日だ」というような謎の誹謗中傷の書き込みがいくつもあったのだそうです。

私は「本土」の人間なのですが、毎年第二次世界大戦(太平洋戦争)関連の特集がテレビで放送されていて、その中では沖縄の方たちの苦難の歴史も伝えられているので、「本土」(沖縄県外)に生きているとしても、戦時中を知らない時代に生きているとしても、沖縄の方たちが在日米軍基地の建設に反対する理由が何となくは分かるように思います。名護市の辺野古の海を政府が強行的に埋め立てて在日米軍基地を新しく建設するということに多くの沖縄県の方たちが反対しているということも、当然のことというか、ごく普通のことであるように思います。

そのため、私にはそのような沖縄の人たちが悪く言われるという理由がよく分からないのですが、そもそも、在日米軍が居続けることに反対するのが「反日(反日本?)」的で、在日米軍が居続けることに賛成するのが「日本」的というのは、一体どういう意味なのでしょうか。戦後に日本の主権が回復したといっても、日本はまだアメリカの支配下にあり、日米地位協定もそのままに、日本政府はアメリカ政府に追従しているので、米軍基地新設に反対する沖縄の人を非難する日本の「保守」あるいは「保守趣味」?の方たちもそのような政府と同様だということなのかもしれませんが、在日米軍基地の問題は日本の国内の問題なので、基地建設に反対する沖縄の人たちを「反日」や「売国」などと言って罵るというのは、何か本質とずれているというだけではなく、ごく普通に考えても酷いことだと思います。(それとも、自民党やその安倍首相を支持するようなタイプの保守系の方たちにとっては「日本がアメリカに日本の空や海や土地や情報を売る」場合は「売国」の内には入らないということなのでしょうか。それも何だか奇妙に思えます。)

番組の最後に仲村さんは、沖縄の人たちに向けて、本土の人たちには沖縄の人たちの気持ちが伝わらないと諦めてはいけない、伝え続けていればいつか伝わると思うというようなことを言っていたのですが、本当にそうだと思います。沖縄だけではなく、その都道府県の場合でも、その都道府県の人たちが言ってくれなければ他の都道府県の人たちには分からないということはあると思います。昨夜の「クローズアップ現代+」での仲村さんの話によると、沖縄県の問題に取り組む若い人たちが、沖縄の歴史をほとんど知らない他県の誰かからの心無い誹謗中傷に委縮をしてしまうこともあるそうなのですが、誹謗中傷のような怖い出来事に負けずに、沖縄の人たちの政府や在日米軍に対する複雑な思いをこれからも表現し続けてほしいと思いました。
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