文部科学省の前川前事務次官の記者会見のこと

一昨日、官邸が国家戦略特区とした愛媛県の今治市に安倍首相の「腹心の友」という方が理事長を務める学校法人・加計学園が獣医学部を設置するために獣医学部の新設が52年ぶりに認められた経緯を「官邸の最高レベルの言っていること」や「総理の意向」としている8枚のメモを、本物だと認めた前川喜平文部科学省前事務次官の、そのことを告発する記者会見の様子が報道されていました。

3日ほど前だったか、読売新聞に、天下り斡旋問題で引責辞任をした文科省の前川前事務次官が現役時代の平日の夜に「出会いバー」?に通っていたという記事があるのを知って、どうして「現事務次官」ではなく「前事務次官」なのだろうと不思議に思ったのですが、木曜日に発売された「週刊新潮」の広告や「週刊文春」の広告を比べて見て、加計学園の獣医学部の新設を目指していたらしい官邸が事情を知る前川前事務次官を潰そうとしているということなのかと分かりました。

記者会見は75分ほど行われたようで、私はその全部を見ることができたわけではないのですが、前川前事務次官は落ち着いて誠実に答えているように見えましたし、会見の言葉を聞いて、行政の意思決定の在り方が歪められていると告発した前川前事務次官は、少し前まで一緒に働いていた、今も国民のために文科省で働いている仲間たちや、長年勤めていた文部科学省という組織そのものを本当の意味で守ろうとしているのかもしれないなと思いました。

TBSの「NEWS23」では、前川前事務次官の単独インタビューの様子が放送されていました(少し前には、「瑞穂の國記念小學院」あるいは「安倍晋三記念小学校」を大阪府豊中市に開校予定だった学校法人・森友学園の籠池前理事長の単独インタビューを行っていました)。その中で前川前事務次官が、内閣の転覆を計っているわけではないですと答えていたのが、何だか面白く思えました。

「出会いバー」へ行ったのは、どこかのテレビ局のドキュメンタリー番組で女性の貧困の特集を見て、お店の実態や貧困の女性たちの実像を知りたいと思い、その番組で言われていたお店を探して通った、お小遣いをあげたこともあるというようなことを、前川前事務次官は記者会見や単独インタビューで話していました。子供の貧困の問題を解決しなければ女性の貧困の問題も解決しないということがよく分かったのだそうです。

安倍首相が熟読せよと国会で宣伝していた読売新聞の記事について、国家権力の側の脅しと思うかと質問された前川さんが、この国がそんな国だとは思いたくないと答えていたのも印象的でした。前川さんは、証人喚問された場合は国会へ行くとも答えていましたが、与党は野党による前川さんの証人喚問の要請を拒否しているそうです。

「前事務次官」だとしても、事務次官だった方が国家的事業に関する政府との意思決定の方法などを記者会見で話すというのはとても珍しいことのように思えますし、会見の内容が単純に面白く思えたので、前川前事務次官の話は、雑誌の連載にしたり、本にしたりということができそうにも思えました。

それに、「出会いバー」というお店に通っていたということや「天下りの斡旋の引責辞任」のことも記者たちから訊かれると知りながら逃げずに記者会見を開くというのは、それだけでも、とても勇気の要ることであるように思います。今の文科省は官邸や内閣府や内閣府といった中枢からの要請を断れない状況にあるとか、黒を白にしろと命じられているようなものだと前川さんは話していましたが、他の省庁の役人の方たちも、あっても無いことにしろという政治家からの命令や隠蔽の指示に苦悩しているのかもしれません。

それに、「出会いバー」へ通ったのはそこに勤めている貧困の女性たちの実態を知るためだったという前川さんの話が本当なら、あるいは本当かどうかを知るためには、前川さんに会った女性たちに話を訊けば、すぐに分かることなのではないかなと思います。

テレビ朝日の「報道ステーション」で紹介されていた表によると、加計学園が認可された日と、前川さんが事務次官を引責辞任した日は1月の同じ日でした。前川さんは、小泉政権の頃から時々政府からの命令を突き返していた方でもあるそうで、もしかしたらですが、官僚たちを管理して操りたい政治家にとっては邪魔な存在だったということなのかなとも思いました。文科省の天下りの問題が急に出てきた時、他の省庁にも天下りはあるのにどうして今文科省の天下り斡旋問題なのかと気になっていたのですが、それも、もしかしたらですが、(安倍首相夫人の安倍昭恵さんだけではなく下村博文元文部科学大臣夫人の下村今日子さんも関わっているという)加計学園の獣医学部を今治市にスムーズに作るための「天下り斡旋の公表」と「前川前事務次官の引責辞任」だったのかもしれません。一市民の私には、何となくそのようにも思えてきます。前川さんは、「4つの条件」(「石破4条件」とも呼ばれているそうです)を加計学園が満たしているという実質的な根拠が説明されていないと話していました。

菅義偉官房長官を始めとする自民党の議員さんたちは、森友学園の籠池前理事長の時と同じように、感情的になって、前川前事務次官のことを悪く言っています。以前のNHKの「クローズアップ現代」で、スタジオに来ていた菅官房長官が国谷裕子キャスターに怒っていたことがありましたが、その“器が小さい”感じに見えた菅官房長官のことを思い出します(なかなか忘れることのできない回だったようにも思いますが)。安倍首相やその仲間の議員たちが拉致被害者家族の蓮池透さんのことを北朝鮮の工作員(スパイ)だと国会で言ったということを知った時にも驚いたのですが、日本会議という組織とつながる安倍首相の仲間だった籠池前理事長のことも「しつこい人」だとか首相を侮辱したとか言っていたように、首相が官房長官や大臣のような国会議員たちが、その権力を使って、問題の核心部分をずらすように、個人の人格を否定するような攻撃を行うようなことにはやはり違和感があります。

為政者が不正を行った時、各省庁の現役の事務方の人たちが告発をするのも、退職した人たちが告発をするのもいけないということになったなら、国民はどのようにその権力を振るう側の人たち不正を知り、少しでもそれを正していくというようなことができるのでしょうか。

あと、これは前川喜平文部科学省前事務次官の記者会見のこととはあまり関係のないことなのですが(あるいはこれも関係があるのでしょうか)、週刊文春の関係者が週刊新潮の中吊り広告を印刷会社(出版流通会社?)の人から借りてコンビニエンスストアでコピーして発売前のスクープ情報を奪ったというような週刊新潮が主張し、文春側がそれを否定していることについて、現代にはデジタルカメラやスマートフォンのような道具があるので、情報を得るためだけならそれを使ったほうがコンビニでコピーをするよりも早くて簡単であるように思うのですが、新潮側の主張が正しいとするのなら、どうして文春側の人はわざわざ印刷所で他社の広告を借り、人の多い場所でコピーをするという手間のかかることをしたのかなと、この報道を聞いた時少し不思議に思いました。
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