「小さな巨人」第8話

TBSの「日曜劇場」のドラマ「小さな巨人」の第8話を見ました。

小野田義信捜査一課長(香川照之さん)が庇う、公務員の天下り先となる学校法人・早明学園を経営する元捜査一課長の富永拓三専務(梅沢富美男さん)が小野田捜査一課長に提出した、警察官僚の息子を含む学生たちが隠れて大麻を吸っている様子が映っていたためにこれまで隠していたという元捜査二課の刑事の江口和夫(ユースケ・サンタマリアさん)が殺害された事件当夜の防犯カメラの映像には、失踪中の経理課長の横沢裕一(井上芳雄さん)がトラックの荷台に乗って逃走する様子も映っていました。

その証拠映像から、小野田捜査一課長は横沢さんを犯人とし、捜査一課の第1係の係長の藤倉良一(駿河太郎さん)に、捜査に加えることにした豊洲警察署の刑事の香坂真一郎(長谷川博己さん)よりも先に、早明学園の裏帳簿を持つ横沢さんを確保するよう命じました。

横沢さんの妻の亜美の誕生日が近いことを知った香坂さんは、横沢さんが亜美さんに会いに来るかもしれないと考え、部下の刑事の三島祐里(芳根京子さん)に亜美さんと一緒にいるよう指示し、横沢さんから会いたいとの連絡を受けた亜美さんの周辺を、刑事の山田春彦(岡田将生さん)と見張ることにしました。しかし、横沢さんらしき人に先に声をかけたのは藤倉さんの部下の刑事たちでした。香坂さんと山田さんは、藤倉さんが自分たちを裏切るのではないかと考え始めました。

横沢さんが公園には現れなかったことに、豊洲署の刑事たちは、捜査情報が漏れていたのではないかと疑っていたのですが、三島さんは、亜美さんが自分のスマートフォンを使ったかもしれないことに気付いていました。数日後、横沢さんは、亜美さんに、お台場のショッピングセンターで会うという連絡をしてきました。

香坂さんと山田さんは、藤倉さんの指揮に不信感を抱きながらも、三島さんに亜美さんのことを任せていました。三島さんは、自分のスマートフォンを勝手に使って横沢さんと連絡を取っていた亜美さんに懇願されて、亜美さんが自首をする前の夫と会うことに協力することにしました。三島さんは、刑事の渡部久志(安田顕さん)たちが見張っている前で、亜美さんの服に水をこぼし、亜美さんの服を買いに行くと言って、亜美さんと洋服店へ向かい、試着室に入った亜美さんを他の刑事たちから守ろうとしました。

藤倉さんの指示で女性の警察官たちが試着室を開けると、そこに亜美さんの姿はありませんでした。亜美さんは、その隣の非常口を抜けて外へ出て、夫と再会し、夫にお金を渡していました。その場に駆け付けた三島さんと香坂さんと山田さんは、横沢さんは自首をするつもりではなかったのかと詰め寄りました。そして横沢さんは、現れた藤倉さんたち捜査一課の刑事たちに連行されることになりました。

香坂さんは、不正を隠蔽しようとしている小野田捜査一課長の命令に従う藤倉さんに、本当にそれでいいのか、どうして警察官になったのかと尋ねたのですが、藤倉さんは、俺は自分の正義を貫こうとするお前とは違う、組織の中での正義が自分の正義だと思っていると答えて去って行きました。しかし、藤倉さんは迷っていました。

香坂さんと山田さんが豊洲署に戻ってしばらくすると、藤倉さんが刑事たちと一緒に横沢さんを連れて現れ、横沢さんを最初に掴まえたのは香坂さんたちだからと、横沢さんを豊洲署に引き渡しました。藤倉さんは、小野田捜査一課長に不正を隠蔽させないために、小野田捜査一課長に従って出世をするという道を諦めたようでした。同僚の香坂さんに、トップになれと言って、豊洲署を後にしました。

しかし、藤倉さんが帰った後、豊洲署では騒ぎが起きていました。香坂さんが三島さんたちに訊ねると、横沢さんが逃走したというのです。横沢さんが見張りのいない場所で妻と会っていたということの理由を考え、内部に横沢さんと通じているものがいるのではないかと考えていた香坂さんは、山田さんがいなくなっていることに気付き、横沢さんが隠し持つ早明学園の裏帳簿を江口警部との「絆」と思っている山田さんが横沢さんを脱走させたのだと推理しました。その頃、逃げ出した横沢さんは、外で待っていた山田さんに、江口さんとの「絆」につながる鍵を手渡していました。

脚本は丑尾健太郎さんと成瀬活雄さん、脚本協力は八津弘幸さん、演出は田中健太さんでした。

富永元捜査一課長を庇っていることを認めて開き直る香川照之さんの演じる小野田捜査一課長のふてぶてしさが面白くもあるのですが、ドラマの中の、小野田捜査一課長や富永前捜査一課長に立ち向かう刑事の香坂さんや藤倉さんたちを見ていると、学校法人・森友学園への大阪府豊中市の国有地払い下げと謎の小学校の認可の問題の次に報道されるようになった、学校法人・加計学園の愛媛県今治市での獣医学部設置の認可に至るまでの行政手続きが歪められていたことを勇気をもって告発した、文部科学省の前事務次官の前川喜平さんのことなどをつい重ねて見てしまいます。

組織とは何か、正義とは何かということが、今の私にはまだよく分からないことではあるのですが、現実の社会で実際に起きている政治的な不正の事件と一緒に考えることができるという部分があるだけでも、このドラマは良いドラマだと思います。

前文科省事務次官の前川さんは、どこかの報道番組でのインタビューの中で、国民のために働く公僕になろうと公務員になったのに、今は公務員が一部の政治家の下僕のようになっていておかしいというようなことを話していました。確かに「公僕」と「下僕」では全く意味が異なります。

警察官や役人の方たちには、良い人のほうが多いのだろうとは思いますが、中には、福岡県の金塊窃盗事件の犯人に捜査情報を教えていたという愛知県警の数人の警察官のような、暴力団や半グレ集団と呼ばれる団体と親しくしている警察官や、元TBS記者で安倍首相の友人のジャーナリストの性犯罪を不起訴にした菅官房長官の秘書官だった中村格元警視庁刑事部長のような、一般市民にとって悪い警察官も時々いるように思います。そのような警察が警察権力を拡大する「共謀罪」の創設を政府に要求し、一般市民への監視や、予備罪などの現行法では逮捕することができないという謎の「未然の犯罪」での摘発を進めていくのだとしたら、それはやはり怖いことのように思います。与党の国会議員や参考人として呼ばれた刑事は、衆議院を通過する頃になって、当初は隠していた、一般市民も捜査対象だということを発言し始めています。「テロ等準備罪(共謀罪)」の創設に賛成する方の中には、自分は犯罪者にならないから大丈夫だと思っている方もいるかもしれませんが、自ら犯罪者にならないとしても、もしも自分が知らない間に犯罪者の関係者や周辺人物になっていたなら、人権や個人のプライバシーを守るための条文は作られていないという中で、今の法律の基準よりももっとよく分からない基準によって、犯罪者の仲間だと警察に推測されて疑われることになり、密かに監視された上に、不思議な罪を着せられることになるかもしれないのです。

警察が犯罪を未然に防ぐということは、犯罪者になっていない人を何かの理由で捕まえるということなので(先日にも放送されていた映画「マイノリティ・リポート」でも言われていましたが)、冤罪が増えることにもつながります。犯罪者になりそうな人がいつか捕まるのなら、犯罪者になりそうにない人が捕まるという多少の犠牲や冤罪があってもいいのではないかと思っている方もいるそうなのですが、冤罪はとても酷いことで、多少でもそのような犠牲はあってはいけないことで、その冤罪や犠牲が自分や自分の身近な人や穏やかな生活を送っているだけの一般市民の誰かになるかもしれないのに、どうして多少のことは仕方がないと、計画や未遂以前の未然の犯罪(それを犯罪と呼ぶこともそもそも間違っているように思いますが)を防ぐということについて思うことができるのでしょうか。

ドラマでは、警視庁警務部監察官の柳沢肇(手塚とおるさん)が、小野田捜査一課長の裏を調べているようです。また、富永さんが捜査一課長の時代に所轄に送った元捜査一課の刑事の、今は老人ホームのような施設で暮らしている香坂さんの父親の敦史(木場勝己さん)は、富永元捜査一課長の過去の不正の何かを知っているということのようでした。

藤倉さんに逮捕された横沢さんは、江口さんの殺害について否定はしていなかったのですが、江口さんを殺したのは横沢さんというのは、その通りなのでしょうか。まだ分からないことも多いですが、次回の「小さな巨人」も楽しみにしていようと思います。
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