「小さな巨人」第9話

TBSの「日曜劇場」のドラマ「小さな巨人」の第9話を見ました。

豊洲警察署の刑事課の課長代理の香坂真一郎(長谷川博己さん)は、学校法人・早明学園の裏帳簿を調べていた元捜査二課の刑事の江口和夫(ユースケ・サンタマリアさん)を殺害したとして身柄を確保し、捜査一課の第1係の係長の藤倉良一(駿河太郎さん)に引き渡された、早明学園の元経理課長の横沢裕一(井上芳雄さん)を豊洲署内から逃亡させた罰として、自宅謹慎を命じられたのですが、自宅に戻ると妻の美沙(市川実日子さん)からお客さんが来ていると言われ、見るとリビングにいたのは豊洲署からいなくなった刑事の山田春彦(岡田将生さん)と横沢さんでした。

横沢さんは、自分が屋上へ行った時には江口さんは頭から血を流して倒れていて(その現場にもペンが落ちていたようでした)、そこに現れた富永専務が自分に罪を着せるための偽装をしていたと話しました。横沢さんをしばらく匿うことにした香坂さんは、その間、元捜査一課長の富永拓三専務(梅沢富美男さん)のことを調べ直すため、所轄を見張れ!香坂を見張れ!と激怒する小野田義信捜査一課長(香川照之さん)から待機を命じられていた部下の刑事の三島祐里(芳根京子さん)たちと一緒に、横沢さんが持っていた裏帳簿のコピーの17年前の2000年の資料を調べていました。資料は、国有地を買い取る代わりに政治家に便宜を図ってもらうということをしている早明学園が、有力者に献金を行っていた記録で、その中には富永さんの他、山田さんの父親である元刑事局長の山田勲官房副長官(高橋英樹さん)の名前もあったのですが、原本ではその下が破り取られていました。

香坂さんと山田さんは、当時のことを知っている人物として、認知症を患って介護施設に入所している、元捜査一課の刑事で富永さんの部下だった香坂さんの父親の敦史(木場勝己さん)に話を聞きに行ったのですが、敦史さんは富永元捜査一課長についても山田元刑事局長についても何も答えませんでした。ただ、捜査一課の刑事の渡部久志(安田顕さん)たちが近付いてきた時、はっと“刑事の勘”を取り戻しました。そして、捜査令状を持っていない刑事たちを追い返そうとし、渡部さんは敦史さんに従いました。そして、ベランダに隠れていた山田さんが、再度資料を敦史さんに見せると、敦史さんは資料を指し、山田との絆、と呟きました。

17年前に父親が運転手の死を自殺として処理するよう部下に命じていたのを目撃して衝撃を受けていた山田さんは、合計3億円の献金を早明学園から受けていた父親に会いに行き、資料を見せて問い質そうとしたのですが、父親は、現れた小野田捜査一課長と共に、資料があるから何なのだ、献金は何の問題もない、早明学園は国のために立派な人材を育てているのだという風に開き直り、息子を不法侵入者として小野田捜査一課長に連行させました。山田さんは、お父さん!と叫んだのですが、父親は知らないふりをして息子を相手にしませんでした。

しつこい取り調べを受けていた山田さんは、ある夜、小野田捜査一課長に呼び出され、捜査一課長の部屋の奥の棚の中の金庫を見せられ、この中には歴代の捜査一課長がやむ無く封印したものが入っている、お前の知りたがっているものはこの中に入っていると、裏帳簿の在り処の情報との取り引きを持ち掛けられました。

香坂さんは、小野田捜査一課長の運転手を務めている元芝警察署の刑事の渡部さんから協力の申し出を受け、少し迷ったものの、渡部さんに協力してもらうことにしました。

金崎玲子理事長(和田アキ子さん)の旧姓は、山田でした。金崎理事長の事件当夜のアリバイは、理事長室で仕事をしていたというものでした。金崎理事長は、突然訪ねて来た香坂さんに再びそのことを訊かれ、何の物音も聴こえなかったと答えていたのですが、江口さんが殺された時のように、三島さんたちが高いところから重い金属を落とす実験をすると、理事長室にはすごい音が響き、金崎理事長は驚きました。何者かの知らせを受けて駆け付けた富永専務は、香坂さんに激怒したのですが、金崎理事長を連行するために現れたのは、捜査一課ではなく、捜査二課でした。仲間の江口さんの殺人事件の捜査を香坂さんに頼んでいた捜査二課長の松岡航平(高橋光臣さん)は、金崎理事長を不正な献金疑惑の知能犯罪で連行し、捜査二課には力を及ぼすことのできない元捜査一課長の富永専務は、黙って見送ることしかできませんでした。

渡部さんと横沢さんの二人は、早明学園の裏帳簿を取り出すため、貸倉庫へ急ぎました。鍵を開けると、中には分厚いファイルが並んでいたのですが、そこに小野田捜査一課長の部下の刑事たちが現れ、横沢さんを逮捕し、資料を持ち去ってしまいました。

監察官の柳沢肇(手塚とおるさん)から、小野田捜査一課長は上司だった香坂敦史を内部告発してのし上がったと教えられた香坂さんは、小野田捜査一課長を許さないと、対決意識を露わにしていました。横沢さんが逮捕された後、小野田捜査一課長に呼び出された香坂さんは、裏帳簿の破り取られた箇所には小野田捜査一課長の名前が書かれていると推理し、その箇所は金庫の中に入っていると言う小野田さんから、重い十字架を背負う覚悟はあるのかと迫られ、覚悟はあると断言しました。小野田捜査一課長は、金庫を開け、封筒から一枚の古い紙を取り出し、香坂さんに投げるように渡しました。拾った香坂さんは、それを見て腰を抜かしたように床に倒れ込みました。そこにあったのは、香坂さんの父親の名前だったのです。

その頃、小野田捜査一課長に何も話さず、留置所に戻されて悔しがっていた山田さんは、父親が運転手の死を自殺とするよう命じていた警察官が香坂敦史さんだったことを思い出していました。

脚本は丑尾健太郎さんと成瀬活雄さん、脚本協力は八津弘幸さん、演出は渡瀬暁彦さんでした。

最終回の一つ前の物語だった第9話は、いろいろなことが一気に詰め込まれていた印象でもありましたが、登場人物たちの顔の圧力?も含め、二転三転する展開が面白かったです。

香坂さんのお父さんの敦史さんは何かを知っている人なのだろうとは思いましたが、まさか事件の当事者だとは思いませんでした。早明学園からの敦史さんへの献金がもしも本当だとするのなら、小野田捜査一課長の「内部告発」も、出世のために捏造されたものではなく、正しかったものだったということなのでしょうか。でも、そうだとすると、柳沢監察官が香坂さんに言った小野田さんのことは、少し違うということになってしまうようにも思えます。

17年前の事件には、旧姓が山田だった金崎理事長も関わっているようでしたが、第9話までの登場人物の中で一番権力のありそうな人物は、山田さんの父親の、元刑事局長の山田勲官房副長官です。

このドラマを見ていると、今報道されている、学校法人・森友学園や学校法人・加計学園と安倍政権との癒着のことを思い出すので、山田官房副長官と小野田捜査一課長が、早明学園は国のために良い人材を育てている、という風に山田さんに言って開き直っている場面を見ていて、ミャンマーからの留学生をたくさん受け入れる仕事?を昭恵夫人が名誉顧問を務める団体と加計学園が行っているということを指摘された安倍首相が先日の国会で、「加計学園は良いことをやっているんだから」と小学生のような(小学生の方にも失礼になってしまうかもしれませんが)答え方をしていたことを思い出しました。ドラマはその首相答弁の後に作られたわけではないのだろうと思いますが、偶然似たようなことになったのでしょうか。

森友学園問題の追及は止まっていますが、続いている加計学園問題に関しては、前文部科学大臣事務次官の前川喜平さんが告発をしたことをきっかけに、「怪文書」と言い張っていた菅官房長官か安倍首相か松野文部科学大臣か、誰の指示かはよく分かりませんが、文部科学省内の再調査を行うことにしたようでした。再調査を行うのは第三者機関ではなく、再調査の結果をいつ国民に公表するのかは不明です。このドラマ「小さな巨人」の登場人物のように資料が出て来たからといってそれが何だと開き直るのかもしれませんし、コミー前FBI長官の議会証言を受けたアメリカのトランプ大統領のように「嘘」だとか「偽物」だとか言い張るのかもしれませんし、「行政府の長」だという安倍首相は「印象操作」という言葉を繰り返しながら責任を取ることはしないのかもしれませんが、これでも安倍内閣の支持率が50%近くあるという世論調査の結果は、いつも本当に不思議に思えます。

先日の日曜日の朝の10時の少し前、TBSの「サンデーモーニング」の最後の「風をよむ」というコラムのようなコーナーを見ることができたのですが、そこでは安倍内閣を突出して支持しているのは20代だということが言われていました。10代の結果はなかったのですが、その棒グラフでは30代が一番低く、20代の次に支持していたのは40代だったような気がします(40代、50代、60代は同じくらいでした)。番組の取材に応じていた20代の方たちの、安倍内閣を支持する主な理由は、安定していて安心できるから、野党があまり信用できないから、というものでした。いわゆる「消去的な支持」というものだったのですが、支持は支持です。番組では、若い人たちにとっては、就職ができるとか、目先の経済の安定が第一なのだろうという風に言われていたのですが、一方では非正規雇用が増え、経済格差は拡大していると聞くのに、安倍内閣を支持しているという20代の方たち(SEALDsも大学生の方たちの集まりだったようなので、実際にどのくらいいるのかは不明です)がどうして経済が安定しているという風に思うことができるのかなと、少し不思議に思いました。

東日本大震災の頃に与党を務めていた民主党の印象があまり良くないというのだということならそれは分からなくもないですが、今の安倍政権は「長期政権」になっているので、今の10代や20代前半の方たちは民主党の前に酷かった自民党やその第一次安倍内閣ことをよく知らないということもあるのかなと思いました。別の政権に代わってこれ以上悪くなるよりは、多少悪くても今のまま変わらないほうが安定するのではないかというような現状維持の考えなのかなとも思いました。

でも、番組のインタビューに答えていた安倍内閣を支持する20代の方の答えは、いつかどこかの報道番組で見たのですが、事実上一党支配のようになっている中国共産党について中国の人に訊いていた時の、与党を支持している理由と同じ内容の答えでもあるように思えました。他の党よりは良さそう、というタイプの支持です。どの党も良さそうに思えない、というような意見ならともかく、「安倍一強」と呼ばれて平気でいる情けない今の自民党、国民や憲法や国会を軽視し、人事権を掌握し行政に介入して三権分立を蔑ろにしようとしている今の自民党を、他の党よりも良さそうという風に思って消極的にでも支持するということは、今の私には少し難しいことのように思えます。

ドラマでは、江口さん殺しの謎や金崎理事長の謎がまだ残されていますし、本当の“裏切り者”だと小野田捜査一課長の言う香坂さんの父親の謎も残されていますが、香坂さんの父親が隠していることを、父親自身が証言することはできるのでしょうか。予告によると、次回の最終回は20分拡大版で放送されるそうです。どのような最終回になるのか、楽しみにしたいと思います。
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