「共謀罪」の創設が可決したこと

今朝の報道によると、午前7時45分頃、参議院法務委員会での採決を省略し、参議院本会議で審議を行うことを「中間報告」という形で省略して、参議院本会議での採決を行った与党の自民党と公明党と野党の維新の会の賛成多数により、「共謀罪」の創設を含む組織犯罪処罰法改正案が可決・成立したのだそうです(昨日にも、NHKでの国会中継はありませんでした。先に国会に提出された性犯罪の厳罰化が盛り込まれた刑法改正案はまだ成立していないそうです)。

与党が「テロ等準備罪」と呼ぶ「共謀罪」を人権を侵害する恐れのあるものとしてあまり不安に思っていない方や自分には特に関係のないことと思っている方の中には、民進党や共産党や社会党や自由党などの野党の議員さんが学校法人・森友学園や加計学園の疑惑ばかりを審議に持ち込むから共謀罪の審議ができなかったのではないかと思う方もいるかもしれませんが、金田法務大臣に雑で無機質な答弁をさせ、あるいは刑事局長を参考人として国会に呼び、金田法務大臣の答弁を安倍首相が抑えるのを黙認して、共謀罪についてのまともな答弁を行わないようにしていたのは、与党の自民党と公明党の議員さんたちです。

加計学園の加計孝太郎理事長の“腹心の友”だという安倍首相、あるいは自民党総裁の安倍晋三さんを首相として維持しておきたい安倍政権の人々は、岡山理科大学に獣医学部を新設したいという加計理事長の願いを聞き入れるために、安倍首相を議長とした国家戦略特区制度を利用して、獣医師会や文部科学省などの「既得権益層」を守ろうとしている人たちによる「岩盤規制に穴を開ける」のだと言いながら、既得権益層の仲間に、獣医学部の新設を申請していた京都産業大学を外して、加計学園だけを入れるという不思議なことを行ったということを、ヤンキー先生だった義家文部科学省副大臣が文科省の職員の方たちを脅かすようなことを言ってまで、共謀罪の創設を含む組織犯罪処罰法改正案を急いで強行採決(安倍首相が熟読せよと国会で宣伝していた読売新聞の系列の日本テレビの報道番組でも今回の採決を強行採決と呼んでいました)してまで、どうしても隠したいということなのかなと思いました。

安倍首相は、共謀罪(テロ等準備罪)の創設はTOC条約(パレルモ条約)の締結に必要でこれを作らないと東京オリンピック・パラリンピックを開催できないと言っていました。でも、日本弁護士連合会によると、TOC条約とは、そもそもテロ対策のための条約ではなく、マフィアや暴力団などの組織によるマネーロンダリングなどの経済的犯罪を取り締まるための条約で、共謀罪などという法律を創設しなくても現行の日本の法律ですぐに批准できる条約なのだそうです。安倍首相やその仲間の方たちが、国民に嘘をついてまで、警察権を警察が犯罪を疑う者の周辺者(周辺者はもはや一般市民です)にまで拡大させ、戦前・戦中の時代には戦争に反対する考えを持つ芸術家やジャーナリストの方たちを特高警察が次々と逮捕して拷問していたという治安維持法のようになってしまうかもしれないとの心配の残る、共謀罪を創設したいというのは、どうしてなのでしょうか。政府が共謀罪を作ろうとしている本当の目的は、TOC条約に必要とか東京オリンピックが開催できないとかの嘘以外には、公表されていないので分からないのだそうです。特定秘密の情報なのかもしれません。

戦前には、今の公明党の支持母体の創価学会を作ったという思想家の牧口常三郎さんという方も、治安維持法違反や不敬罪によって逮捕されて獄死しているそうですし、同じ頃に起きた企画院事件では、国策として国家総動員計画を立案していた企画院(前身は内閣調査局)の職員や国家公務員も、治安維持法違反で検挙されたり逮捕されたりしたのだそうです。企画院の官僚の中には安倍首相の祖父の岸信介元首相もいて、当時の岸信介さんは、宝塚歌劇団を創設した阪急東宝グループの創業者で商工大臣だった小林一三さんと対立していたそうです。小林一三さんと企画院の官僚との対立は、NHKで以前放送されていたドラマ「経世済民の男」(とても楽しい作品でした)でも少しだけ描かれていました。

「中間報告」で本会議での採決を行ったのは、臓器移植法が成立した時以来なのだそうですが、臓器移植法案の時には、臓器移植に賛成か反対かという与野党の議員の表が新聞に掲載されるほどでした。与党の中にも野党の中にも、臓器移植に賛成の方と反対の方がいました。今回の、数年後の未来には国民の人権や自由が侵害されるかもしれないという共謀罪法案については、与野党の議員の賛成反対の表が新聞に掲載されることもなく、与党議員さんの中に反対の方がいるということも言われていませんでしたが、自民党や公明党や野党の維新の党の議員の中には、本当は良くない法律案なのにと思いながらも賛成票を投じたという方もいたのでしょうか。それとも、全員が本気で賛成していたのでしょうか。どちらにしても、賛成票を投じてこの共謀罪法案を可決・成立させたのなら同じことかもしれませんが。私は今のところはまだ、警察権の拡大を認める共謀罪の創設というのは、日本の社会にとってあまり良くないことというか、少し怖いことであるように思えているので、自民党と(その暴走の歯止めになると支持者の方たちが思っていたはずの)公明党と維新の党が、共謀罪を成立させたことを残念に思います。

例えば沖縄県の辺野古の海の在日米軍基地の建設に反対したり、原子力発電所の再稼働に反対したり、安倍政権そのものに反対したりしている活動家?の方たちが、国連の人権団体の方が日本の共謀罪創設は危ないと指摘しているように、突然謎の「公務執行妨害」のような罪で捕まって長期間拘留されるとか、メディアが委縮して政権を批判する報道をほとんどしなくなるとか、そのようなことが今よりも増えるのかどうかは分かりませんが、もしも施行されることになったなら、与党が「テロ“等”準備罪」と呼ぶ「共謀罪」(「改正組織犯罪処罰法」)が権力者によってどのように使われるのかということを、多くの国民が忘れずにちゃんと見ていなければいけないということなのかもしれないなと思いました。
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