「小さな巨人」最終回

TBSの「日曜劇場」のドラマ「小さな巨人」の最終話(第10話)を見ました。

第二章の解決編となる最終話は、同僚の藤倉良一(駿河太郎さん)の入手した元捜査二課の江口和夫刑事(ユースケ・サンタマリアさん)の殺された夜の富永専務(梅沢富美男さん)の通話記録と新聞記者の佐川勇人(好井まさおさん)を使って、刑事の山田春彦(岡田将生さん)と共に留置所を出してもらうことに成功した豊洲警察署の課長代理の香坂真一郎(長谷川博己さん)が、捜査一課の刑事だった17年前の父親の敦史(木場勝己さん)が出そうとして出さなかった「辞職願」に書かれていた「山田さんとの絆」の真相を探るため、事件の警察の警察として真実を知りたいだけだと言う、江口刑事が殺される前日に捜査一課長の小野田義信(香川照之さん)が江口刑事に学校法人・早明学園の裏帳簿の捜査を行おうとするのを止める現場を目撃していた警視庁警務部監察官の柳沢肇(手塚とおるさん)から与えられた、江口刑事殺しの被疑者として拘束されている早明学園の元経理課長の横沢裕一(井上芳雄さん)が送検されるまでの36時間の内に、江口刑事殺しの真犯人を示す証拠となる早明学園のペンのキャップの行方と、国民に対する正義よりも組織の無事を優先した17年前の富永捜査一課長に処分するよう命じられていたはずの裏帳簿の破り取られたページの提出を、現職の捜査一課長として警察組織を守ろうとする小野田捜査一課長に刑事の勘と覚悟を持って強く求めていく、という話でした。

脚本は丑尾健太郎さんと成瀬活雄さん、脚本協力は八津弘幸さんでした。演出は田中健太さん、渡瀬暁彦さん、池田克彦さんでした。

17年前、早明学園の理事長の金崎玲子(和田アキ子さん)は、山田さんの父親の、当時は刑事局長だった山田勲官房副長官(高橋英樹さん)に大金を送り、その見返りとして長年申請が通らなかった学校建設の認可を得たのですが、賄賂のことが世間に知られそうになると、山田勲はその責任を運転手の松山さんに押し付けました。トカゲの尻尾切りにあった松山さんは、入手した裏帳簿を旧姓・山田の金崎理事長に見せて公表すると脅し、裏帳簿を強引に奪い取ろうとして顔を切った金崎理事長に突き飛ばされて転落死したのですが、松山さんは落ちる時、金崎理事長の血の付いた裏帳簿の1ページを掴んで破り取っていました。

金崎理事長は、山田勲さんから松山さんの死を事故死として処理するよう命じられた香坂さんの父親に相談し、自首を決意したのですが、富永さんに説得されて丸め込まれて断念し、辞職をする覚悟でいた香坂さんの父親も所轄の刑事として富永さんに見張られながら、息子のために刑事の仕事を続けていたようでした。香坂さんの父親は、いつの間にか名前が使われていただけで、お金を受け取ってはいなかったようなのですが、証拠を隠滅することにした富永捜査一課長に逆らうことができなかった小野田さんに内部告発をされ、所轄に左遷されたのでした。

山田さんは、辞職覚悟で小野田さんのところへ一人で向かう香坂さんを、あなたは組織という怪物に立ち向かう小さな巨人です、と見送っていました。真犯人の金崎理事長を捕まえるための証拠である17年前の裏帳簿の切れ端を出してもらうため、隠滅するよう指示された証拠を重い気持ちで17年間隠し持っていた小野田さんに、あなたの正義を見せてくださいと訴える香坂さんと、捜査一課長としてとしてその必死の熱意に応える小野田さんの圧力のある場面が良かったです。小野田さんと香坂さんは、「殺人犯は逮捕されなければならない!」という思いで一致していました。

横沢さんは無事に釈放され、妻の亜美(中村アンさん)と再会しました。逮捕された金崎理事長は、江口刑事殺しは認めたものの、17年前の殺人については否定したということでした。山田官房副長官は体調不良を理由に辞任し、富永専務も罪に問われることはなかったようでした。早明学園がその後どうなったのかは不明です。

藤倉さんは捜査一課第1係の係長に戻り、渡部さんは自らの希望で芝警察署の刑事に戻り、小野田捜査一課長は、豊洲警察署の新しい署長となっていました。香坂さんと山田さんも捜査一課に復帰したのですが、香坂さんは金崎理事長の血の付いた裏帳簿の切れ端をお守りのようにスーツのポケットに入れて持っていました。

警察官を守る法律はないから警察官は自分の身を自分で守らなければならないということが言われたところで終わっていたのですが、柳澤監察官が本当の怪物は香坂さんなのかもしれないと指摘した最終回は、20分拡大版の物語の中に2話分が入っているのではないかと思えるほど詰め込まれた展開になっていたためか、説明的な台詞も多く、私にはいまいちすっきりとしない終わり方でもあったように思います。

「怪物」のような組織に立ち向かう「小さな巨人」である香坂さんにも「怪物」の要素が盛り込まれてしまうと、せっかくのその正義が、組織人らしい保身のためのものに成り下がってしまうように思えるのですが、そのくらいでないと立ち向かうことができないということなのかもしれないなとも思います。小野田さんに代わる新しい捜査一課長が誰なのかは描かれていませんでしたが、香坂さんがいつか捜査一課長になることがあるとしても、一般の国民にとって良い捜査一課長になるといいなと思いました。

刑事ドラマとして見るには、少しざっくりとしているように思えてしまうところもあったのですが、警察組織と警察官個人の葛藤や闘いを描くドラマとして、偶然だろうとは思いますが現実の安倍内閣の政治家たちと学校法人・加計学園の加計孝太郎理事長との癒着・利益供与疑惑問題と何となく重なる部分もあり(韓国の逮捕された朴槿恵元大統領の疑惑の頃にも取材をもとにした再現ドラマのようなドラマが放送されていたと聞いたことがありますが、今の日本の場合はさすがにそうはならないようです)、いろいろ見応えのあるドラマになっていたように思います。
プロフィール

Author:カンナ
ブログ初心者です。
感想などを書いています。
マイペースで更新します。
すきなもの
 月・星空・雨・虹・雪
 飛行機雲・入道雲・風鈴の音
 透き通った水・きれいな色
 富士山・東京タワー・ラジオ・音楽
 本・絵画・ドラマ・(時々)アニメ
 掃除機をかけること
にがてなもの
 人ごみ・西日・甘すぎるお菓子
 

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
カウンター
検索フォーム