前川前文科事務次官が参考人招致された国会のことや、共謀罪のことなど

先日の東京都議会議員選挙での自民党の歴史的な惨敗に関して、自民党の石破茂衆議院議員は、自民党なるものへの反感があった、自民党の立ち居振る舞いに有権者は敏感だった、というようなことを話していたそうで、他の自民党の議員さんの中にも、惨敗した理由を、自民党の政策や質疑応答の内容が問題視されたのではなく、態度が問題視されたからだと考えている方がいるようなのです。

有権者は都議選で自民党にお灸を据えようとしたのだろう、というような考えは、自民党はまだ期待されている、という思いからの考えではないかとは思いますが、有権者は、態度が気に入らないとかそのようなことでは、投票先を決めないような気がします。そのような有権者もいるかもしれませんが、多くの有権者は、各党の政策を見て、その中から良さそうなものをいくつか選んで考えて投票しているのではないかと思います。都民ファーストの会の議員さんに投票した方も、あるいはその他の公明党や共産党や民進党などの党の議員さんに投票した方も、自民党の議員さんに投票したくないからというだけではなく、その立候補者の公約の中から何か良いものを見つけて、投票したのではないかと思います。自民党の方たちが「自民党の奢り」を自覚しているように言いながら、お灸を据えられただけなのだと思っているとしたなら、そこにはまだ「傲り」なるものが残っているような気がします。

学校法人・森友学園の籠池泰典前理事長のように、以前は支持していたけれど最近支持できなくなったという方もいるのだろうと思いますが、私は、2006年の第1次安倍内閣の頃から、日本のことをあえて「美しい国、日本」などと言い出した安倍首相のことを、何か気持ち悪いというか、少し不気味であるように思えていたので、それは第2次や第3次の今の安倍内閣への印象まで一貫して変わっていません。

自民党自体の印象も、大臣経験のない安倍晋三議員が「総理大臣」になるまでは、それほど悪くはありませんでした。小泉純一郎内閣での官房副長官だった安倍さんのことも、最初は、北朝鮮の拉致被害者を日本に帰国させた政治家の一人として特に悪い印象はなかったですし、拉致問題を頑張っている人だとも思っていました。でも、自民党が野党だった2012年に出されたという自民党の憲法改正草案を読んで、天皇陛下を国家元首にして為政者の権限を強めて国民の個人の権利や自由を抑えようとする自民党という政党への不気味な印象は増してしまいました。

今の自民党もまだ、野党時代の改憲草案の内容を撤回してはいませんし、日本国憲法よりも大日本帝国憲法のほうを尊重しようとするような、戦後の時代よりも明治時代以降の富国強兵の戦前・戦中の時代を高く評価するような、国民の個人の権利を弱くして国家への義務を強くすることを良しとするような、テロ対策だと嘘をついて共謀罪法を強行的に成立させるような、天皇は宮中で祈ってさえいればいいと言って退位(譲位)のための皇室典範改正を拒否して今上陛下の特例法に終わらせるような、そのような精神を持った議員の方たちが作っている国家主義的な党であり続けているのなら、支持することは難しいように思えます。

安倍首相は自身を批判するメディアに反発しますが、小泉さんの後に内閣総理大臣になった安倍さんが退陣した後に内閣総理大臣になった、福田康夫元総理大臣や漢字が読めないという麻生太郎元総理大臣がメディアに叩かれていたこともありますし、旧民主党の鳩山由紀夫元総理大臣や菅直人元総理大臣や野田佳彦元総理大臣さんもそうでしたが、表立ってメディア批判をする総理大臣というのは、今の安倍政権になるまでは、いなかったように思います(私が知らないだけかもしれませんが)。政治に疎い一般市民の一人の私から見て、過去の総理大臣の中にも良くないなと思う総理大臣はいましたが、それでも、それはある政策や政治家としての在り方が良くないように思えただけで、総理大臣や与党の総裁を務めているその人自体を嫌いというか、何だか気持ち悪い人だという風に思ったことはありませんでした。それは普通のことであるように思いますが、今改めて考えると、少し不思議なことであるようにも思います。

前文部科学省事務次官の前川喜平さんが、今の政権の在り方を批判する際に、記者の質問に答えて、自分は別に反安倍ではないとか、安倍内閣を倒す(倒閣する)つもりはないとか、そのようなことをいちいち言わなければいけないというのも、何だかおかしいことであるように思います。解散権を持っているのは総理大臣なので、批判をしたくらいで内閣が倒れるわけでもないのですし、政治の批判をするのは誰でも自由であるはずです。反安倍とか親安倍とか、今の日本は奇妙です。以前には、反小渕とか、反小泉とか、反福田とか、反麻生とか、反鳩山とか、反菅とか、反野田とか、そのようなことは言われなかったような気がします。同じ日本人なのに、安倍晋三首相を支持している方たちが、安倍首相を支持していない人たちのことを「反日」だと呼ぶというのも、奇妙なことに思えます。そもそも現首相の安倍晋三さんは、今の自民党の総裁を務める一国会議員であるというだけで、日本でもなければ、日本の象徴でもないです。

ドイツで開催されたG20へ向かう際にも、「公人」ではなく「私人」だと閣議決定された内閣総理大臣夫人の安倍昭恵さんは夫と共に誰かに手を振りながら政府専用機に乗っていましたが、安倍昭恵夫人は別料金を支払って乗っていたのでしょうか。内閣総理大臣夫人が「私人」とされた件について、メディアの記者の方たちはもう何も言わないことにしたのでしょうか。


九州北部豪雨の大きな被害が出ているのにG20閉幕後にも外遊を続けていた安倍首相の欠席した昨日の10日の国会閉会中審査(NHKの総合テレビでは生中継されていて、私も少し見ることができました)での、紙を読まずに自分の言葉で冷静に誠実に分かりやすく話していた参考人の前川喜平前文科事務次官と、用意された紙を延々と読み続けていた山本幸三内閣府特命担当大臣(地方創生・規制改革大臣)のような安倍内閣側の出席者たちの差は、はっきりとしていたように思いました。

民進党や共産党や社民党などの野党の議員たちは、前川さんの発言と官邸側の発言のずれを出していたのだろうと思います。前川さんは、規制緩和の是非(良いか悪いか)ではなく、規制緩和の仕方や特定業者の選定の仕方に問題があった、平成30年の4月に今治市に加計学園の大学が獣医学部を新設して開校するということが決められていたことが問題だということを指摘し続けていました。「構造改革特区」ではなく、安倍首相の言う通りに「国家戦略特区」でどんどん獣医学部のある大学を創るというのなら、2校目以降を創るまでには6年以上、あるいは10年以上待たなければならないと説明し、「加計学園ありき」の疑惑については、内閣官房や内閣府、愛媛県今治市や学校法人・加計学園の関係者から話を聞かないと分からないのではないかと話していましたが、本当にそうなのだろうと思います。

自民党の平井という議員の方は、事務次官だった在職中に言わなかったのに辞めてから言うな、というような、いつもの前川さん批判で質問を展開していましたが、その直後には、事務次官は内部告発するとか考えるなというようなことも言っていて、意味不明というか、意見が矛盾しているように思いました。

自民党や公明党、維新の会などの安倍首相寄りの政党の議員さんたちは、加計学園が今治市に建設中の岡山理科大学への獣医学部新設許可問題に関係のない「天下り」や「出会い系バー」の話を持ち出して前川さんを貶めるための個人攻撃を繰り返していましたが、長時間国会にいた前川さんの話しぶりは落ち着いていて、証言の内容も以前の記者会見の場と同じく一貫していましたし、(「確認できていない」とか「記憶にない」などと答えて逃げ続ける安倍・加計側の菅義偉官房長官や萩生田官房副長官や山本幸三大臣や常盤豊文部科学省高等教育局長のような方たちとは異なり)論理的に破綻しているようなところもなかったように思います。

前川さんと政府側(官邸側)の人々のどちらが真実を言っているのか分からないと思う方もいるようですが、私には、実際のことはよく分からないとしても、やはり前川さんのほうが誠実に答えているように思えます。

畜産の獣医師が足りないのは、獣医学部を卒業した人の数が足りないからではなく、待遇が悪いからだそうなので、待遇の改善をすれば足りるようになるのではないでしょうか。あるいは前川さんが言っていたように、獣医師の養成には多額のお金(税金)がかかるので、獣医学部のある既存の大学の学生の定員数を少し増やしたほうが良いということになるのではないでしょうか。加計学園の大学に獣医学部を新設したい政府の側の人々は、「加計学園ありき」として行政が歪められたという説を唱える人々を、既得権益層を守る政策は良くないという風に反発して否定しているようなのですが、安倍首相を議長とした国家戦略特区の諮問会議が加計学園だけを既得権益層の仲間に入れることを決定したということについては、どのように思うのでしょうか。

与党側が参考人招致をした加戸守行前愛媛県知事(この方も日本会議の関係者だそうです)は、今治市の市有地に加計学園の大学を招致して獣医学部を設置することについて、それを進めていたという旧民主党政権を評価し、欧米に遅れないような獣医師を養成したい、加計学園がたまたま愛媛県会議員の今治選出の議員と加計学園の事務局長がお友達であったからこの話がつながって来て飛びついた、自分としては12年前から「加計学園ありき」だったと認めていました。愛媛県の方々、あるいは今治市の方々は、この加計学園問題あるいは獣医学部新設問題のことを、どのように思っているのでしょうか。

安倍首相の欠席する国会の閉会中審査に前川喜平さんが参考人招致された昨日、大阪府議会では森友学園の前理事長の籠池泰典さんが参考人招致されていたそうです。菅義偉官房長官や萩生田光一官房副長官などは出席していましたが、維新の会の松井大阪府知事は籠池前理事長が現れる直前に帰ったそうですし、疑惑の中心を知っている側の人々、安倍首相夫妻(昨日は外遊中です)、加計学園の加計孝太郎理事長(どこにいるか分からないそうです)、今井尚哉首相秘書官、今治市長、和泉洋人首相補佐官、杉田和博官房副長官、木曾内閣官房参与兼加計学園理事、藤原審議官、農林水産省の人や厚生労働省の人や財務省の人、大阪航空局の人、国税庁長官になった佐川理財局長、安倍昭恵夫人の付き人だった経済産業省の谷査恵子さん(海外にいるという噂があるそうです)などは、現れませんでした。

国会中継で自民党の議員の質疑や答弁を見た自民党支持者ではない国民が、自民党を支持するようになるとは思えませんが、自民党は、安倍内閣の支持率が30%前半にまで下がっている(まだ約30%あるということにも少し驚きますが)としても、それを無視して開き直って、また嘘をついて説明責任を果たさないまま、今の政権を続ける(逃げ切る)予定なのかもしれません。

昨夜の日本テレビの「NEWS ZERO」(久しぶりに少しだけ見ることができました)では、村尾キャスターが、山本地方創生大臣が獣医学部の需要動向を量や数字では表せないし表さなくてもいいのだと答弁したことについて触れて、(今治市に建設中の加計学園に)獣医学部を新設するということが税金の使い道として正しいのかどうかを、ゼロから考え直さなければいけないという風に話していました。

森友学園問題も加計学園問題も、登場人物や政府や行政の役職名がいろいろ飛び出して来るので少し複雑に思えるところもあるのですが、どちらも、安倍首相夫妻やそれに近しい政治家たちが政治権力を利用して多額の税金を自分と同じ思想を持つ仲間たちへの利益のために使っているということなのではないかなと思います。森友学園への大阪府豊中市の国有地格安売却も、加計学園への愛媛県今治市の市有地無償譲渡?も、つまり、税金の不正利用の話なのではないかなと思います。

それにしても、“政府(安倍政権)の敵”のようになっている、加計学園問題を告発した前川前文科事務次官や、森友学園問題の当事者の一人の籠池前理事長は、「たった一人の戦い」になっています。ニュース番組を見ることくらいしかできない一般市民の私には、そのようなところも少し不思議に思えます。国民のために真実を突き止めるということが目的だろうと思うので、勝ち負けではないかもしれませんが、多勢に無勢、という印象でもあります。政府の不正を訴える前川さんや籠池さんには、そのことを国会で証言することができるような、記者会見を開くことができるような、具体的な“味方”がいないように見えます。

森友学園の思想に共感するなどしてその私立小学校(私学)を創るための補助金を籠池前理事長に不正受給させた側(補助金を不正支給した側?)の方たちは、なぜか安倍首相夫妻を守ることや、安倍夫妻や自分たちの関与を隠すことに必死であるように見えます。でも、今現在首相を務めているというだけの安倍晋三議員に、一体どのような強い権力があるというのでしょうか。安倍首相を守ることが彼らの相当な利益につながっているのでしょうか。あるいは、安倍首相夫妻かその関係者に、自分の家族を人質にでも取られているのでしょうか。菅官房長官たちが自分の印象を客観的に悪くしてまでも、どうしても安倍首相夫妻を森友・加計学園問題から逃がそうとする感じは、学校の部活動などでの“縦社会”的なものや“集団行動”でさえ少し苦手な私には、何というか、いまいち意味が分からないことですが、選挙で国民に選ばれた国会議員の方には、国会議員仲間のためにではなく、国民のための政治を行ってほしいように思います。

和泉首相補佐官は、昨日の国会の中で、菅官房長官や民進党の方から、優秀な人物だと言われていました。長い間簡単に嘘をつき続けている安倍首相や、前川喜平さんへの個人攻撃を表に出て来ない元公安警察の杉田官房副長官のせいにする菅官房長官は、意地になっていつまでも関与を認めないのだろうと思いますが、各省庁の現職の事務次官の方や優秀な方だという和泉首相補佐官が、前文科事務次官の前川さんのように、勇気を出して政権の不正の告発をすれば、森友学園や加計学園の問題はもっと早く解決するのではないかなと思います(加計学園にも補助金不正受給疑惑があるそうですが、籠池前理事長のように加計理事長が告訴されることはあるのでしょうか)。官邸の人事に怯えることなく?正しいことを言う人が登場するというのは、難しいことなのかもしれませんが、前川さんや籠池さんの証言を強めることのできる“味方”が現れてほしいように思います。


ところで、安倍首相夫妻が欧州の外遊先から政府専用機で日本に戻るという今日から、安倍政権(自民党や公明党や維新の会)が国会で答弁内容をごまかしながら強行的に採決して成立させた、共謀罪(与党は「テロ等準備罪」と呼んでいます)を含む「改正組織犯罪処罰法」が施行されるのだそうです。この法律には、政治家や警察官などの公務員の方が起こす可能性のある罪(公職選挙法や政治資金規正法、政党助成法違反、特別公務員職権濫用罪、暴行陵虐罪など)は、入っていないそうです。安倍首相の友人の山口敬之というジャーナリストによる詩織さんへの性犯罪を北村滋内閣情報官や菅官房長官の元秘書官の中村格刑事部長の指示で隠蔽するような警察組織が、新設された共謀罪法を為政者のために悪用するようなことはしないという保証はどこにもないということですが、国家の三権(立法権、司法権、行政権)の分立の原則が壊れかけているという日本は“これから”本当に「安全な国」になっていくのでしょうか。大手メディアも(民主主義を諦めずに、自由に頑張っているメディアももちろんあると思いますが)政府のおかしいところをおかしいと追及することができるようになるでしょうか。少し不安に思います。でも、思想の自由や表現の自由は今も日本国憲法で保障されているのですし、大切なことは、国民がこの謎の新しい法律を恐れて萎縮や自粛をしないことなのだそうです。
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