「SHERLOCK(シャーロック)4」第1回

NHKのBSプレミアムの海外ドラマ「SHERLOCK(シャーロック)4」の第1回「六つのサッチャー」を見ました。

楽しみにしていた「SHERLOCK(シャーロック)」のシーズン4の第1回は、前作(映画「忌まわしき花嫁」の前のシーズン3)の最終回でシャーロック・ホームズ(ベネディクト・カンバーバッチさん)が友人のジョン・H・ワトソン(マーティン・フリーマンさん)と実はスパイだったその妻のメアリー(アマンダ・アビントンさん)を守るために新聞王のマグヌセンを殺したことを、兄のマイクロフト・ホームズ(マーク・ゲイティスさん)が、政府中枢のスモールウッドたち国会議員に口外しないよう説明し、別の誰かが撃ったことにする動画の細工と報道禁止を約束させるというような場面から始まっていました。シャーロックは、その間にも自由に「ツイート」をしながら、自殺したジム・モリアーティ(アンドリュー・スコットさん)の計画したゲームの始まりを待っていました。

一方、ジョンの妻のメアリーは、娘を生み、ロザムンド・メアリーと名付けました。世界のバラという意味だそうです。教父(代父)になってくれとジョンに頼まれたシャーロックは、「神とは目に見えない魔法の存在に全責任を押し付ける無能な奴らが考え出したフィクションだ」と突き放しつつも、ロージーが洗礼を受ける儀式に参加していました。

「ワトソン、君は見ているが観察していない。君にとって世界は理解できない謎でも、僕には単純明快だ。論理か気まぐれか選ぶのは君だ。君は行動がどんな結果を生むか分かっていない。」とシャーロックが言っていた相手が、0歳児のロージーだったところも面白かったです。シャーロックは、「君はガラガラを持っていたければガラガラを投げるんじゃない。」と拾ったガラガラをロージーに手渡したのですが、またすぐに投げつけられていました。

サブタイトルにもある「六つのサッチャー」は、スコットランド・ヤードのレストレード警部(ルパート・グレイヴスさん)から相談を受け、政治家が誕生パーティーの夜に旅行中の息子と電話で話した1週間後、自宅の庭に停まっていた息子の車が追突されて炎上し、空であるはずの車の中から息子の焼死体が発見されたという事件を推理することになったシャーロックが、その政治家の自宅リビングのテーブルの上に飾られていたマーガレット・サッチャー元首相の写真や人形などの中に一緒に置かれていた胸像が何者かに盗まれて玄関先で割られたという事件に興味を持ち、全部で六つ作られていた胸像の行方を探し出して壊された目的を探るという話でした。

商人がサマラで自分を待っていた死神に会う話が繰り返し出ていたのですが、それは、予感とは人間関係の糸の編み目の揺らぎだと話していたシャーロックの運命だけではなく、メアリーの運命をも表していました。サマラの死神の話は、サマセット・モームが短編にもしているそうなのですが(私は未読です)、もともとはアラブの昔話にある物語なのだそうです。

今回は、前回からのジョンとメアリーの夫婦の物語の続きなのかなとも思いながらドラマを見ていました。ロンドンの赤いバスの中で自分を見ている女性のことを気にしていたジョンが、頭にロージーをあやすための花が付いたままになっていたことに気付いて納得するという場面や、ロージーが泣き出した夜にメアリーのそばでスマートフォンを触っているという場面は、夫婦の暮らしのごく穏やかな一場面のように思えていたのですが、しかし、その後を見ているうちに、ジョンの一連の行動が、6年前のスパイ時代の「A・G・R・A」の一人だったメアリーがジョージア国の英国大使館での大使夫妻救出の仕事の失敗以降、「アモ」という言葉を口にする敵に捕まった仲間の一人から疑われていた「裏切り」と重ねられていたということが次第に分かり、とてもよく練られた構成のドラマだなと、「シャーロック」の面白さを改めて思いました。

シャーロックとメアリーとロージーを抱えたジョンは、ハッカーのクレイグから犬のトビーを借りて胸像の行方を探し、シャーロックが侵入者と闘って見つけ出した、六つのサッチャーの胸像に隠されていたのは、インターポールが探している「ボルジアの黒真珠」ではなく、「A・G・R・A」と書かれたUSBメモリーでした。

自分の命が狙われていると知ったメアリーは、ジョンと娘のロージーを守るため、家族の元に戻るという一人で旅に出ました。ノルウェーやイランやモロッコの町を歩き、ある路地裏の家にたどり着きました。しかし、そこに待っていたのは、シャーロックとジョンでした。USBに追跡装置を仕込んだのだということでした。

シャーロックは、僕が君を守ると、メアリーに繰り返し伝えていました。しかし、メアリーが助けたがっていた、メアリーを「裏切り者のイギリス女」だと思い込んでいたスパイ仲間の命を助けることはできませんでした。

その後、帰国してロンドン水族館に向かったシャーロックは、国会議員のスモールウッドの秘書のヴィヴィアン・ノーブリーに声をかけました。ノーブリーこそ、スモールウッド議員と一緒になって自分の敵をスパイに殺させたという「裏切り者」でした。シャーロックは、夫と死別した孤独なノーブリー女史が嫉妬心からメアリーの平穏な日々の暮らしを壊そうとしたということを問い詰めました。メアリーは、ノーブリーを追い込むシャーロックを止めようとしたのですが、その時、ノーブリーが拳銃を取り出し、シャーロックに向かって引き金を引きました。メアリーは、シャーロックの前に飛び出して胸部に弾丸を受け、瀕死のメアリーは、駆け寄るジョンに幸せだったと言って娘のことを頼み、シャーロックにもあなたのことが大好きだと伝えました。そして、あなたの妻になれて良かったとジョンに感謝をして、息を引き取りました。ジョンは、シャーロックに激怒し、シャーロックを責めました。シャーロックがあの場でノーブリーを追い詰めなければ、メアリーは死ぬことがなかったからかもしれません。

メアリーのことを知って泣くハドソン夫人(ユナ・スタッブスさん)に、シャーロックは、これから僕が自信過剰になったり調子に乗ったりしたら「ノーブリー」と言ってくださいと頼んでいたのですが、それから、ハドソン夫人に渡された、朝届いたという記録メディアをパソコンで見始めました。「Miss Me?(会いたかった?)」と表に書かれていたそのメディアに入っていたのは、メアリーが自身で撮影した動画でした。

メアリーは、これをあなたが見ているということは私は死んだのだろうとした上で、もし私が死んだらジョン・ワトソンを救ってほしいとシャーロックに依頼していました。しかし、ジョンの力になろうと会いに行ったシャーロックは、ジョンに拒絶されてしまいました。

原作はサー・アーサー・コナン・ドイルの探偵小説『六つのナポレオン』です。脚本はマーク・ゲイティスさんとスティーブン・モファットさんで、演出はレイチェル・タラレイさんでした。エンディングの音楽が流れエンドクレジットの字幕が出て来たので、ここで終わりだと思っていたのですが、続きがありました。動画の中の生前のメアリーが、最後、シャーロックに「地獄へ落ちろ」と吐き捨てるように言っていました。

子供の生まれたワトソン夫妻の幸せな話から、よくある夫婦の話になるのかなとも思っていたので、今回の最後にジョンの妻のメアリーがいなくなるという展開にも、死んだモリアーティの影を心の奥底で探し求めているシャーロックの呪われたような運命がジョンとの友情を突然引き裂くという展開にも驚きました。

でも、これは、全3話の「シーズン4」の第1話です。次回にはまた、シャーロックとジョンには別の展開が待っているのだろうと思います。死神は我々全員をサマラで待っている、と考えていたシャーロックは、サマラを避ける方法も考えようとしていたようでした。相変わらずよく出来たドラマだなと思います。放送時間には見ることができないかもしれないのですが、録画をしつつ、残りの2話の物語も楽しみにしていようと思います。
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