「SHERLOCK(シャーロック)4」第2回

NHKのBSプレミアムの海外ドラマ「SHERLOCK(シャーロック)4」の第2回「臥せる探偵」を見ました。

前回の最後、シャーロック・ホームズ(ベネディクト・カンバーバッチさん)は、自分の代わりにノーブリーの弾丸を受けて死亡したメアリー・ワトソン(アマンダ・アビントンさん)からの生前のメッセージの中で「地獄へ堕ちろ、シャーロック」と言われていたのですが、それは呪いの言葉ではありませんでした。

夫のジョン・H・ワトソン(マーティン・フリーマンさん)を救ってほしいとシャーロックに頼んでいた元有能なスパイの妻のメアリーの、シャーロックへの的確なアドバイスでした。メアリーには、ジョンが自分の死のことでシャーロックと絶交するとまでは予想できていなかったかもしれませんが、あるいはシャーロックがそうであるように、予想することもできていたでしょうか。

カウンセリングを受けるジョン・ワトソンのそばには幽霊のような幻のメアリーがいて、ジョンはその頭の中のメアリー(そのことはメアリーによる解説がなくても分かるものだったような気がします)と話す日々を送っていたのですが、一方でメアリーと共にジョンを失ったシャーロックは、薬物漬けの朦朧とした日々を過ごしていました。

今回は、ベイカー街の221Bを訪ねてきた、有名な実業家で慈善事業家でもあるカルヴァートン・スミス(トビー・ジョーンズさん)の娘のフェイス・スミスから相談を受けたシャーロックが、カルヴァートンが実はシリアルキラー(連続殺人鬼)だと気付き、その罪を暴こうとする話でしたが、そのカルヴァートンのキャラクターも含めて、これまで以上に異常さが際立っていて、シャーロックが「高機能社会不適合者」であるという部分もより現実的?になっていたような気がします。

そもそも、これまでは、このドラマシリーズの名探偵・シャーロックは、原作のサー・アーサー・コナン・ドイルの小説のシャーロック・ホームズとは異なり、実際には薬物中毒者ではなかったような気がします。それが今回のシャーロックは、薬物中毒者になっていました。でも、それは、親友のジョン・ワトソンを救うためでした。ジョンは助ける人だというメアリーの推察と、そのためにはシャーロックが地獄へ堕ちなければいけない、そうすればジョンは必ずシャーロックを助けにくるだろうという、シャーロックへのアドバイスを受けたものでした。

素早く展開するドラマを見ていた私は、シャーロックの薬漬けの状態が、妻を失った親友のジョンを救いたいというシャーロックの命懸けの思いによるものだと知って、そのシャーロックとジョンの深過ぎる友情に目眩がしてきました。

それは、あるいはもしかしたら狂気のような過剰とも言える映像表現のためかもしれませんが、凝っているのは映像だけではないです。シャーロックが4つ目の録音機を用意していた辺りなど、シャーロックに関する筋を通すあまりに分かりやすくなってしまうようなところもあったように思いますが、ミステリー作品として、よく練られている物語だなと改めて思います。今回も、とても面白かったです。

脚本はスティーブン・モファットさん、マーク・ゲイティスさん、脚本はニック・ハランさんでした。主な原作は、サー・アーサー・コナン・ドイルの小説『瀕死の探偵』です。

もしもエリザベス女王が実は殺人犯だったなら、という小児病棟へシャーロックとジョンを案内したカルヴァートンのたとえ話にも少し驚きましたが、イギリスは日本よりも自由だなと思いました。その後、ジョンが浮気をしていたことをシャーロックや亡きメアリーに打ち明けて反省したり、シャーロックがアイリーン・アドラーとのメールのやりとりを続けていると告白してジョンから交際することを勧められたり、誕生日(1月6日という説があります)をジョンにお祝いされたりするなど、シャーロックがジョンに言っていたように、自分たちは結局は「人間」なのだという悲哀?のようなものも描かれていたように思います。兄のマイクロフト・ホームズ(マーク・ゲイティスさん)が一時的な拘束を免れたスモールウッド議員から私用の連絡先を渡される、という謎の出来事もありました。

それとはまた別に意外だったのは、マイクロフトとシャーロックというホームズ兄弟に、「秘密の妹」がいたという展開でした。私はそのことが明かされる場面になるまで全く気付かなかったのですが、シャーロックが221Bの部屋で会い、明け方のロンドンのテムズ川の前で幽霊のように消えたフェイス・スミスは、ユーラスというホームズ兄弟の秘密の妹でした。

オッドアイのユーラスは、「Miss me?(会いたかった?)」というメッセージを送り続ける亡きジム・モリアーティ(アンドリュー・スコットさん)の件とも、何か関係のある人なのでしょうか。

殺人鬼のカルヴァートン・スミスから瀕死のシャーロックを救ったジョンは、メアリーの死を乗り越えることができたようで、最後には、メアリーの幻影の姿を見なくなっていたようでした。しかし、その後、カウンセラーに扮していたユーラスに捕まり、銃口を向けられていました。

シャーロックが時々見ている子供の頃の夢には、秘密の妹の問題が関係していたのかもしれません。予告によると、次回にはそのことが描かれるようでした。

今回はハドソン夫人(ユナ・スタッブスさん)が活躍していたのも良かったです。ただ、これはハドソン夫人とは関係のないことなのですが、ジョンにシャーロックを診てもらいたいハドソン夫人の車がカーチェイスのように走っていた場面などで有名なクラシック音楽(ベートーヴェンの「第九」)を大きな音で流すという演出は、私には少し残念に思えてしまいました。日本の刑事ドラマでもよく見る演出であるように思えたためかもしれません。

前回の最後に壊れていたシャーロックとジョンの友情は、今回の“劇薬”によって回復したようですし、次回の最終回の「シャーロック4」の物語も楽しみにしたいと思います。
プロフィール

Author:カンナ
ブログ初心者です。
感想などを書いています。
マイペースで更新します。
すきなもの
 月・星空・雨・虹・雪
 飛行機雲・入道雲・風鈴の音
 透き通った水・きれいな色
 富士山・東京タワー・ラジオ・音楽
 本・絵画・ドラマ・(時々)アニメ
 掃除機をかけること
にがてなもの
 人ごみ・西日・甘すぎるお菓子
 

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
カウンター
検索フォーム