「SHERLOCK(シャーロック)4」第3回(最終回)

NHKのBSプレミアムの海外ドラマ「SHERLOCK(シャーロック)4」の第3回(最終回)「最後の問題」を見ました。

前回の最後には、シャーロック・ホームズ(ベネディクト・カンバーバッチさん)に“秘密の妹”がいることが分かり、今回の最初のほうでは、兄のマイクロフト・ホームズ(マーク・ゲイティスさん)を怖がらせたシャーロックとジョン・H・ワトソン(マーティン・フリーマンさん)が、マイクロフトからユーラス・ホームズというシャーロックとは1歳違いの妹が実在することを引き出しました。

マイクロフトによると、東の風の神という意味を名前に持つユーラスは、兄妹以上の天才でした。しかし、でたらめなお墓のある先祖の館で暮らしていた子供の頃のシャーロックは、赤ひげという名前の飼い犬をユーラスにさらわれ、行方不明となった赤ひげが溺れ死んだらしいという事実がトラウマとなり、豊かだった感情を次第に失っていったということでした。その後、ユーラスは館に放火をするという事件を起こして政府に保護されたようでした。

政府の要人となったマイクロフトは、両親には娘のユーラスは再び起こした火事によって焼け死んだと報告したそうなのですが、深く病んだ心と並外れた頭脳を持つユーラスを、犯罪者たちを隔離するために建てられた絶海の孤島にあるシェリンフォードの要塞の中に閉じ込めていました。

ベイカー街の221Bの部屋に来たマイクロフトは、弟のシャーロックと、シャーロックが家族のように思っている親友のジョンにそのことを話しました。天国は騙されやすい人や怯えた人が抱く幻想だが地獄は確実に存在する、君たちが会ったのは幻想だとマイクロフトは言いました。

その時、センサー付きの爆弾を積んだドローンが部屋の中に入ってきました。階下の部屋で掃除機をかけているハドソン夫人(ユナ・スタッブスさん)を助けなくてはいけない3人は、ハドソン夫人の動きを読んで、掃除機を片付けに行ったところを見計らって一気に動き、ドアに近いマイクロフトはハドソン夫人を助けに向かい、シャーロックとジョンは爆炎や爆風に押し出されるように部屋の窓から飛び降りました。

それからシャーロックとジョンは、濃霧の中を航行する船を海賊のように乗っ取ってシェリンフォードの孤島へ上陸しました。船員のおじいさんとジョンが警備員に捕まり、二人は所長に取り調べられることになったのですが、所長が変装だと見抜いたおじいさんはマイクロフトでした。不審な船員に気を取られている所長からユーラスの見張りを頼まれていた男がシャーロックでした。シャーロックはユーラスが監禁されている部屋へ向かい、1メートル以上近付いてはいけないと注意書きの書かれたガラスの部屋に中でヴァイオリンを弾くユーラスに話しかけました。ユーラスもシャーロックに話しかけました。

ユーラスには、小さい頃から他人をマインドコントロールしたり、その人の精神構造をプログラムし直したりする才能があったようでした。ユーラスは会った人たちを次々と“奴隷”にしていたようで、所長もその一人でした。ジョンとマイクロフトは所長に捕まってしまいました。近付いてガラスに触れてとユーラスに言われ、その通りにしたシャーロックは、あると思っていたガラスがなかったことに気付くのですが、その直後ユーラスに捕まり、ユーラスを脱走させてしまいました。所内のテレビ画面には、「会いたかった?」のジム・モリアーティ(アンドリュー・スコットさん)の姿が現れていました。

その頃、サングラスをかけた変な男がヘリコプターで孤島に上陸していたのですが、それは、5年前にマイクロフトを訪ねて来てユーラスと会ったモリアーティだったようでした。

そうして、ユーラスに監禁されたシャーロックとジョンとマイクロフトと所長は、モリアーティとユーラスの始めた「ゲーム」に参加させられることになりました。所長はユーラスに捕まった妻を助けようとして自殺し、妻はユーラスに射殺されました。

ドラマの冒頭では、旅客機に乗っていた少女が目を覚ますと、自分以外の乗客たちや客室乗務員やパイロットが意識不明になっていることに気付き、電話で助けを求めていました。電話に出たのはモリアーティで、その後、ユーラスがつなぎ、シャーロックたちと話をさせました。シャーロックたちは、墜落するかもしれない飛行機の中で一人で怯える名前を教えてくれない少女を助ける方法を考えながら、自分たちは兵士なのだと言い聞かせて、モリアーティとユーラスの「ゲーム」を続けました。

「ゲーム」の中でモリー・フーパ―の部屋に爆弾が仕掛けられていると知ったシャーロックは、棺を用意していたユーラスの指示に従ってモリーに電話をかけ、愛していると言ってくれとモリーに頼みました。それは、愛しているという言葉を時間内にモリーに言わせる「ゲーム」でした。モリーは、本当のことだから言えないと戸惑いながら、あなたが先に言ってとシャーロックに頼み、シャーロックはモリーを助けるために、愛していると言いました。それを聞いてモリーは愛していると言い、シャーロックは爆弾のタイマーが止まったことにほっとしました。しかし、ユーラスは、爆弾など仕掛けていませんでした。ユーラスとモリアーティの目的は、モリーをシャーロックに傷つけさせ、シャーロック自身をも傷つけることでした。

ショックを受けたシャーロックは、棺を叩き壊して落ち込んでいたのですが、ジョンから自分たちは兵士なのだと励まされて、飛行機の少女を助けるため、次の「ゲーム」へ向かいました。しかし、次の「ゲーム」は、シャーロックが親友のジョンか兄のマイクロフトのどちらかを射殺するというものでした。悩んだシャーロックは、所長と同じように拳銃自殺をしようとしました。すると、ユーラスは、やめて!と叫び、壁から飛び出してきた吹き矢で3人を眠らせました。シャーロックは、黒い闇の底へ沈んでいきました。

3人はそれぞれ別の部屋へ送られていたようでした。シャーロックは、電話のつながったジョンから、床に水が溜まっている、鎖でつながれている、と教えられたのですが、さらに「赤ひげ」と書かれた犬用のお皿と、小さな骨を見つけたことを教えられ、ジョンがいるのはユーラスが火を放った館の庭の井戸だと気付きました。

館に仕掛けられたテレビ画面の映像の中のユーラスは、井戸に水を入れ始めたことをシャーロックに教えました。ジョンは、水の中で拾った骨が犬の骨ではなく、人間の骨だと気付きました。

飛行機の少女を助ける方法を考えながらユーラスと話をしていたシャーロックは、犬アレルギーの父親が犬を飼うことを許すはずはなかったこと、「赤ひげ」は犬ではなく、海賊ごっこをして遊ぶシャーロックの親友のヴィクター少年だったことを思い出しました。

天才であるがゆえに孤独な少女だったユーラスは、兄のシャーロックが親友とばかり遊んで自分を仲間に入れてくれないことを寂しく思い、兄の親友の少年を井戸に落として殺したようでした。ショックを受けたシャーロックは、親友がいなくなったという事実の記憶を、いつの間にか、飼っていた犬がいなくなったという偽の記憶に書き換えていたのでした。

館の庭にあったでたらめなお墓に刻まれていた「ネモ」という名前には、ラテン語で誰もいない、誰でもないという意味がありました。飛行機の少女と話しながら、お墓に刻まれた数字をユーラスの歌の歌詞に当てはめて並べ替えたシャーロックは、私の部屋を探して、という言葉にたどり着きました。ユーラスの魂は、兄に助けを求めていました。

館の中のある部屋の前にたどり着いたシャーロックが怯える少女の乗った飛行機のドアを開けると、そこには膝を抱えて座る孤独なユーラスがいました。飛行機の少女は、高いところを飛んでいて着地の仕方の分からない、周囲の普通の人々と交流することのできないユーラス自身でした。シャーロックはユーラスを救い、井戸の中で殺されかけていた親友のジョンを助けることができました。

ユーラスは、スコットランドヤードのレストレード警部(ルパート・グレイヴスさん)に逮捕され、再び孤島の施設へ移送されることになったようでした。シャーロックは、ユーラスを自由にすることができなかったことを少し残念そうにしていたのですが、レストレード警部の名前を思い出していました。レストレード警部は、シャーロックのことを偉大な名探偵だと褒めるファンの後輩に、偉大という以上にいい奴だと言っていました。

家族は、死んだと聞かされていた娘のユーラスが実は生きていたということを知って、ユーラスの存在を隠していたマイクロフトを怒っていました。娘に会いたいと話していたのですが、直接会うことができたのはシャーロックだけでした。孤島の施設へ向かったシャーロックは、言葉を失ったというユーラスと一緒にヴァイオリンを演奏して、二人の魂を共鳴させることができたようでした。

シャーロックは、ジョンと一緒に爆破した221Bの部屋を片付け、それからワトソン家の娘のロザムンド(ロージー)をジョンと一緒にあやしていました。新しい日々の中で、「踊る人形」の推理もしていたようでした。最後は、「MISS YOU?」と書かれたCD(DVD)の、ジョンの妻のメアリー・ワトソン(アマンダ・アビントンさん)のメッセージでした。新しく届いたものなのかどうかはよく分からないのですが、メアリーは続きのメッセージの中で、賢くて善良なシャーロック・ホームズとジョン・ワトソンの二人のこれからも続くであろう冒険の人生を応援していました。

脚本はスティーブン・モファットさんとマーク・ゲイティスさん、演出はベンジャミン・カロンさんでした。

メアリーがまとめる最終回になるとは思いませんでしたが、「シーズン4」の最終回も良かったです。

孤独だったユーラスの記憶とシャーロックの記憶が思い出された事実によって修正されていく場面が悲しくて、上手く伝えることができないのですが、私も少し泣きそうになりました。

ユーラスの孤独は一部ではまだ続いていくのかもしれませんが、“ユーラスの記憶”によって作られていたシャーロックは、ユーラスの孤独の魂を理解して兄として助けたことで、自身の孤独からも解放されたようでした。これまで自称していた「高機能社会不適合者」ではなくなったということでしょうか。シャーロックは、親友のジョンの子供と楽しく遊ぶような、人間味のある人物に変わっていました。

しつこい雰囲気のモリアーティの再登場(5年前のクリスマスの場面など)も、しつこいながら良かったように思います。ユーラスが“天才”であるなら、訪ねて来たモリアーティの精神構造もプログラムし直していた可能性がありますが、ユーラスとモリアーティのどちらがより類稀な頭脳の持ち主であるかということは分かりませんでした。二人に共通していることがあるとすれば、犯罪志向があるということと、シャーロック・ホームズの存在を気にしていたということなのかもしれません。

深層心理としての「水」のイメージが貫かれていたところも良かったです。

全3話の「SHERLOCK4」のドラマの最終回を見終わって、温かくて良い終わり方であったようにも思えましたし、少し寂しい終わり方であったようにも思えました。次回作があるのかどうかはまだ分かりませんが、あるとするなら、次作のシャーロックはこれまでのシャーロック、特に最初の「シーズン1」の頃のシャーロックとは別人のようになっているのかもしれないなとも思いました。続編がないとしても、サー・アーサー・コナン・ドイル原作の、現代版「シャーロック・ホームズ」の物語の完結編として、ベネディクト・カンバーバッチさんの演じるシャーロックがマーティン・フリーマンさんの演じるジョンに支えられて少しずつ人間性を取り戻していく物語として、良い作品になっていたように思います。私がコナン・ドイルの探偵小説『シャーロック・ホームズ』のシリーズを読んだのは中学校の頃なので、物語の記憶が曖昧になっているところも多いのですが、それでも、このドラマシリーズを見ていて、好きだったシャーロック・ホームズのことを改めて好きになりました。最後まで見ることができて良かったです。
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