「ブランケット・キャッツ」最終回

NHKの「ドラマ10」の「ブランケット・キャッツ」の最終話「さよならのブランケット・キャット」を見ました。

最終話となる第7話は、第6話の続きです。

治療した癌を再発したことで自暴自棄になり、30年間勤めている永島文具店のお金を持ち出して、椎名家具製作所の椎名秀亮(西島秀俊さん)から借りた赤い首輪の黒猫のクロをレンタカーの助手席に乗せて出掛けた旅先で家を出て行った母親に会いに行こうとしている小学生の小宮山サトル(大西利空さん)とエミ(古川凛さん)の兄妹に出会った桜井たえ子(富田靖子さん)は、母親が暮らしているのが千葉県の木更津市だということ赤い橋の近くだということしか知らなかった子供たちを連れて、とりあえず木更津市へ向かい、子供たちの母親を探したのですが、赤い橋はいくつか見つかったものの、母親の居場所はなかなか見つかりませんでした。

大きな赤い橋の下で車を止めたたえ子さんは、朝食を食べなかったクロがさらに元気をなくしているのを見て、椎名家具製作所の秀亮さんにもらった注意事項などの書かれた紙を読もうとして、自分のスマートフォンにかかってきている電話の番号が秀亮さんのものであることに気付き、すぐに電話をかけ直しました。

社長の永島吾郎(井上肇さん)とその妻の良子(朝加真由美さん)がたえ子さんを心配しているように、クロといなくなったたえ子さんを心配していた秀亮さんは、亡き妻の陽子(酒井美紀さん)に、クロとあの人を守ってほしいと頼んでいました。そして、たえ子さんからの電話に出ると、クロには持病があるということを言い忘れていた、すぐに薬を飲ませないといけないから今どこにいるのか教えてほしいとたえ子さんに頼みました。たえ子さんは、少し迷っていたのですが、クロのために居場所を教えました。秀亮さんは車に乗り、動物病院の院長の藤村美咲(吉瀬美智子さん)も、病院を看護師の水島楓(島崎遥香さん)に任せて、その助手席に乗りました。秀亮さんは美咲さんに、たえ子さんの居場所が分かったと永島社長に連絡してほしいと頼みました。

たえ子さんは、クロとサトルさんを車に残し、トイレに行きたいと言うエミさんを連れて近くのトイレに向かったのですが、戻って来ると、サトルさんとクロがいなくなっていることに気付きました。少ししてサトルさんは戻ってきたのですが、クロは一緒ではありませんでした。クロはどうしたの、とたえ子さんがサトルさんに訊いている時、秀亮さんと美咲さんが到着しました。

ごめんなさいと謝るだけで答えようとしないサトルさんに、たえ子さんが、クロは病気で薬を飲ませないと死んでしまうと話すと、サトルさんは橋の下の土手へ向かい、クロをここへ置いたと言いました。5人でクロの名前を読んで探している時、クロの鳴く声がして、秀亮さんは籠に入ったままのクロを草むらに見つけました。

サトルさんは、クロがいなくなればみんなでクロを探すことになり、そうすれば母親にい会いに行かなくて済むと思ったと打ち明けました。母親に会いに行きたかったのではないのかと訊くたえ子さんに、サトルさんは、母親にはもう新しい家族がいるから会いに行くことはできないのに、エミがママに会いたいと泣くから会いに行くことにしたのだと答えました。複雑な家庭環境のサトルさんが悩みながらこの旅をしていたことを知ったたえ子さんは、私がちゃんと訊けば良かったと、サトルさんを抱きしめていました。

秀亮さんに会って安心したらしいクロは、元気になりました。エミさんは、秀亮さんに、クロのパパみたいと言いました。秀亮さんは、クロのパパではないけれどクロがいなくなったとても心配した、君たちのお父さんも君たちがいなくなって心配しているだろうと言い、ママにバイバイって言いたかった、と言うエミさんに、バイバイなんて言わなくていい、いつかきっと会えると伝えました。

たえ子さんは、子供たちを家まで送り届けてほしいと秀亮さんと美咲さんに託し、白い車に乗って走り出しました。はっとした秀亮さんは、子供たちを美咲さんに託して、車でたえ子さんを追いかけました。そして、海岸に停まっている白い車を発見し、海で入水自殺をしようとしているたえ子さんの姿を見つけました。

秀亮さんは、亡くなった陽子さんのことを思い出しながら、死んじゃだめだと、たえ子さんを助けに向かいました。陽子さんは、仕事で忙しくしている夫の秀亮さんに一緒に行くことを断られて、動物病院に預けた病気のクロを夜一人で迎えに行った帰りの横断歩道で、走ってきたトラックに撥ねられて亡くなりました。道路の脇に落ちていた籠の中のクロは、無事だったようなのですが、その場所から、道に倒れている陽子さんの姿を見ていたようでした。

子供たちを近くの警察に託した美咲さんも、海岸へ駆けつけました。海に入ってたえ子さんを岸まで連れて来た秀亮さんは、毛布を巻きながら、もう耐える人生は嫌だ、どうして死なせてくれなかったの、と言うたえ子さんに、人は一人で生きているのではない、あんたが死んだらずっと後悔する誰かのために生きろ、死んではいけないと言いました。たえ子さんが、自分にはそのような人はいないと考えている時、社長夫妻がたえ子さんのそばに駆け付けました。たえちゃん、と呼ぶ社長夫妻は、俺たちが頼りなかったということだとたえ子さんに謝りました。違いますと慌てたたえ子さんが、会社のお金を盗んでしまったと土下座をして謝ると、社長夫妻は、それなら病院へ行こうと言いました。社長夫妻は、癌が再発したたえ子さんをずっと心配していました。

入院したたえ子さんは、病室で社長夫人から手紙を受け取りました。差出人はエミさんでした。美咲さんが警察に二人を預けた後、二人は、いなくなった子供たちを本当に心配していたらしい父親とその再婚相手の継母と再会していました。エミさんからのお礼の手紙には、肩たたき券とお手伝い券が同封されていて、たえ子さんは幸せそうにその手紙を抱きしめると、手帳を開いて、「死ぬまでにしたい10のこと」の10番目に「生きる」と書きました。

椎名家具製作所で古い針箱の修理をしていた秀亮さんは、再び訪ねて来たインテリア会社の片岡保(小市慢太郎さん)に、傷があっても生き返ることはできる、傷は傷のままでいいのだと話し、前を向くために会社には戻らないと伝えました。猫アレルギーの片岡さんは、秀亮さんの思いを理解し、くしゃみをしながら椎名家具製作所を後にしました。

それから秀亮さんは、訪ねて来た美咲さんに、クロはたえ子さんが退院したら引き取りに来ると話していました。そして、秀亮さんは、美咲さんにお前のおかげだとお礼を言い、さくら食堂以外のお店に食事へ行く約束をしたのですが、その直後、大変です、と大きな段ボール箱を抱えた楓さんが入って来ました。段ボール箱の表には、誰か育ててくださいと書かれていて、開けると中には4匹の小さな子猫たちが入っていました。

脚本は江頭美智留さん、演出は大谷太郎さんでした。

たえ子さんや子供たちを見守る黒猫のクロもすばらしかったですし、3匹になった猫たちが秀亮さんをじっと見つめていた場面もかわいかったですし、最後の子猫たちもまたとてもかわいかったのですが、子猫たちを前に途方に暮れる秀亮さんの場面で終わるという終わり方も、良かったように思います。クロはたえ子さんの家の猫になりそうですが、子猫たちが増えたことで椎名家の猫はまた7匹に戻るのかもしれません。

陽子さんが最後に一緒だったクロの見守る中、クロと一緒に旅に出たたえ子さんも、父親と離婚した母親に会いに行くために旅をしていた子供たちも、妻の陽子さんを大切にできなかったことを後悔している秀亮さんも、生きるために前を向くことができたようでした。

前を向いて生きるということがどのようなことなのか、はっきりとは分かりませんが、過去に囚われ過ぎずに生きるとか、多少のことは諦めて割り切って生きるとか、そのようなことでもあるのかなと思います。猫のように、自分の好きなように自由に生きることができればいいと思いますが、そのためには高い能力が必要です。どのような状態を自由と思うかということも、人によるのだろうと思います。他の誰かから見ると十分に自由に暮らしていそうな人が、自分は少しも自由ではないと感じているということもあるだろうと思います。それに、人間が知らないだけで、猫の世界もそれなりに本当は大変なのかもしれません。現実の社会の中で、「生きる」ということを何でもないことのように気軽にできる人は、それだけでもすごいように思えます。

猫たちがかわいらしいということもあるのですが、俳優さんたちも、脚本も演出も、音楽も映像も、落ち着いていて、温かみがありました。何というか、猫にも人にも優しいドラマでした。

主に一話完結のドラマでしたが、毎回良い話だったように思います。重松清さんの小説『ブランケット・キャッツ』を私は未読のままなので、それとドラマとを比べることはできないのですが、ドラマの世界観は一貫していたように思いますし、完成度の高い作品になっていたのではないかなと思います。私もこのドラマを最後まで見ることができて良かったです。
プロフィール

Author:カンナ
ブログ初心者です。
感想などを書いています。
マイペースで更新します。
すきなもの
 月・星空・雨・虹・雪
 飛行機雲・入道雲・風鈴の音
 透き通った水・きれいな色
 富士山・東京タワー・ラジオ・音楽
 本・絵画・ドラマ・(時々)アニメ
 掃除機をかけること
にがてなもの
 人ごみ・西日・甘すぎるお菓子
 

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
カウンター
検索フォーム