「陸王」第1話

TBSの「日曜劇場」枠の新ドラマ「陸王」の第1話を見ました。初回は2時間スペシャルとして放送されていました。

埼玉県行田市にある創業100年の老舗足袋製造会社「こはぜ屋」の四代目社長の宮沢紘一(役所広司さん)は、業績の低迷に伴う埼玉中央銀行行田支店からの融資打ち切りの雰囲気に悩んでいたある日、融資課の坂本太郎(風間俊介さん)から新規事業への参入を勧められました。スニーカーショップで5本指ソックスのようなデザインの海外メーカーのスニーカーが人気だと知った紘一さんは、足袋製造技術を活かした「マラソン足袋」の製造を思い付き、坂本さんに紹介されたスポーツショップ「アリムラスポーツ」の店長でランニングに詳しい有村融(光石研さん)のアドバイスを受けながら、会社の存続をかけて、従業員たちと共に、「ミッドフット着地」を実現する薄底のランニングシューズの開発プロジェクトを実行し始めました。

紘一さんは、「こはぜ屋」の番頭の富島玄三(志賀廣太郎さん)や就職活動中の長男の大地(山﨑賢人さん)の反対に遭いながらも、シューズ作りを諦めることができませんでした。

有村さんに誘われて、「ダイワ食品」の陸上競技部の選手で元箱根駅伝選手の茂木裕人(竹内涼真さん)のファンだった長男の大地さんと愛知県の豊橋国際マラソンに出掛けた紘一さんは、ケニアの選手やライバルの毛塚直之(佐野岳さん)を抜いて先頭を走っていた茂木さんが40kmを超えた地点で左脚を負傷し、まだ走れると叫んでいるのを担当者(和田正人さん)に止められて棄権させられて帰って行く様子を見て、足の怪我を防ぐランニング足袋の開発に挑戦する決意をしました。そして、従業員たちに残業で製造してもらいながら、自ら履いて近所を走ったり、大学生たちに履き心地の調査を頼んだりして、マラソン足袋の試作品を完成させました。

茂木さんに試してもらおうと、紘一さんはダイワ食品に完成したシューズの試作品を持って行ったのですが、陸上部の監督の城戸明宏(音尾琢真さん)が面倒そうに受け取った「こはぜ屋」の紙袋は、茂木さんのシューズを調整する村野尊彦(市川右團次さん)が見ようとした時、有名シューズメーカー「アトランティス」の社員の佐山淳司(小籔千豊さん)に近くのごみ箱に捨てられてしまいました。

しかし、その後、「こはぜ屋」のマラソン足袋の試作品は、茂木さんの元に届きました。「こはぜ屋」が有名な足袋屋さんだと知っていた清掃員の女性が、茂木さんへと書かれている「こはぜ屋」の紙袋に気付いて取って置いたようでした。

「こはぜ屋」は大学生の体育用のシューズのコンペに参加し、「アトランティス」社に負けてしまったのですが、負けた理由は、知名度の低さと実績の無さにありました。「こはぜ屋」の融資担当者は、坂本さんから、「こはぜ屋」の企業精神に理解のない大橋浩(馬場徹さん)に代わりました。行田支店から群馬県の前橋支店への左遷が決定した坂本さんは、新規事業への参入を頑張ってほしいと、シルクレイという素材の資料を紘一さんに渡して去って行きました。紘一さんは、その特許を持つ開発者の飯山晴之(寺尾聰さん)という職人と会うことになるようでした。

原作は、私は未読なのですが、池井戸潤さんの小説『陸王』です。脚本は八津弘幸さん、音楽は服部隆之さん、演出は福澤克雄さんでした。ナレーションは八木亜希子さんでした。陸上の監修は、青山学院大学陸上部の原晋監督だそうです。

八津さんの脚本と福澤さんの演出と池井戸潤さんの原作による、中小企業の挑戦と再生と銀行の融資課との駆け引きとを描く「日曜劇場」のドラマということで、もはや安定感がすごいです。一つの「型」になっているのだと思います。

今作もまた登場人物が多いように思うのですが、中心にいる人物は実はそれほど多くはないのかもしれませんし、関わっている人が多いというのもまた現実的であるのかもしれません。

「こはぜ屋」の取り組みは紆余曲折しながらも最終的にはきっと成功するのだろうという予定調和的な安心感もあると思います。すごく面白いというのとは少し違うかもしれないのですが、みんなで会社のために取り組んでいることが少しずつ上手くいって喜んでいる登場人物たちの様子をテレビの前で見ていると、単純に、良かったなと思います。

タイトルの「陸王」は、紘一さんが開発しようとしている「こはぜ屋」の紺色のマラソン足袋の名前だったのですが、紘一さんの父親である先代の社長が開発しようとしていた白色のマラソン足袋の名前から取ったもののようでした。

ミッドフット着地という走法は、底の(かかと部分の)厚い靴では難しいということなのですが、その走法が足の怪我を防ぐということがランニング業界では有名な話なのだとすれば、どうしてその走法ができるような靴を普通の靴メーカーでは作らないのだろうかと、ドラマを見ていて少し気になったのですが、ドラマに登場したマラソン足袋(ランニング足袋)は、私もどこかの靴店で似たようなデザインのものを見かけたことがあるので、現実にも存在するランニングシューズなのかもしれません。おしゃれなのかどうかということは私にはよく分からないのですが、歩きやすそうだなとは思います。『ドラえもん』のドラえもんの足は、数mmほど常に宙に浮いているため、裸足でありながら安全で清潔ということなので、普通の人間にはなかなか無理なことかもしれませんが、最終的にはそれが理想なのかもしれないと思います。

ドラマの冒頭で、「こはぜ屋」の従業員たちは、つま縫いという作業をすることができる100年前のドイツ製の黒いミシンを使って足袋を作っていたのですが、このミシンは今でも足袋屋さんでは使われているものなのでしょうか。部品や針は自作しているということだったのですが、ドイツではこのミシンは使われていないのでしょうか。

このドラマの物語とは直接関係のないことなのですが、例えばテレビ東京の「和風総本家」で、日本で作られた製品が海外に渡って現地の方に大切に使われているのをメーカーの方たちが見て感激しているように、もしもドイツのミシン会社の方が、昔に作ったミシンが日本の老舗足袋屋さんで今でも大切に使われている様子を見たなら、嬉しく思うのではないかなと思いました。
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