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映画「PAN ~ネバーランド、夢のはじまり~」

昨夜、日本テレビの「金曜ロードショー」で放送されていた映画「PAN ~ネバーランド、夢のはじまり~」(原題「PAN」)を見ました。吹き替え版です。

2015年に公開されたイギリスとアメリカの合作映画だそうです。地上波初放送ということでしたが、本編ノーカット放送とは書かれていませんでした。

主人公のピーター(リーヴァイ・ミラーさん)は、生まれて間もなく母のメアリー(アマンダ・サイフリッドさん)に手紙と笛のペンダントと一緒にイギリスのロンドンのケンジントン公園に置き去りにされた少年でした。孤児院で12歳になったピーターは、第二次世界大戦中のある夜、院長のシスターが呼んだ空飛ぶ海賊船に他の孤児たちと共にさらわれ、海賊の黒ひげ(ヒュー・ジャックマンさん)が支配するネバーランドの炭鉱で妖精の粉の結晶の鉱石「ピクサム」を掘り出すという強制労働に従事させられることになったのですが、仕事を始めてすぐに発見した妖精の粉の結晶を別の作業員に奪われ、盗まれたと騒いだ結果泥棒の当事者とされ、黒ひげに罰せられることになりました。

しかし、高いところから観客の上に突き落とされたピーターは、落ちる前にしばらく宙に浮きました。ピーターをメアリ―と妖精の子供だと考えた黒ひげは、フック(ギャレット・ヘドランドさん)やサム・スミーゲル(アディール・アクタルさん)と共に空飛ぶ船を奪って逃げたピーターを追跡し、「妖精の巣」を守るために海賊たちと戦い続けている先住民族のタイガー・リリー(ルーニー・マーラさん)たちが暮らす森へ侵攻するのでした。

脚本はジェイソン・フュークスさん、音楽はジョン・パウエルさん、監督はジョー・ライトさんという作品でした。

「金曜ロードショー」の解説には、「『ハリー・ポッター』シリーズのスタジオが贈る、ピーター・パンの誕生秘話を描く物語」とあったのですが、それはワーナー・ブラザーズ・スタジオのことのようです。

主に、第二次世界大戦中のイギリスの孤児院から連れて来られたピーターと、そことは違う時間と場所?からずっと前に連れて来られたらしいフックと、ネバーランドの先住民族のタイガー・リリーが、若返りにも必要な妖精の粉を全て手に入れようとする海賊の黒ひげと対決をする物語でした(途中でフックを裏切ってしまったスミーは、結局死亡したのでしょうか。最後の空飛ぶ海賊船「ジョリー・ロジャー号」の上にはいなかったような気がします)。

不幸な境遇で?暮らしている普通の少年が、実は別の世界の“特別な子供”で、別の世界に行って“悪”の大人たちと戦い、ヒーローになっていくという成長物語は、確かに「ハリー・ポッター」的だったように思います。映画「ハリー・ポッター」シリーズの物語をあまり楽しめないでいる私には、昔に初めて第1作の映画「ハリー・ポッターと賢者の石」を見終わった時の印象と似ているというか、この映画「PAN」を見る前に思っていたよりも、物語が浅いというか薄いというか、本当にこれで良いのだろうかと思えるような「ピーター・パンの誕生の物語」でした。

空飛ぶ海賊船で様々な時代や世界から人々を集めては妖精の粉の鉱石を掘らせるという海賊の黒ひげの背景も、支配しているネバーランドがどのような世界なのかという描写もほとんどなく、海賊たちと先住民族との戦いの歴史?もタイガー・リリーが(木の年輪を使ったクレイアニメのようなCGで)ピーターやフックにざっくりと話しただけでした。

ピーターの笛を奪って「妖精の巣」に入った黒ひげたちと戦うピーターが飛んでいる場面にも、私には、“浮遊感”を感じることはできませんでした。ピーターが飛んでいるというよりも、ピーター少年の顔の前方から風が強く吹いてきているという風にしか見えませんでした。浮遊感を伝えるというのはなかなか難しいことなのだなと思いました。また、このピーターと妖精たち(小さな妖精の集団の一人だったティンカー・ベルの描写も僅かでした)と黒ひげの戦いの場面を見ながら、私は何となく、昔の神木隆之介さん主演の映画「妖怪大戦争」を少し思い出しました。

海賊・黒ひげは、“悪”のまま、ピーターたちに滅ぼされたようでした。孤児院のシスターも、分かりやすい“悪”の大人のままでした。

ネバーランドの森の先住民族たちも、先住民族的ではあったのですが、先住民族というよりは、多民族のようでした。1964年(昭和39年)公開の東宝の映画「モスラ対ゴジラ」の島の先住民族の描写に少し違和感があったように、この映画「PAN」の先住民族の描写にも少し違和感がありました。でも、架空の先住民族ということなら、実際の先住民族やそのイメージとは重ねて考えないほうが良いのかもしれません。

黒ひげを演じていた俳優のヒュー・ジャックマンさんがヒュー・ジャックマンさんに見えないというところも、私には少し残念に思えたところでした。

私はNHKのBSプレミアムで放送されていたアメリカのABC系列のドラマ「ワンス・アポン・ア・タイム」のシリーズをとても好きで見ていたので(2016年に「シーズン4」の放送が終わった後、続きが止まっているのですが、BSプレミアムでは「シーズン5」以降の放送予定はないのでしょうか)、フックが良い人で主人公のピーターの「仲間」になって、「敵」は黒ひげであるという部分は一応分かったのですが、ディズニーの「ピーター・パン」を知っていたほうが見やすい映画なのかなとも思いました。

それでも、この映画の物語を「ピーター・パンの始まりの物語」と考えるのは、少し無理があるようにも思えました。

黒ひげかフックが主人公の物語だったらまた違ったのかなとも思うのですが、もしも私が小学生の時にこの映画「PAN」を見たなら、もっと普通に、ピーターたちの「冒険物語」として楽しむことができたのかもしれません。

あと、私としては、12歳のピーター少年の物語が、第二次世界大戦中のロンドンの孤児院の物語として始まったというところも、少し気になりました。「第二次世界大戦中」であるということが、この映画の物語にはほとんど無関係に思えたからです。冒頭の戦争の描写(ロンドンの街は上空に現れた国籍不明の戦闘機から投下された爆弾により、空襲の被害を受けて黒煙を上げていました)も中途半端でしたし、最後、ジョリー・ロジャー号でピーターが友人の孤児のニブス(ルイス・マクドゥーガルさん)たちを孤児院から連れ出した時のロンドンの街からは、なぜかすっかり「戦争」が消えていました。ネバーランドを出たピーターたちが戻ったのは、元のロンドンではなく、「パラレルワールド」のロンドンだったのでしょうか。“子供向け”のファンタジー作品として「戦争」を描かないのであるなら、「第二次世界大戦中」というリアルな設定にする必要はなかったのではないかと思います。

森を守っていた先住民族の族長が黒ひげに殺される場面に赤い血が流れず、銃の煙が綿菓子のようにカラフルだったのも、子供が見る作品ということへの配慮だったのでしょうか。そのようなところも、物語を浅くする要素になっていたような気がします。

真実の愛や友情と自分を信じて前向きに生きることの大切さ、というようなところは(ディズニーの作品にも共通しているのかもしれませんが)、よく伝わってきたように思います。決してすごく悪い作品というわけではないと思うのですが、昨夜に「金曜ロードショー」の枠で見ただけの私には、「ピーター・パン」の一作品としては、何というか、少し物足りない印象の映画作品でした。
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